ロマコメ「No Tomorrow」が提唱する楽しむっきゃない!精神 - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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ロマコメ「No Tomorrow」が提唱する楽しむっきゃない!精神

(2016年10月25日)

6月初旬、CWから「Frequency」と「No Tomorrow」のパイロットが舞い込みました。今秋シリーズとして提案された作品リストを2月頃に目にした時に、「Frequency」は一番私の興味を引いた作品でした。早速「Frequency」を観て、大いに感激しましたが、「No Tomorrow」はタイトルを見る限り、例によって例の如く、宇宙人に占拠され荒れ果てた地球で繰り広げられるサバイバル劇か、細菌戦争で人類が滅亡した的、暗~~いドラマに違いないと想像。但し、この時点では、他に観るパイロットもなかったので、早目に処理しておこうと言う義務感から、試してみることにしました。

数年前にも、英国の地球最後の日をテーマにしたコメディーがあったような....全く、笑えないのでパイロットのみで放棄した記憶があります。同様の作品かと思いきや、人類滅亡に向かって毎日精一杯生きよう!的プラス思考のカラフルなロマコメと判明しました。何よりも主人公キャラ二人に魅力があって、思わず続きが観たい!と思いました。早速、CWの広報部長に激励のメールを送ったほどです。そして、待ちに待ったパネルインタビューは、今夏のTCAプレスツアーの最終日、8月11日に開催されました。

No Tomorrow


ブラジルのテレビ番組「Como Aproveitar o Fim do Mundo」(=世の終わりを如何に楽しむか)を基に、コリーン・バーケンホフが「No Tomorrow」を書き下ろしました。バーケンホフは、「とにかく最近、夢も希望もない暗いドラマばかりじゃない?暗~い世相に逆行して、どうせ明日がないなら、楽しむっきゃない!と言うロマコメにしたの」と制作の動機を語りました。


イーヴィ(トリ・アンダーソン)は、日々の生活に窮々とするオンラインショップ購買部マネージャー。四角四面で、上司にも、恋愛にも恵まれませんが、平穏無事な日々を送っているアラサー女性です。ある日、朝市で素敵な青年ゼイヴィア(ジョシュア・サス)と出会ったことから、イーヴィの人生は好転(?)します。問題は....ゼイヴィアは、8ヶ月12日後に遊星が地球に衝突し、人類が滅亡すると信じて止まないことです。世界の末日が決まっているならと、仕事を辞め、Apocalyst=死ぬまでにやりたい事の一覧表を手に、心置きなく死ぬ準備をしてきました。世界の末日は8ヶ月12日後に来るのでしょうか?科学的に証明できると息巻いていますが、ゼイヴィアの被害妄想でしょうか?

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イーヴィを好演するアンダーソン(27歳)は、現ロケ地の近くの農場で育ったカナダ人。「明日が来るっていう保証は何もないから、思い立ったが吉日よ。撮影が終わったら、バリ島でサーフィン、鳥獣サンクチュアリでボランティア活動しようと決めたの!」と発表。CWの視聴者ターゲットが他人事だと思わず、右に倣えしてくれると良いのだが.... WENN.com

平穏無事に飽き飽きしていたイーヴィは、き印?と疑いつつも、世間体を気にして躊躇していた冒険に敢えて挑戦する勇気を与えてくれるゼイヴィアにぐんぐん惹かれていきます。イーヴィなりの「我が人生に一片の悔いなし」リストを作り、実行し始めますが....イーヴィの生き様は、職場や家族にも連鎖反応をもたらし始めます。


パイロットはLAで撮影されましたが、抜けるように青い空が「No Tomorrow」のタイトルにふさわしくないと判断され、シアトルに設定されました。当然のことながら、撮影は椰子の木を避けるのが至難の技のLAから、バンクーバーに移転、パイロットのあちこちに現れた椰子の木は、上手に編集されています。


チャーミングなゼイヴィア役を射止めたのは、英国人俳優サスです。「Galavant」という中世の騎士を描いたミュージカル・コメディーに出演していた時は、さほど魅力は感じませんでしたが、サスでなければ続きが観たい!と思わなかったに違いありません。今回の役所について、「父は若くして亡くなったので、僕もいつ召されるかわかりません。ですから、今日しかないと思って楽しむぞ!精神で生きてきました。脚本を読んだ時に、これなら地で行ける!!と思いました。ユニークなロマコメを作らせてくれるCWには、とても感謝しています。マイナス思考もどん底の今、『今日を掴め』がテーマの明るいロマコメがあっても良いのではないでしょうか?」と熱く語りました。御尤も。

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恋は盲目と言うから、頭がおかしい?と思いつつも、女がついていくのは当然のチャーミングなゼイヴィアを好演するを英国人サス。「『地』で行ける!」と言う割には、控え目で礼儀正しい好青年だった。 WENN.com

英文評

手前味噌を並べるようで恐縮ですが、私は本作を観るまで、「我が人生に一片の悔いなし」を実行してきたと自負していました。離婚と言う名の我が人生最大の危機以降、不死鳥として何度も何度も生まれ変わって生きてきたからです。でも、喉元過ぎれば熱さを忘れるのが人間で、微笑ましい「No Tomorrow」を観て、早速私なりのApocalystを作り始めました。

おかげで最近、過去の人が多々夢に出て来るようになりました。無意識のうちに、過去を清算して、心置きなく死ぬ準備をしているのでしょう。死ぬまでに会いたいスターのリストには、まだ10人ほど残っていますが、ほとんどの夢は果たしたので、後は....長い間、ハワイに行っていません。地上の楽園マウイ島にもう一度行くのが、今のところ最優先です。何度も誘ったのに断り続ける最愛の妹と行けたら、本望です。


「我が人生に一片の悔いなし」を思い出させてくれた、ユニークなロマコメ。「テレビばかり観ているの!?」とよくバカにされますが、こんなご利益だってあるんだぞ!と声を大にして反論したいと思います。テレビから学ぶことは、まだまだ山ほどあります。


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