ハリウッドなう by Meg
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ハリウッドを拠点に活動するテレビ評論家。Television Critics Association (TCA)会員として年2回開催される新番組内覧会に参加する唯一の日本人。Academy of Television Arts & Sciences (ATAS)会員でもある。アメリカ在住20余年。

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ハリウッドなう by Meg

日本では「グッドワイフ1」開始、米国ではスピンオフ「The Good Fight」シーズン2更新

※「グッドワイフ」日本未公開エピソードについてネタバレが含まれます。


日本ではシーズン3まで、NHKで放送された後、尻切れとんぼになっていた21世紀の二大秀作の1本「グッドワイフ」ですが、5月22日からDLifeで、シーズン1に遡って放送されいるのをご存知でしょうか?日本の「グッドワイフ」ファンには、近年最大の吉報です。


このコーナーで最後に「グッドワイフ」に触れたのは、2016年4月27日に公開した記事「『グッドワイフ』’完’への秒読み開始〜不死鳥アリシアの行く末は?」です。あーでもない、こーでもないと想像しましたが、昨年5月8日に放送された最終回は、想像だにしなかった結末となりました。「アリシアの鍛錬」と銘打ったシリーズに相応しい終わり方だったので、私は有終の美を飾ったと思いますが、視聴者の3分の2は納得できない!と不評を買いました。


当然のことながら、ウィル・ガードナー(ジョシュ・チャールズ)の突然の死放送直後と同様、クリエイターのロバート&ミシェル・キング夫妻が、CBSのサイトで声明を発表しました。7シーズン(156話)がハッピーエンドで幕を閉じなかったことが、不評の最大の原因です。人生はそんなに甘くはありませんし、何もかもスッキリ片付くことなど不自然極まりないと思いますが、何でもかんでもハッピーエンドにしたがる、アメリカ人の悪い癖です。’終わり良ければすべて良し’を盲信している能天気な人間が多いと言うことでしょうか?(笑)


最終回の詳細は、米国在住のブロガーが微に入り細に入り説明しているので、ここでは控えますが、パイロット版=シリーズ幕開けと同様、ピーター・フローリック(クリス・ノース)の辞任記者会見と茶番劇の舞台裏で、アリシア(ジュリアナ・マルグリーズ)が如何に成長したかが見事に描かれました。おっかなびっくりの良妻賢母が7年に渡る試練から学習し、自信に満ちた大人の女になり、独立独歩生きる第一歩を踏み出すシーンで締めくくられました。実際にどのようなキャリアを選び、独りで生きて行くのか?再婚するのか?などは、視聴者のご想像に任せますと言わんばかりの意味深の’完’でした。


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「アリシアの鍛錬」を7年間演じたマルグリーズは、デキる女の先駆けは「クローザー」だと指摘する。特に思い入れの深い逸話は、1)パイロット、2)ケイリーと法律事務所を立ち上げようとしていることがバレて、ウィルの捨て台詞が冷たく心に突き刺さった95話(シーズン5「Hitting the Fan」)、3)ウィルの惨死を描いた105話(シーズン5「Dramatics, Your Honor」、4)アリシアが初めて切れまくって醜態を演じた147話(シーズン7「Judged」)。WENN.com


自分のことだけ考えて、自分のために生きる第一歩を踏み出した、筋金入りアリシアの後ろ姿に感涙しました。家族を優先するために、自分を殺して生きるのは、もう御免!と浮き世のしがらみを断ち切ったアリシアは、正に大空に羽ばたいた不死鳥を思わせる荘厳さでした。マルグリーズが「納得のいく、心にしみる、切ない終末」と描写した訳です。数限り無い失望を味わい、酸いも甘いも噛み分けた大人になったアリシアは、21世紀を生きる女性の鑑と言えるでしょう。


キング夫妻が創り出したシカゴの法曹界・政界に二度と足を踏み入れることはないのか....と、寂しい思いでしたが、スピンオフ制作の発表があったのは、最終回放送10日後の5月18日、NYアップフロントの席でした。



「グッドワイフ」完了と同時に、若いプロデューサーにバトンタッチして身を引く予定だったキング夫妻です。今年1月の「The Good Fight」制作発表のパネルインタビューの席で、ロバート・キングは「グッドワイフ」がオバマ時代に生まれ、オバマ政権下で存続したドラマであることを指摘した上で、「トランプ当選で、世の中が豹変。悔しいけれど、トランプのお陰で、反骨精神に目覚めたと言える」と復帰の動機を語りました。つまり、天と地がひっくり返った無秩序、騒乱の真っ只中で、ミシェルの思いつき「ダイアンを黒人ばかりの法律事務所に送り込むのはどうかしら?」を実現したのが、「The Good Fight」なのです。2月19日のCBSとCBSオールアクセス(ストリーミング配信)でのプレミアを前に発表した英文評です。


英文評


「The Good Fight」の主人公は、三人の女性弁護士です。「グッドワイフ」第一話から、常に善悪を判断し、正義を貫いてきた’理想に燃える’進歩派弁護士ダイアン・ロックハート(クリスティーン・バランスキー)と、最終シーズンでアリシアの腹心兼共同経営者でもあったルッカ・クィン(クッシュ・ジャンボ)の既にお馴染みのキャラを使います。「The Good Fight」のアリシア役には、ダイアンが娘のように可愛がっている新米弁護士マイア・リンデル(ローズ・レスリー)が起用されました。


バランスキーは「プロヴァンスで余生を楽しもうと計画していたダイアン(60代)が、ルッカ(34歳)とマイア(25歳)に女の底力を引き継ぐべく戻ってくるの。念願の初の女性大統領が生まれ損なったご時世だから、まだまだ女の闘いは続くと言う意味で、このタイトルがとても気に入ってるの」とご満悦のようです。


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バランスキーはダイアン役で、何度かエミー賞助演候補に挙がったことはあるが受賞したことはない。「The Good Fight」では主役なので、主演女優賞候補として今年最も有力だ。ドラマもコメディーも同様に演技が光る役者なので、是非エミー賞を獲って欲しい。 WENN.com


スピンオフは、「グッドワイフ」の最終回から1年後、トランプの就任式を呆然と観ているダイアンのアップから始まります。プロヴァンスに家を買って、余生を楽しもうと退職を発表した直後、地位・名誉・富すべてを失い、ダイアンは人生双六の振り出しに戻ってしまいます。トップの座に上り詰めた挙句の果ての’失脚’は、半端ではありません。自ら立ち上げた法律事務所には拒絶され、働きたくても、スキャンダルが災いして、誰も雇ってくれません。弁護士歴2年で家庭に入り、夫の失態で復職せざるを得なくなったアリシアの再出発など、比べ物になりません。


ダイアンの’失脚’の引き金となったのは、旧友ヘンリー・リンデル(ポール・ギルフォイル)が巨額金融詐欺容疑で逮捕されたことです。ダイアンに救いの手を差し伸べたのは、黒人ばかりのレディック・ボウズマン・コルスタッド法律事務所で、公民権運動や近年横行する警察の残虐行為に目を光らせています。ダイアンの口利きで、同事務所に入社したシカゴの名門リンデル一族の一人娘マイアは、ルッカに支えられて仕事に没頭するものの、人間不信は否めません。本シリーズのアリシアに例えたのは、マイアも一族の巨額金融詐欺スキャンダルの渦中で、巷の中傷、非難、捏造記事に苛まれながらも、一人前の弁護士になろうと頑張る芯の強さと底力を発揮するからです。但し、駆け出しの怖いもの知らず故の’猪突猛進’は、アラフォーのアリシアにはとても真似のできない強みです。


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華奢な体格からは想像できない、芯の強い新米弁護士マイアを演じるレスリー。渦中の人として認識されない場所で、周囲の弁護士に支えられて仕事に没頭するが、あらゆる媒体から総攻撃を受ける。WENN.com


ルッカ(34歳)は、歯に絹着せぬ物言いとドライなユーモアが売りの敏腕弁護士です。「グッドワイフ」シーズン7で漸くアリシアが巡り合った親友がルッカで、悩みを打ち明けたり、飲みに行ったり、無くてはならない存在となりました。アリシアとジェイソン(ジェフリー・ディーン・モーガン)の仲を取り持ってくれたのも、アリシアが初めて切れまくった時に暖かく抱擁してくれたのもルッカです。


「The Good Fight」は、ルッカが働くレディック・ボウズマン・コルスタッド法律事務所の世界に、ダイアンとマイアが飛び込んでくると言う設定です。アリシアから学んだスキャンダルを生き延びる方法をマイアに伝授して、何かと手を貸すルッカですが、親友アリシアの不在で、また一匹狼に戻ってしまった感があります。コリン・モレロ検事補(ジャスティン・バース)との恋愛とも単なるお遊びともとれる摩訶不思議な駆け引きは、カリンダ・シャルマ(アーチー・パンジャビ)を彷彿させ、どうも頂けません。「グッドワイフ」シーズン7のルッカに戻って欲しいと思うのは私だけでしょうか?


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ジャンボが演じるルッカは、型破りな弁護士だ。親友アリシアの現況を口にしたがらないのは何故か?もう親友ではないから?その内、アリシアへの気持ちを明かしてくれることを期待したい。WENN.com


今年1月のプレスツアーは、トランプ対策一色だったとお伝えしましたが、蓋を開けて見ると、トランプの逆鱗に触れまいと、遠回しに批判する程度のドラマが多かったように思います。真っ向からトランプを批判するのは、トーク番組や偽トランプ主演のコメディーに限定されています。トランプ政権下の大混乱の中、全米一進歩派が集中するシカゴの法曹界がいかに反応するかを描くのは、「The Good Fight」の他にありません。


「トランプ当選を知ったのは、パイロット撮影8日目。ヒラリーが当選するものと思って4話書き溜めしてあったけど、遣い物ものにならないのでボツにしました。トランプ就任式を呆然と観ているダイアンのアップも、当然プレミア前に撮り直したものです」とロバート・キングは舞台裏を明かしました。「ダイアンがヒラリーと一緒に撮った写真を箱に収めるシーンの意味が逆転した」と指摘したのは、バランスキーです。「選挙前日には、ヒラリーが大統領になったから、ダイアンだってどん底から這い上がる力を持っている!の心意気を込めて、写真を箱に収めた訳だけど、選挙当日、レディック・ボウズマン・コルスタッド事務所のシーンを撮り終わって楽屋に戻ったら、トランプの当選がほとんど確実と知って....奈落の底に突き落とされて、スローモーションで落ちて行く感じがしたわ」と付け加えました。同じシーンなのに、選挙前と開票後では、ダイアンの心意気/勇気/やる気が落胆/混乱/絶望に変わってしまったと言う前代未聞の大逆転を感慨深く語るバランスキーでした。


トランプが次期大統領と決まって以降、「引力を失って、上下の区別がつかない、無秩序な社会になってしまった」とロバートは現況を読みます。キング夫妻が得意とする「天と地がひっくり返った時こそ、人間が成長する又とない機会」主義が、スピンオフにも応用されています。足場を失い、宙を舞うような不安定極まりない状況を味わう「The Good Fight」のキャラ達は、進歩派のシカゴ住民のみならず、全米の反トランプ派常識人を代表してくれて、気分爽快です。

心理分析に長けた犬と、アラサー飼い主の不思議な世界「Downward Dog」

地上波局の2016~17年シーズンが終了し、ケーブル局では夏シーズンが始まりました。とは言え、ケーブル局が発表する新作も今年は余り期待できるものがなく、毎晩録画を楽しむか、DVDを満喫する時期に突入しました。


9月末の新シーズン開始まで、地上波局は軽いノリの夏番組で埋めるのが恒例ですが、5月16日に登場した「Downward Dog」(ABC)が意外にも新鮮です。


【動画】Downward Dog (ABC) "We're in This Together" Promo HD


喋る犬はキャラとして過去にも存在しましたが、「Downward Dog」は一味違います。どこがどう違うのかと言うと....マーティン(ネッド)と言う名の雑種犬が、動物愛護センターから救い出してくれた女神ナン(アリソン・トールマン)の世界で如何に生きて行くかを描くロマコメになっている点です。マーティンは「ナンは絶世の美女。こんな美人、見たことがない」と崇めますが、1日の大半をどこでどう過ごしているのか、どんな夢を抱いているのかなどは知る由もありません。勘違いの最たるものは、ナンの夫として人間の立場から夫婦関係を心理分析することです。最も一日中、番犬として内に篭っている訳ですから、他に考えることがないと言えば、ないのですが....ナンが仕事や負け組彼氏ジェイソン(ルーカス・ネフ)にかまけて、放ったらかしにすると、鬱憤晴らしに靴や家具を噛んで不満を表現したり、近所の猫ペパーとは犬猿の仲など、当然ながら犬らしさも持ち合わせています。




時々、姿を現わすジェイソンは、ナンとマーティンの夫婦(?)関係に水を差す宿敵ではあるものの、散歩に連れ出し、遊んでくれるので、そうそう邪険には扱えません。但し、ナンは仕事に打ち込んで何らかの生きがいを見つけようとする向上心の高いアラサー女性ですが、ジェイソンは特に夢も希望も出世欲も無く、結婚には極めて物足りない相手なのです。


飼い主ナンとの関係を心理分析する、感じやす~い、男の何十倍も繊細な変な犬マーティンの冒険と言った方が良いかもしれません。「人間として言わせてもらうなら....」とコメントする反面、「犬だから仕方ないでしょ」と言い訳することもあり、イマイチ良く解っていないんだと笑えます。但し、寂しい人間への思いやりは格別で、ホロリとするほど優しい友達犬なのです。


クラーク&ボウ衣料の広告部門で働くナンは、男尊女卑を絵に描いたような上司ケヴィン(バリー・ロスバート)の反対・妨害行為にも関わらず、マーティンが自分を崇める目線を元に「誰でも絶世の美女!」をスローガンに店頭ディスプレーを企画します。仕事仲間ジェン(カービー・ハウェル・バプティスト)の後押しもあって、全国展開できそうな所まで漕ぎ付けますが....


元々、サム・ホッジスが同名のウエブシリーズとして展開していたものを、マイケル・キレンと組んでABCでテレビ化に成功した新作です。成功の秘訣は、シカゴの動物愛護センターから引き取った新星ネッドの起用です。表情が豊かで、特に後ろめたそうな上目遣いが特技です。更に、マーティンの独特な喋り方が効いています。声優も務めるホッジス自体から確認を取ることはできませんでしたが、文末や区末を下げて言い切るのではなく、判断や同意を視聴者に委ねるかのように、上昇調イントネーションを使うValleyspeakができる犬なのです。説明が難しいので、トレーラーのマーティンの台詞のイントネーションに注目してください。3~4語毎に、意味も無く飛び出す「like」と「for sure」がキーワードです。


【動画】DOWNWARD DOG Official Trailer (HD) Allison Tolman Comedy


今夏は、6話限定と呆気なく終わってしまいますが、正式のシリーズに格上げして欲しいものです。

哀しいかな、打ち切り!「スリーピー・ホロウ」「No Tomorrow」「Frequency」

4月末からNYで,2017~18年シーズンの新作を地上波局、ケーブル局、ストリーミング会社が発表し始めました。このスポンサー向けのプレゼンに一度参加したいとは思いつつ、NYに飛ぶことを考えると、どうも腰が重い私です。


新作が発表される=旧作の運命が決まると言うことで、日本のゴールデンウィーク中、ほとんど毎日のように凶報が舞い込みました。


3月16日の「風前の灯火『スリーピー・ホロウ』」で述べたように、予想・覚悟はしていたものの、独創性が高く、希少価値の「スリーピー・ホロウ」の打ち切りは、最悪の凶報でした。イカボッド(トム・マイソン)とアビー(ニコール・べハーリー)のコンビが、本作の魅力の一つでしたが、二人を無理矢理くっつけなかったのは、クリエイターがヴィジョンを貫いた結果と読み、拍手喝采を送りたいと思います。但し、それが問題なんだよ!と信じている人もいれば、べハーリーの降板が視聴率低下の最大の原因だと主張する人もいます。


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べハーリー(左)とマイソンのコンビ無くして、「スリーピー・ホロウ」は成立しないと実証してしまったが、ホラーやSFジャンルが大の苦手の私でさえ番組のファンに転換するほど魅力的な俳優だった。次作に期待しよう!WENN.com


今シーズン、若者狙いの小手先の操作が災いして、少年探偵団(=幼稚)に成り下がってしまったこと。お陰でマイソンの勇壮活発な姿が半減してしまったことが、視聴率低下に拍車をかけたと私は読みます。


Six heads are better than one. Relive the trials and tribulations of #TeamWitness once more with the link in our bio. #SleepyHollow

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最近人気を挽回した、アンソロジーにした方が良かったのではないか?キャラの年齢を下げて維持して行くには無理がある設定だった。 
 
しかし、最大の原因は、Foxが自信の無さを様々な形で現わにしてしまったことではないでしょうか?自信満々で登場したシーズン1と、2以降は雲泥の差でした。16年1月27日の「悲喜交々?2016年冬のプレスツアー」でご報告したようにテレビジョン・グループのデイナ・ウォルデン会長兼CEOが創作チームが毎シーズン「からくり」を考案するのに苦労していることを明らかにしてしまい、希少価値の座を維持することが至難の技であると認めてしまったのです。


トップがこれですから、諦めムードが充満していて、広報に及んではインタビューやセット訪問のリクエストに返答もしないお粗末さでした。継続番組にマーケティングや広報予算がないことは分かります。Foxだけではなく地上波局は全て、ここ数年制作本数の急増に反比例して、継続番組にはエネルギーや資源を注ぎ込まないようになって来ました。宣伝しないから視聴率が減少する、視聴率が下がるから宣伝しないの悪循環を繰り返しているのが現況です。


他に残念だったのは、私がお薦め番組として紹介したCW局のロマコメ「No Tomorrow」(16年10月25日)映画「オーロラの彼方へ」のテレビ化「Frequency」(16年11月2日)が2作とも、打ち切られてしまったことです。


「No Tomorrow」は、出来の良い逸話とハズレ回が1対3の割合で、基本的にネタを維持するのに苦労しているんだな~と感じてはいたのですが、マイナス思考もどん底の2016年、「今日を掴め」がテーマの明るいロマコメが珍しいのと、主役の二人が愛くるしかったので、許せてしまいました。世の中が混沌としている今、この手のロマコメが観たいのに、このジャンルは今や絶滅の危機に瀕しています。あー、世も末!!

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イーヴィ(トリ・アンダーソン)とゼイヴィア(ジョシュア・サス)の愛くるしいコンビが味噌だった「No Tomorrow」。ロマコメが成り立たない世知辛い世の中で、大健闘してくれたことに感謝、感謝。WENN.com


「Frequency」は、回を重なる毎に、話が本筋から離れて行き、録画した最終話を再確認しなければ、どのように終わったか忘れてしまうほどです。レイミー(ペイトン・リスト)とフランク(ライリー・スミス)父娘は、母ジュリア(デヴィン・ケリー)の宿命を書き変えるべく、無線機を介して殺人鬼の捜査に乗り出します。ジュリアの運命の日まで残り数ヶ月。20年を隔てた「声のタイムトラベル」で結ばれた父娘が、時間との闘いに挑む、タイムパラドックスがテーマのSFファンタジー・サスペンス・ドラマです。


ところが、運命を変えるために父娘が奔走するのみで、母ジュリアは全く聞く耳を持たないことに、腹が立ち、イライラしました。はっきり言って、この日に連続殺人鬼の犠牲になると解っていたら、私ならそそくさと何処かに身を隠します。確かに、フランクが助けた看護婦が20年後、レイミーに発見されると言う逸話があり、運命を書き換えることはできないと言う仕掛けにはなっていましたが....

やはり、この手のSFファンタジー・サスペンスは、2時間限りで完結する映画向きなのかもしれない。テレビドラマ化するほど、息が続かない感じがした。 
 
月曜日から始まった地上波局の新作発表会Upfrontで公にされた新作を観た限り、「No Tomorrow」や「Frequency」ほど、キラリと輝く作品は一本も見当たりません。打ち切り3日後に180度好転した「タイムレス」(16年10月10日にお薦め)の例もあります。CWに陳情しようかと思っていた矢先、CWサイトで2作の何らかの結論を観ることができると発表がありました。尻切れとんぼよりは良い?とは思いますが、希望を完全に断ち切られてしまい残念無念です。




史上初の打ち切り3日後に更新が決まった「タイムレス」。こちらは一話完結型なので、時と場所を変えればまだまだ継続できる筈。毎回セットを作り変えるのが前提なので、制作費高騰が一番心配。打ち切りの最大の理由となり得るからだ。 
 
 

ジェイソン・ルイス、ジル・フリント等、NBCの新作、更新作の番宣に駆けつける

去る3月20日、ビバリーヒルトンで毎年恒例のNBC Universal Summer Press Dayが開催されました。春から初夏にかけて放送開始となる新作や更新作の番宣イベントです。

午前
9時~ 9時15分   朝食
9時15分~10時15分 「The Carmichael Show」シーズン3の囲み取材
10時30分~45分 「Famously Single」(E!局)シーズン2パネルインタビュー
11時~11時15分 「The Wall」シーズン2パネルインタビュー
11時30分~45分 「Midnight, Texas」パネルインタビュー

午後
12時~12時15分 「Cyrus vs. Cyrus: Design & Conquer」パネルインタビュー
12時30分~45分 「Faherty」& 「Jack」(ゴルフチャンネル)パネル
1時~ 2時     昼食
2時~2時20分  「World of Dance」パネルインタビュー
2時30分~45分 「ナイトシフト」シーズン4パネルインタビュー
3時~3時15分  「Marlon」パネルインタビュー
3時30分~45分 「Hollywood Game Night」シーズン2パネルインタビュー
4時~4時15分  「American Ninja Warrior」シーズン8パネルインタビュー
4時30分~7時   カクテル・レセプション

今年は、NBCのシカゴ・フランチャイズ(「シカゴ・ファイア」「シカゴP.D.」「シカゴ・メッド」「Chicago Justice」)からは1本も参加がなく、少々寂しい1日となりました。インタビューが実施された12作のうち、ドラマは僅か2本、新作「Midnight, Texas」と日本でも放送されている「ナイトシフト 真夜中の救命医」シーズン4です。


先ず、7月25日放送される「Midnight, Texas」は、シャーレイン・ハリスの同名の小説をテレビ化したホラー/アクション/ロマコメです。ハリスは、「トゥルー・ブラッド」の著者ですから、ハリス好みの’魔物’が登場することは想像に難くありませんが、何の予備知識もなく観たパイロットは、決して私好みの美しい映像ではありませんでした。幸い昼間に観たので、うなされることはありませんでしたが....テキサス州の田舎町ミッドナイトで密かに暮らす吸血鬼、魔女、牧師、殺し屋(実は虎女?)、天使、霊能者などが織り成すドラマです。



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天使ジョーを演じるジェイソン・ルイス(左)と魔女フィージー役のパリサ・フィッツ=ヘンリー。ルイスは、「セックス・イン・ザ・シティー」でサマンサの若いツバメ’スミス’を演じたが、あの役もある意味の’天使’だった。(c) Meg Mimura


一方、「ナイトシフト」シーズン4は、6月22日に再開されます。他の医療ドラマと差別化するために、「軍関係や退役軍人に纏わる逸話を増やす」とジェフ・ジュダーが発表しました。トランプ政権下で、退役軍人支援の雲行きが怪しい昨今、サンアントニオ記念病院と退役軍人病院が試験的に合併する設定で、毎回退役軍人のストーリーを盛り込みます。「シーズン4後半には、軍人の、軍人による、軍人のための逸話を用意しており、脚本、逸話監督、ゲスト出演など、レギュラー以外は、全て陸・海・空軍の退役軍人を起用する」とジュダーが今シーズンへの抱負を語りました。


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ジョーダン役のジル・フリントと会う度に、「グッドワイフ」の話になるが、フィナーレ回は未だ観ていないので、感想を聞き出すことはできなかった。又、カリンダ(アーチー・パンジャビ)がスピンオフ「The Good Fight」に出演すると聞いたので、フリントにも声がかかったか?と聞いてみたが、答えは「ノー」だった。因みに、今ハマっている作品は、「Feud」と「Schitt's Creek」(コメディー)!と意見がぴったり一致してしまった。(c) Meg Mimura


夕方、ホテルの最上階にあるスターダスト・ルームで、レセプションに参加しました。最初に出会ったのが、3月9日にご紹介したペテン師のドラメディー「Impostors」のエズラ役で活躍中のロブ・ヒープスでした。この日は映像インタビューのみに参加したらしく、1月プレスツアー時にはクリエイター・コンビに話を聞くだけで、俳優まで手が回らなかったので、毎回楽しく観ていると伝えました。是非、更新して欲しい面白い作品です。


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2月7日から始まった「Impostors」の主役マディーを演じるインバー・レヴィー(左)とエズラ役のロブ・ヒープス。マイクを持たされて、2人でインタビューの真似事を。回を重ねる毎に、意外な方向に展開する「Impostors」は、良く出来たドラメディーだ。(c) Meg Mimura


3月5日から始まったE!局のオリジナル・ドラマ第二弾「The Arrangement」は、ハリウッド蜃気楼のからくりを暴くドラマです。まるで絵に描いたような完璧なスター夫婦は、どこでどのようにして生まれるのでしょうか?メーガン・モリス(クリスティーン・エヴァンジェリスタ)は、ウエイトレスをしながらオーディションを渡り歩く駆け出し女優。アクション俳優カイル・ウエスト(ジョシュ・ヘンダーソン)に見初められて、メーガンのシンデレラストーリーが始まるかのように見えたのですが....


裏で糸を引いているのは、Institute of the Higher Mindと名乗るセルフ・ヘルプ団体の教祖テレンス・アンダーソン(マイケル・ヴァルタン)と妻ディーアン(レクサ・ドイグ)。組織の看板スターであるカイルの公私をコントロールして、世界制覇を企んでいます。映画のオーディションと称してカイルの花嫁選考会を開き、カイルが白羽の矢を立てたメーガンを契約結婚でがんじがらめにしようと試みますが....



1月初旬に観たパイロットは、ヴァニティ・フェア誌2012年10月号が暴露したトム・クルーズの花嫁選びオーディションと背後で糸を引くサイエントロジー教会の陰謀を彷彿とさせ、思わず「えー、これドラマにしても大丈夫なの?」と思いました。業界では周知の事実だった花嫁選びオーディションやサイエントロジー教会がお膳立てした契約結婚なので、1月17日に開催された本作のパネルインタビューでは、当然のことながらトム・クルーズとケイティ・ホームズの結婚を描くドラマである事を確認する点に集中しました。クリエイターのジョナサン・エイブラハムズは、「肯定も否定も出来ない」とのらりくらりとはぐらかしました。又、「ベテランのライターによれば、無声映画の時代から契約結婚はハリウッドの常套手段だった」とトム・クルーズとケイティ・ホームズを描くドラマに非ずと遠回しに述べました。契約結婚ではなく、裏で糸を引いている団体が鍵!ですが、エイブラハムズは「友達や友達の友達(?)から聞いたセルフ・ヘルプ団体での体験を適当に混ぜ合わせて捏造した」と言います。うーん、それにしても詳細が余りにも生々しくて、にんまり....


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遠目に捉えたマイケル・ヴァルタンは、教祖テレンス・アンダーソンを演じる。「エイリアス」時代の覇気がすっかり消え失せ、会う度に「大丈夫ですか?」と聞きたくなるほど、元気がない。(c) Meg Mimura

年増女優の確執を描くライアン・マーフィーの「Feud: Bette and Joan」。ハリウッド史上最大のライバルの醜い闘いを描いていと可笑し!実は、排他的白人男社会を批判するドラマか?

ABCはションダ・ライムズ、CWはグレッグ・バーランティ、NBCはディック・ウルフの手になるドラマの発表の場となっているように、ケーブル局FXはライアン・マーフィー局と化した感があります。「Glee」でお馴染みのマーフィーは、同局で「NIP/TUCK マイアミ整形外科医」を手がけて以来、「アメリカン・ホラー・ストーリー」「アメリカン・クライム・ストーリー」等のアンソロジーを次々と発表して成功を収めてきました。


今日、ご紹介する「Feud」は、マーフィーのアンソロジー・シリーズ第三弾。3月5日から始まったシーズン1「Feud: Bette and Joan」は、ハリウッド史上最大のライバル女優ベティ・デイヴィス対ジョーン・クロフォードの壮絶な闘いを8話で描きます。プレミア前の2月28日、シーズン2「Feud: Charles and Diana」(10話)の制作が発表され、FXの鼻息の荒さを明示しました。シーズン2は、英国王室に舞台を移して、チャールズ皇太子とダイアナ王妃の確執が描かれます。


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ベティ(スーザン・サランドン・左)は家族の支援を受けて舞台女優として名を馳せていた。しかし、ユニバーサル時代には、色気がないと酷評され、ワーナーに移るまでは実力を発揮できなかった。一方、ジョーン(ジェシカ・ラング・右)は、貧困生活から這い上がるためには何でもやってのけるダンサーだったが、野望を抱いてハリウッドにやって来た。スターにのし上がるまでに、相当卑劣なことをしたらしく、女優達からは総スカンを食らっている。 Suzanne Tenner/FX


長年デイヴィスのファンだったマーフィーは、亡くなる直前にインタビューを取り付けました。去る1月12日のTCAプレスツアーに駆けつけたマーフィーは、「『モノマネしたくなるほどの、どぎつい女優にならないと忘れられる。だからいつもベティ・デイヴィスを演じてる訳よ』が前置きでしたが、4時間に渡って話し込んだデイヴィスは、普通の人でした」と裏話を披露。デイヴィスの「地」に触れた体験を基に本作を制作したマーフィーは、「60年代のハリウッドで’老いてますます盛ん’の場を奪われた女優の哀しさ、悔しさ、やるせなさを描きたかった」と語りました。


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映画「何がジェーンに起こったか?」のセットでベティ(サランドン)の不平不満を聞くロバート・アルドリッジ監督(アルフレッド・モリーナ)。職場ではライバル女優の醜い争いに、家庭では妻におもねるのに一苦労。体がいくつあっても足りないロバートだ。 Suzanne Tenner/FX


ハリウッド史上最大のライバルとは、ブロードウェイで鍛えた演技派女優ベティ(スーザン・サランドン)と、ダンサー上がり故にスターの座にこだわるジョーン(ジェシカ・ラング)です。時代は既に、マリリン・モンロー、オードリー・ヘップバーン、ナタリー・ウッド等に移行しており、活躍の場を失ったジョーンが、カムバックを図ろうと躍起になって探し当てた小説「何がジェーンに起こったか?」の映画化プロジェクトに、宿敵ベティを起用することから始まります。当時、ホラー・ジャンルは誰も手を出したがらず、映画「枯葉」(1956年公開)でジョーンを演出したロバート・アルドリッジ監督(アルフレッド・モリーナ)に白羽の矢が立ちます。


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ロバート(モリーナ)は、「枯葉」で演出したジョーン(ラング)から、小説の映画化を手伝って欲しいと持ちかけられる。お互い、スランプが続いており、ジョーンは盛りを過ぎた年増女優として消えるかカムバックを果たせるかの瀬戸際だった。プロデューサーの立場からベティをねじ伏せられると思ったジェーンだったが、現実は男どもに将棋のコマに使われるに終わった。 Suzanne Tenner/FX


アルドリッジは、ブロードウェイで端役に甘んじていたベティを説き伏せ、配給にはワーナー・ブラザース映画のジャック・ワーナー社長(スタンリー・トゥッチ)を巻き込んで、撮影に漕ぎ付けます。ベティに訴えられた恨み、ベティの後釜に雇った筈のジョーンの我が儘に手を焼いていたジャックは、二人の一騎打ちを銀幕に映しだせば、興行収入に繋がると見込み、あの手この手で確執を煽ります。


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女優達の法外な要求にむかついていたジャック・ワーナー社長(スタンリー・トゥッチ)は、映画の配給を引き受け、黒幕としてベティとジョーンを思いのままに操っていた。どんなに足掻いても、女優は単なる商品=モノでしかないと、自分の権力を顕示することで報復。 Kurt Iswarienko/FX


確執の背景やハリウッドの史実は、女優オリヴィア・デ・ハヴィランド(キャサリーン・ゼタ・ジョーンズ)とジョーン・ブロンデル(キャシー・ベイツ)が、ドキュメンタリーのインタビュー形式で語ります。男が牛耳る社会で、若さも美貌も失い’売り物’にならない女の奮闘努力と足掻きが見事に描かれており、60年以上経った今も、世の中はほとんど変わっていない!!と愕然とします。もっとも、21世紀に入ってから、50代以上の女優が演じられる役の数が増えたことは確かですが、それでも女性解放運動を続けなければ、元の木阿弥になるに違いないと確信します。


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オリヴィア・デ・ハヴィランド(キャサリーン・ゼタ・ジョーンズ)は、ベティの唯一の味方だった。デ・ハヴィランド(100歳)は現在フランスに住んでいるが、実妹ジョーン・フォンテインとの確執は、ベティ対ジョーンの次に有名である。妹の恨みや嫉みの的となったデ・ハヴィランドは、ジョーンの標的ベティに同情を寄せた。 Suzanne Tenner/FX


そして、「何がジェーンに起こったか?」(62年公開)のジェーン役で、ベティがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、完全に無視されたジョーンがどうするか?を山場に、常に脚光を浴びていないと気が済まないスターの哀しい性が描かれます。自尊心の低い成り上がりジョーンが、演技派ベティに女優として認めてもらう為に、次々と汚い手を打っては闘いを挑む姿は、憐れとしか言いようがありません。同じ立場なんだから、下手な競争心やプライドを捨てて、結託して男どもを見返して!と叫びたくなります。但し、スターの座についたことのない一般女性を代表して言わせて頂くなら、ジョーンの焦りや足掻きは実感としては湧いてきません。ほんの一瞬でも、「仕切る人」になった経験があると、力を失うことが何よりも怖いのでしょうか?何もかも失った時に、自分に直面せざるを得ないことの方が怖いのかも知れません。


一見、女同士の闘いを描いているような本作ですが、マーフィーの真の意図は実は他にあるようです。1998年、初めてセットに足を踏み入れた時に感じた疎外感を「ゲイは僕だけで、他は50代のヘテロのおじさんたちばかり。孤独!でした」と語ります。当時の独りぼっちの気持ちを救ってくれたのが、希少価値である女性スタッフで、「恩返しとして、どのプロジェクトでも撮影班の50%は女性かマイノリティーを雇ってきた」と付け加えています。但し、マーフィーの言うマイノリティーは、伝統的な定義ではなく、所謂白人ヘテロ男性のみ(こちらの方が人口で言うとマイノリティー?)が差配する家父長制度(=男社会)で見下げられてきた人達を十把一絡げにしたものです。白人でもLGBTQのカテゴリーに属する人達から、白人以外の多種多様な人種、更に何世紀も’モノ扱い’されてきた女性までを含みます。と言うことは、マーフィーは、トランプ政権に反抗する「その他大勢」を代表しているような気がします。

風前の灯火「スリーピー・ホロウ」!?3月31日の最終話でシリーズ完となるのか?

※「スリーピー・ホロウ」日本未公開シーズンについてのネタバレが含まれます。


今年1月のプレスツアーでは、話題にものぼらず、プロデューサーにインタビューを申し込んだのに、結局会うこともできませんでした。新ロケ地アトランタに、メディアを招待する企画があると聞いたので、問い合わせましたが、梨の礫です。4年前、鳴物入りで登場した超ユニークな「スリーピー・ホロウ」の前途は、3月現在風前の灯火と化しています。

アイデアが枯渇して久しいハリウッド(映画、テレビとも)は、アメコミドラマに走るか、複雑なリメイクでお茶を濁してきました。現況では、独創性の高い「スリーピー・ホロウ」は、希少価値の最たるドラマと言えます。米国独立戦争の史実に、18世紀を生きたイカボッド・クレーン(トム・マイソン)が見聞きした魔女伝説や歴史には記されていない魔物伝説などを加えたファンタジー+ホラーものです。米国の歴史を学べる上、建国に力を貸したクレーンの目から見た偉人の人となりを知ることができる、実にユニークなドラマです。

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このドラマで一躍スターの座についたマイソンだが、英国人の国民性なのか、謙虚で礼儀正しく、奢らないのが魅力的だ。個人的には、本作シーズン2で深く掘り下げようと試みられた、クレーンの生き様をもっと知りたかったが、今となっては諦めるしかなさそうだ。 WENN.com

18世紀の軍人クレーン(トム・マイソン)と、幼い頃から生き地獄を味わって大人になった21世紀の捜査官アビー・ミルズ(ニコール・べハーリー)との摩訶不思議な関係がやがて黙示録の’証人’として一丸となって諸悪に立ち向かうようになります。その名コンビが解消してしまった今、「スリーピー・ホロウ」に未来はあるのかが、昨冬より懸念されてきました。

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アビー役で体力の限界を感じていたベハーリーは、予想通りシーズン3を完了して降板してしまった。アビーとクレーンの友情がロマンスに発展しなかった事が、視聴率降下の原因と言われているが、在り来たりの男女関係にならなかったことに感謝、感謝。 WENN.com


16年1月27日の「悲喜交々?2016年冬のプレスツアー」でご報告しましたが、フォックス・テレビジョン・グループのデイナ・ウォルデン会長兼CEOからは、「シーズン3には、大いに満足している。創作チームは良くやっていると思うが、毎シーズン『からくり』を考案するのに苦労している。今日更新発表はできないが、2~3ヶ月中には決める」と、どちらとも解釈できる政治家並の答えでした。但し、マイソンを他に取られたくないのは明らかで、いかなる器を構築して引き止めるのだろう?と期待が寄せられていたのですが....


Sleepy Hollow


1月6日から放送開始となったシーズン4は、過去の報道とは正反対で、キャストは総入れ替えと言っても過言ではありません。クレーンは、首都ワシントンDCに根拠地を移し、アビー亡き後の冒険を続けますが、スリーピーホロウからはジェニー(リンディー・グリーンウッド)が助っ人に駆けつけるのみです。



1月のプレミア前に拡散されたツイートには、シーズン4の新チームの写真が。左からアレックス(メルヴィン)、ジェイク(マッキノン)、ダイアナ(ギャヴァンカー)、クレーン(マイソン)、ジェニー(グリーンウッド)。


クレーンの新パートナーは、ダイアナ・トーマスFBI特別捜査官(ジャニア・ギャヴァンカー)。FBIの相棒を失い、現場に居合わせたクレーンと捜査を続けるうち、女手一つで育てているモリー(オオナ・ヤッフェ)が、ある日突然口を聞かなくなった悩みを打ち明けて、絆が深まります。

そして、今シーズンの「からくり」は....ダイアナの娘モリー(10歳)がアビーの身代わり、つまり新たな証人として登場します。又、クレーンとモリーを守る取り巻きは、年齢層がぐっと下がり、一見高校生?と見紛うばかりの、ジョージ・ワシントンが設立した怪奇現象古文書保管所で働くジェイク・ウェルズ(ジェリー・マッキノン)と、機械に精通したアレックス・ノーウッド(レイチェル・メルヴィン)です。まるでハリー・ポッターか少年探偵団を彷彿とさせます。

悪を呼び寄せて世界制覇を目指す、クレーンの大敵には、テクノロジー成金マルコム・ドライファス(ジェレミー・デイヴィース)、ボディーガード(魔物?)、ジョーブ(カマール・デ・ロス・レイエス)、更に若い女の子に大人気のネット・スター、ローガン・マクドナルド(ロビー・ケイ)がPied Piper役になります。

モリーが主役なの?と尋ねたくなる展開や取り巻きキャラの数が増えて、Foxが大事にしている筈のマイソンの出番は半分以下になってしまいました。マイソンの美しさに惹かれて観ている私は、早送りが常套手段になってしまいました。

平均視聴者数は、シーズン3の307万人から、194万人に激減しました。3月31日に、シーズン4の最終話が放送されますが、青天の霹靂でもない限り、シリーズ完の逸話となるに違いありません。あー、残念!イギリス/アイルランドから、美青年が続出しているとは言え、トレンドの先駆けがマイソンだっただけに、名残惜しい気がします。

3月13日午後9時放送のDLife開局5周年スペシャル 海外ドラマSO!選挙SPに出演。

3月1日から数日、東京で仕事をしてきました。雨が降ったり、天気予報では暖かいと予想されていたにも関わらず、意外と冷えたりで、初春を期待していた割には、まだまだ寒い東京でした。

この記事を読まれる頃には、もう放送済みかも知れませんが、私にとってはテレビ初出演の大事なので、皆さんにお知らせしたいと思いました。3月13日午後9時放送の「DLife開局5周年スペシャル 海外ドラマSO!選挙SP」にパネリストの一人として参加させて頂き、視聴者が選んだトップ10ドラマについて、米国で実施した俳優やプロデューサーとのインタビューや撮影現場の裏話などを披露しました。ドラマが大好きな方、是非ご覧下さい。見逃した方は、2回再放送が予定されているそうですので、放送時間をチェックしてみて下さい。

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Dlife開局5周年スペシャル 海外ドラマ SO!選挙 開票特番 Dlife公式サイトより

短期間の滞在でしたが、他にもいくつか取材を受けて、3月6日にLAXに降り立ちました。日本とは全く逆で、LAではもう初夏のような日が続いています。日本で仕入れてきた冬ものは、夏のプレスツアー時までちょっとお休み!昨夏のビバリーヒルトンがまるで南極並みの極寒地帯で、ダウンジャケットを着てもまだ寒く、肺炎にかからなかったのが不思議なほどの冷凍庫だったからです。

毎回、里帰りして満喫するのは、美味しい食べ物と健康維持に役立つ貴重な情報です。今回は、期間が短かったものの、野菜がこんなに美味しいとは!と思う料理の数々と季節限定のサラダやケーキを満喫しました。そして、テレビで仕入れた気象病対策(毎日3回行うマッサージ)と睡眠障害をリンゴ酢で解消する方法です。早速、実行していますが、効き目があったように思います。

帰宅してから、溜め込んだDVR録画を楽しんでいますが、次回から現在進行中の「スリーピーホロウ」シーズン4や、今春の新番組「The Good Fight」「Feud」「The Arrangement」などを追い追いご紹介します。又、3月23日にはNBC Summer Press Dayに参加しますので、目ぼしいことがあれば、レポートする予定です。お楽しみに!

ポール・アデルスタイン共作「Imposters」登場。「The Catch」「Good Behavior」に次ぐペテン師のドラメディー横行は現代社会の何を物語るのか?

2017年冬のプレスツアーでは、セット訪問時のインタビューも含めて、総計143回のパネルが実施されました。その中から、期待の新作をご紹介しましょう。

2月7日から放送されているBravo局の「Imposters」は、同局初のドラマ「Girlfriends' Guide to Divorce (GGD)」とコメディー「Odd Mom Out」に引き続き3本目のオリジナルドラマです。「GGD」パイロットを演出したアダム・ブルックスと、演出だけでなく脚本も手がけ、ジェイク役までこなしていたポール・アデルスタインの共作です。「演出に興味があったので、パイロットですっかり意気投合したアダムに勝手に弟子入りしてつきまとって、質問攻めにしたんだ。何から何まで吸収したかったから」とアデルスタインが語りました。

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ポール・アデルスタインは、日本では「プリズンブレイク」や「プライベートプラクティス」で有名になった俳優だが、個人的には映画「SAYURI」以来の長いお付き合い。奥方ライザ・ウィールにも、「ギルモア・ガールズ」でインタビューさせてもらったことがある。「GGD」の離婚過程を余りにも生々しくアデルスタインが描いていたので、経験もなくあそこまで書けるとは、才能だ!と感心していたが、つい最近ウィールとの離婚が報道されてがっかりした。鴛鴦夫婦だと思っていたが 、実は....と言うことらしい。 WENN.com


アイデアはブルックスのもの。「長年連れ添った伴侶をどこまで知っているか?蓋を開けて見たら、何も知らなかったってよく聞く話だから....」が制作の動機だと言います。最初は独りでコツコツ脚本を書いていたそうですが、「一緒に制作しませんか?」とアデルスタインに持ちかけました。渡りに船と乗ったアデルスタインは、以来西海岸と東海岸を行ったり来たり、他にもいくつもプロジェクトを抱えているので大変です。(ここだけの話、お互い仕事が忙しくてすれ違い夫婦だったのでしょうね。よくある話です。)


Imposters


結婚詐欺に引っかかったエズラ(ロブ・ヒープス)、リチャード(パーカー・ヤング)、ジュールス(マリアン・レンドン)が、何故?を元妻に問いただすために、詐欺師追跡の旅に出ます。一文無しで放り出された被害者三人が目的地に到達すべく、自らペテンを働くようになる様子が、哀しくもコミカルに描かれています。本人の口から、何故?を聞きたい、聞かなければ前進できない捨てられた人間の心理が軽いタッチで巧みに描かれています。


一方、ザ・ドクターと呼ばれる謎の人物の指令を受けて、標的に如何に接近して大金を巻き上げるかを計画する、結婚詐欺グループ三人の陰謀や巧妙な手口が並行して描かれます。本名マディー・ジョンソン(インバー・レヴィー)は、美貌と甘ったるい声で標的好みの女に変身し、心を奪います。標的がメロメロになっている間に、グループのリーダー格マックス(ブライアン・ベンベン)とベテラン詐欺師サリー(キャサリン・ラナサ)が背後で動いて、脅しのネタや隠し財産などを探り当てるのが段取りです。

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インバー・レヴィーは、次々と標的好みの女に変身するマディーを演じる。しかし、目の前にちょっと気になるパトリックが登場して、自分探しの旅に出ざるを得なくなり、仕事に嫌気が差すようになる。レヴィーはポーランド人の父とモロッコ人の母の間に生まれ、イスラエルで育った語学の達人。 WENN.com

エズラと両親の会社から大金をせしめた後、結婚詐欺グループはシアトルに向かいます。今回の標的は冴えない中年の銀行家。マディーはサフロン・キーズと名乗り、アシスタントになって職場に侵入します。そんな矢先、テクノロジー成金パトリック(スティーブン・ビショップ)と出会い、豪邸に招かれたマディーは、いつもの癖が出てパトリックの書斎に忍び込み、金目のものを探し始めますが....銀行家を誘惑して結婚するのが使命なのに、パトリックとの将来を夢見るようになり、自分は一体何を求めて生きているのだろうかと考え始めたから大変!仕事が捗らず、業を煮やしたザ・ドクターが手下を送り込みます。


アデルスタインは、「詐欺師は、標的が何を欲しているかを熟知していて、完璧な標本として自分を提示するから引っかかるんだろう」と言います。私の経験では、人間は恋人や伴侶にしたい「タイプ」を見つけた時点で、相手に求めている部分(例えば、’優しい’とか’几帳面’などの性格)のみを見て、のめり込んで行くものだと思います。いくら相手が全てをさらけ出したとしても、見たい部分のみ選り分けて、「この人だ!」と決めるのではないでしょうか?恋は盲目と言うではありませんか。


昨今登場した「The Catch」(2016年3月23日にご紹介)「Good Behavior」(16年12月19日にご紹介)がペテン師を描いたドラマですが、詐欺の最たる巨額詐欺を働いて服役中のバーニー・マドフを描くテレビ映画「The Wizard of Lies」も5月にHBOで放送されます。ペテン師が横行するには、最適のご時世なのでしょうか?レヴィーは、「人間は四六時中、騙されていると思うの。でも、へこまないで!まだまだ、夢と希望を捨てないで!って言いたいわ」と語ります。常識が完全に覆され、何でもありの世知辛い世の中では、最早「騙すより騙される方が良い」の論理は成立しません。個人的には、何故?を明らかにして欲しいと思うので、本作の3人に肩入れしています。

トランプ対策一色の17年冬のプレスツアー

新年早々5日から始まった2017年冬のプレスツアーは、1月18日に終了しました。

トランプの就任式を目前に、扇動政治が始まったらメディアやテレビ番組にどのような影響があるか?トランプの祟りを恐れて、腫れ物に触るような「中庸」をドラマに取り入れるのか?特に政界を描くドラマ「スキャンダル」「ホームランド」などでは、トランプをどのように扱うのか?など、今回のプレスツアーではトランプ独裁政治対策を練るかのような質問が後を絶ちませんでした。

私は、トランプ当選後1週間ほど落ち込み、再選デモに巻き込まれるのを恐れて、我が家から一歩も外に出ず、喪に服しました。そして、1週間後にはオバマ大統領の当選という歴史的な出来事を体験し、2008年から8年間尊敬できる大統領による行政の恩恵を受けたことに感謝し、政治には何の興味もない元の人間に戻ることにしました。漸く諦めがついて、参加したプレスツアーで目撃したのは、何とかしたいけれどなす手が無い、やるせ無い人間の集団です。ハリウッドがここまでトランプを毛嫌いし、この国の将来を案じているかを身を以て体験し、心穏やかに臨んだにも関わらず、どんどん落ち込んでしまう2週間でした。


TRUMPED | 'Impossible Rise' Tease | SHOWTIME Documentary


昨年は平穏な毎日を送るために、ニュースや選挙情報は全てシャットアウトし、16年3月7日「現在進行中の新作『Billions』と『The Circus』が面白い!」でご紹介したShowtime局の「The Circus: Inside the greatest show on earth」で、1週間の纏めを観て選挙の行方を達観していました。残念ながら最も悲惨な結果となってしまいましたが、「The Circus」の総集編とも言えるヒラリー対トランプの一騎打ちからトランプ当選までのダイジェスト版「Trumped: Inside the greatest political upset of all time」で、狂気の沙汰が再生され、再び惨事を目撃することになりました。昨夏「The Circus」のパネルインタビューに参加したマーク・ハイレマン(「ゲーム・チェンジ」の作者)と政治アドバイザーのマーク・マッキノンが、自信たっぷりにトランプの落選を予想したことが思い出されます。ドキュメンタリーの最後に、「白人男性によるオバマ政権への逆襲が今回の選挙だった」と締めくくっているのが興味深い点です。


旧体制対前代未聞の未知の体制だと解釈する人もいれば、多様化した米国社会で白人男性軍による最後の逆襲だと解説する人もいます。「The Circus」のハイレマン、ジョン・ハルパリン、マッキノンの政治プロチームが、トランプ当選を予測できなかったのは、選挙運動台風の目で周囲を見回していたからでしょうか?近過ぎたからでしょうか?それが証拠に、CNNで全米各地から多様な文化/人種の観点をレポートするW・カマウ・ベル(コメディアン)は、「United Shades of America」(16年のエミー賞ドキュメンタリー部門最優秀作品にノミネート)の撮影で全米を駆け回っただけに、「庶民の声を直に聞いたから、トランプの当選に愕然とはしなかった」と語りました。


Comedian W. Kamau Bell arranges a special meeting with th...


それにしても、偉大だった米国は、どこまで落ち込んで行くのでしょうか?一触即発状態の米国ではありますが、幸いカリフォルニア州(特にLAとサンフランシスコ)にいる限り、トランプバッシングして袋叩きにされる危険度は低いように見受けます。トランプ就任後の不法移民対策に真っ向から反対しているのがLAPDで、不法移民が支えている経済を無視した連邦政府の言うことなんか鵜呑みにしてたまるか!の態度です。故に、カリフォルニア州が独立すると言う話まで出ているほどです。


とは言え、暗い17年冬のプレスツアーは、最終日に明るいニュースで幕を閉じました。16年、唯一のヒット作「This is Us」のパネルインタビューの席で、2シーズン(36話)の更新が発表され、拍手喝采を浴びました。クリエイターのダン・フォーゲルマンにお祝いを述べたところ、「いつも応援して頂いて、ありがとうございます」と逆に感謝されてしまいました。「5シーズンは安泰ですよね?」と尋ねたのは、単に私の憶測だったのですが、どうも図星だったような笑顔が答えでした。この手の込み入った語り口は、最大5シーズンしか維持できないだろうな~と以前から思っていました。


This Is Us 1x14 Promo #2 "I Call Marriage" (HD)


NBCは、昨年の大統領選挙の前(9月26日)に、「ふたりは友達 ウィル&グレイス」のキャスト4人が集まって、一票を投じなければとんでもない輩が米国を牛耳るぞ!的公示ビデオ「VoteHoney」を発表しました。ヒラリー派のウィルとグレイス、トランプ派のカレンが、迷っているジャックに投票を迫るという設定です。


***OMG!*** NEW “Will & Grace” scene about 2016 Election.


以前から、NBCのヒットコメディー(98年9月~06年5月)を再開する?と言う噂は流れていましたが、「VoteHoney」が視聴者の受けを確認したかのように、17年秋に10話で再デビューを果たすと発表がありました。「VoteHoney」が、再デビューのサンプルとして制作されたとしたら、キャスト及び制作陣の全員復帰は嬉しいニュースです。待ってました!!!元々、「ウィル&グレイス」のファンだった私は、毎週金曜日(6話)と土曜日(14話)の「ウィル&グレイス」マラソン放送(We局)にすっかりハマっていて、再デビューを心待ちにしていました。落ち込んでいる時に最適の特効薬コメディーで、何度観ても飽きないシリーズだからです。ゲイ文化の先駆けだったことは確かで、21世紀に同じものを放送できるのだろうか?と言う懸念はありますが、10年間にすっかり様変わりしてしまった米国社会が、どう受け止めるのか楽しみです。

米国テレビ業界の過去、現在、未来

クリスマスが終わって、今年も残り少なくなりました。今秋の新作は中休みの真っ最中で、来年早々まで後半は再開されません。新年1月5日から恒例の冬のTCAプレスツアーが始まります。地上波局、ケーブル局とも、春の新番組を紹介し、同時に1月以降再開される2016~17年期新番組の後半と継続番組についてもパネルインタビューが予定されています。

2017年冬のTCAプレスツアーの予定
1月5日  DirecTV
1月6日 セット訪問
1月7日 Hulu
1月8日 The CW
1月9日 CBS/Showtime
1月10日 Disney/ABC
1月11日 Fox
1月12日 FX
1月13日 ケーブル局
1月14日 ケーブル局
1月15日 PBS
1月16日 PBS
1月17日 NBCユニバーサル
1月18日 NBC


11月初旬、先ずNetflixが冬のプレスツアー不参加を発表しました。理由は色々と憶測されていますが、2013年初参加以降、Netflixが世界制覇しようと焦る余り、番宣費用を浅く広くばら撒き過ぎた結果ではないか?と思います。テレビ業界に殴り込みを掛けたものの、オリジナル作品以外は、地上波やケーブル局から購入したものをストリーミング配信している訳ですから、配給元を脅かせば、それなりの報復は免れません。旧体制への挑戦とは言うものの、旧体制としては黙って崩壊するのを見ている手はありません。ここ1年程、地上波局もケーブルもそれなりに対策を講じてきました。Netflixは自ら築き上げた新体制の中で、生き残れるのか?的記事がそろそろ出回り始めています。


来春、シーズン3で完了すると発表された「ブラッドライン」のパネルインタビューに参加できないことだけが心残りです。プレミアは毎年NYで開催され、大手紙媒体のみを対象に番宣をかけるNetflixですから、シーズン3は取材は疎か情報入手さえ更に困難になることが予想されます。


又、今月初旬には地上波局(ABC、CBS、Fox、NBC)がお偉方のインタビューを、夏のプレスツアー時のみに実施すると発表しました。つまり、来る1月にはABC、CBS、NBC3局の方向付けは聞くことができないと言うことです。Foxは、後日評論家から要望のメールが舞い込んだので、何とかスケジュールを調整して実施すると知らせてきました。CWとFox以外は、質問があればプレスツアーでお偉方を探し当てろと言うことです。


ストリーミング配信会社にも、地上波局にも見切りを付けられたTCAプレスツアーは、そろそろ古代の遺物として、葬り去られようとしているような気がします。TCAの存在自体が危ぶまれて10年余り、2017年夏にはもう開催されないかもしれません。プレスツアーがなくなってしまうと、どこでどうやって情報入手したら良いのでしょうか?お先真っ暗!!


ここ2週間、春の新番組のパイロットを視聴するように、各局からDVDが届いたり、オンライン視聴のパスワードが送られてきます。まだ、全て観た訳ではありませんが、HBOの「The Young Pope」は、「ボルジャ家 愛と欲望の教皇一族」の現代版と言っても良い、宗教団体の内幕暴露シリーズです。信者でもないのに、ローマ・カトリック教会傘下のミッションスクールに押し込まれ、苦難の12年を過ごした私は、権力の濫用や不条理な慣習などを指摘して憂さ晴らしできるので、内幕暴露シリーズは大歓迎です。


Official Trailer: The Young Pope (HBO)


又、同局の「Big Little Lies」は、ニコール・キッドマン、リース・ウィザースプーン、ローラ・ダーン、シェイリーン・ウッドリー等、有名な女優が出ている割には、「デスパレートな妻たち」の超高級版で、こんな海辺の豪邸に住んでいて何の文句があるの?と腹が立ちます。(笑)尊敬するデビッド・E・ケリーの手になる限定シリーズだとは、資料を読むまで気が付きませんでした。作風がすっかり変わってしまったのか、最後まで観ると趣旨が明確になるのか....


Big Little Lies: Official Trailer (HBO)


更新された番組としては、「Billions」と「ホームランド」に敵う作品はありません。「Billions」については、本年3月7日「現在進行中の新作」及び5月18日「女性キャラの台頭が目覚しい『Billions』に参加」で再三述べましたが、ヘッジファンドで巨万の富を築いたボビー・アクセルロッド(ダミアン・ルイス)対NY検事局のチャック・ローズ検事(ポール・ジアマッティ)の一騎打ちを描くシリーズです。シーズン2は、訴訟に持ち込めなかったチャックが二度と立ち直れないよう、ヘッジファンド界の競合会社と共謀、益々凶悪化して行くボビーを描きます。チャックとボビーの間を巧みに泳いで大金を手にしたウェンディ・ローズ(マギー・シフ)は、期待外れも良いところです。もっと、大それたことをしていて欲しかったのに....パフォーマンス・コーチの醍醐味が忘れられないのか?ヘッジファンド界の引っ張りだこの座を維持したいのかも知れません。


Billions | Season 2 Tease | SHOWTIME


「ホームランド」シーズン6はキャリー(クレア・デインズ)の故郷NYを舞台に、インターネットでテロ教育を受けた、今最も恐れられている「国産テロリスト」にどう対処するかが描かれます。テロリストは、最早遠方の脅威でも、他人事でもありません。米国本土で、密かに培われている現実を直視する時が来たのです。


Homeland Season 6 (2017) | Official Trailer | Claire Danes & Mandy Patinkin SHOWTIME Series


物騒な話で終わるのは何なので、12月4日から再開された「The Royals」シーズン3のトレーラーをご覧ください。2015年3月11日「スキャンダル満載!英国王室一族を描く『The Royals』」でご紹介したE!局初のオリジナル作品です。シーズン2は、サイモン国王(ヴィンセント・レーガン)が暗殺され、犯人の捜査と、国王の弟サイラス(ジェイク・モスコール)の暴君振りを描きました。シーズン3は、死んだ筈の長男ロバート(マックス・ブラウン)の奇跡的帰還と、国王の座に就く覚悟を固めた次男リアム(ウィリアム・モーズリー)との対決になりそうです。


The Royals “Are Crazy in Love” (Season 3 Promo # 3)


15年5月26日の「気になる英国人俳優達」でご紹介したトム・オースティンが演じるジャスパーは、シーズン2ではエレノア王女(アレクザンドラ・パーク)に取り入ろうと必死になればなるほど、足蹴にされる弱い立場でした。漸く、エレノア王女とよりを戻したジャスパーの活躍が期待されるシーズン3です。更に、王妃ヘレナ(エリザベス・ハーリー)の秘書のようにこき使われるスペンサー役に登板したジュールス・ナイトも、十二分に目の保養になります。番組の中では、歌唱力を披露できるのでしょうか?


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ポップグループ「ブレイク」の一員歌手から、俳優に転身。王妃ヘレナにこき使われるスペンサーとして登板したジュールス・ナイト。英国から次々と登場する期待のニューフェイスの一人だ。WENN.com

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