SFは苦手でも「Timeless」は面白い! - ハリウッドなう by Meg
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ハリウッドを拠点に活動するテレビ評論家。Television Critics Association (TCA)会員として年2回開催される新番組内覧会に参加する唯一の日本人。Academy of Television Arts & Sciences (ATAS)会員でもある。アメリカ在住20余年。

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SFは苦手でも「Timeless」は面白い!

ご存知のように、私はSFものは苦手です。と言いつつも、キャラに魅力があると、ついつい引き込まれて観てしまうのも周知の事実です。好例が、「12モンキーズ」や「コンティニアム」で、内容はどんどん複雑化して行きましたが、アマンダ・シュルとレイチェル・ニコルズに魅せられて、不可解な部分は無視して観ています。 又、贔屓にしている役者が配役されると、SFものでも観ない訳に行かず、観ている内に、他にも面白いキャラに気が付き、病み付きになることもあります。「テラノバ」が正にそれで、シーズン2で打ち切られたことに大いに腹が立ちました。「やっと、面白くなって来たのに、それは酷だよ!」とFoxに抗議したくなりました。ジェイソン・オマラは、「延々と議論された挙句の果て、時期尚早の打切決定だったと思います」と悔しそうでした。(2012年8月15日の夏のプレスツアーレポートでご報告)


視聴者を引き込むチャンスはたった一度しかありませんから、莫大な予算をつぎ込んで、客寄せに一大スペクタクルを繰り広げるパイロットが鍵でしょう。但し、ドラマ制作数がまだ上昇を続けるテレビ界は、正に芋の子を洗うような混雑ぶりですから、パイロットのみではヒットするかどうかは疎か、ドラマの色調を読み取ることさえ日に日に困難になっていることも確かです。

NBCが今秋鳴り物入りで発表するドラマは「This is Us」と「Timeless」の2本です。「This is Us」は、9月20日「トレーラーに感銘を受けた人達を繋ぎ止めておけるか?」と不安と期待の入り混じった記事でご紹介しました。恐々観た第二話(9月27日放送)は、パイロットで感情移入したキャラ達の心痛がじんじんと伝わってきて、涙、涙の1時間でした。マイロ・ヴィンテミリア、ジャスティン・ハートリー、更には番組クリエイター自身の「期待を裏切らないよう頑張ります」の約束は嘘ではありませんでした。既に、シーズン1は18話制作と発表がありました。

一方、10月3日放送開始のSFドラマ「Timeless」はと言うと....ドラマの色調を更に読み取ってもらうためか、「This is Us」ほど話題性に欠けるからか、9月28日に、地元の評論家をソニー撮影所に集め、第二話の試写会が開催されました。ヒンデンブルク号爆発事故がパイロットの舞台なら、第二話はリンカーン暗殺事件にチームがタイムトラベルする逸話でした。アラモ砦の戦いや第二次世界大戦下のドイツ、ラット・パック(シナトラ軍団)が活躍した往年のラスベガス、ウォーターゲート事件、月面着陸など、全てカナダにセットを建設して撮影が進行中です。

Timeless

パイロットは、CW局の新作「Frequency」(これも一種のタイムトラベル)を観た後に送られてきたので、またタイムトラベル?と斜に構えて観ました。1937年5月、米国東海岸で発生するヒンデンブルク号事故の前日、謎の工作員フリン(ゴラン・ヴィシュニック)を追って、ルーシー(アビゲイル・スペンサー)、ワイアット(マット・ランター)、ルーファス(マルコム・バレット)が到着します。ルーシーは行く先々で何が起きたか、当時の服装や慣習を熟知している歴史学教授。ワイアットは、元デルタフォース隊員で、ルーファスは、タイムトラベルに詳しいエンジニアです。タイムマシーンの存在など知る由もないルーシーとワイアットは、国土安全保障省に招集され、何が何だか分からないまま、1937年5月5日のニュージャージー州レイクハーストに飛ばされます。フリンの目的は、歴史を変えることによって、米国を崩壊に導くことのようですが....

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「SUITS/スーツ」のスコッティ役がまだ記憶に新しいが、今シーズンはNBC新番組「Timeless」と「Rectify」最終シーズンでも活躍するスペンサー。7月31日にサンダンスTV局の「Rectify」のパネルインタビューで、聡明さを披露した。「Timeless」のショーン・ライアン(クリエイターの一人)も絶賛する、今乗りに乗っている女優。 WENN.com


面白いことに、「This is Us」と同様、パイロットのエンディングに本作の味噌が隠されています。私はそれに惹かれて、続きを観なければ!と思いました。タイムトラベルでフリンを逮捕することはできなかったものの、帰宅したルーシーが目にしたのは、朝家を出た時から一変した家族構成でした。思わぬところで歴史が書き換えられた結果、ルーシーの家族に異変が生じます。果たして、元の現実に戻ることはできるのでしょうか?


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ワイアット(ランター)は、腕力を買われてリクルートされた元特殊部隊の隊員。ワイアットの人生で最大の悲劇は妻を亡くしたことで、歴史を書き換えて妻を助けたいと、チャンスを狙っている。歴史を忠実に維持しようとするルーシーと、些細なことなら書き換えても差し障りないと信じるワイアットとの対立は絶えない。 WENN.com


クリエイターの一人ライアンは、「ユニット」「Chicago Code」「Last Resort」などの番宣で何度もお目にかかっていますが、アクションものが得意な放送作家です。但し、テレビアカデミーのイベントでは、普段語れないドラマへの情熱を熱く語り、傾倒振りに敬服していました。8月2日のパネルインタビューでは、「歴史上の異変の中でキャラがどう反応するかではなく、一見何も変化していないのに、もっとも私的レベルで異変が生じる方が、ドラマとしてはずっと面白い」と語りました。ルーシーの家族に異変を提案したのはライアンだったのです。さ、す、が。

9月28日の試写後に行われたパネルインタビューでも、ライアンは「タイムトラベルは人間ドラマを繰り広げるための背景に過ぎない」と語り、SFは大いに苦手な私がルーシーに磁石のように引きつけられた謎が解けた!と言うものです。

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ルーファス(バレット)は、チームの中で唯一タイムマシーン構築に関わったエンジニアだが、シカゴ西部(スラム街)出身の叩き上げ。「目立たないように、息を殺して生きてきたのに、冒険に引きずり込まれた上、人種差別を身を以て体験するキャラ」とルーファスを説明した。 WENN.com


当然ながらチームの構成は意図的で、白人男性、女性キャラ、黒人キャラの3人が主人公です。女性も黒人も2016年現在、まだ差別されていますから、過去に戻れば戻るほど、度合いは増す筈です。ルーファス曰く「どの時代に遡っても、黒人にとって生き易い時なんてない」。オバマ大統領が当選した日は、希望に満ち満ちていたのですが....

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