悲喜交々?2016年冬のTCAプレスツアー - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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悲喜交々?2016年冬のTCAプレスツアー

(2016年1月27日)

1月5日から19日まで、恒例のTCAプレスツアーがパサデナ市のランガムホテルで開催されました。
1月5日 ケーブル局
Ovation、Outdoor Channel、ESPN、UP
1月6日 ケーブル局
Viacom、A+E Networks、ナショナジオ、ナショナジオ主催イベント
1月7日 ケーブル局
Cartoon Network、Turner Networks、ディスカバリー、HBO、HBOカクテル・パーティー、AMC新作「Preacher」試写会
1月8日 ケーブル局
Starz、WGN America、BBC America、AMC Networks、AXS TVカクテル・パーティー、Crown Media Networks晩餐会
1月9日 Hulu、ABC
1月10日 The CW
1月11日 Amazon、「スーパーガール」スタジオ見学、「ザ・レイト・レイト・ショー・ウィズ・ジェームズ・コーデン」公開録画参加とレセプション
1月12日 CBS/Showtime
1月13日 NBC
1月14日 NBCユニバーサル
1月15日 Fox
1月16日 FX
1月17日 Netflix
1月18日 PBS
1月19日 PBS

初日から大雨に見舞われ、出鼻をくじかれました。豪雨は5日以降、毎日続き、8日の昼食をランガムホテルの庭で開催できるのかと懸念するほどでした。幸い、お天道様の下で、BBCの昼食会が開催され、再三豪雨の再来!の予報に脅かされましたが、9日以降は、傘要らずに終わり、ツアーは19日の午後6時に無事終了しました。

8日に、パサデナ市のランガムホテルまでゴールデングローブの受賞者予想を聞きに、TVグルーヴの社長と山咲こむぎさんが足を運んでくださいました。動画でご覧になったかもしれませんが、レイチェル・ブルームがコメディー/ミュージカル部門の最優秀女優賞を獲得したことは、喜ばしいことです。もっとも、これしか予想は当たりませんでしたが...

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日本でも放送されている「ジェームズ・コーデン」の公開録画にTCA会員が招待された。コーデンの机で写真撮影。手にしているコーヒーカップは、コーヒー豆と一緒にお土産に配られた。 (c) Meg Mimura

昨今の予算削減で、地上波局の夜のパーティーは、ホテルのロビーラウンジか宴会場で開催されたので、バスに揺られて遠方まで出かける必要がなく、楽と言えば楽なのですが...難は、狭い所に押し込められて、音楽をガンガン流されるので、インタビューで喉をやられる前に、這々の態で退散せざるを得ず、評論家がたかる「スター」のインタビューは諦めました。

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ABCの春の新番組を紹介する1月9日の昼食会には、ディズニーランド開園60周年を記念して(それって、去年じゃないの?)お馴染みのキャラが多数登場した。ミッキーとミニー・マウスと撮った記念写真。 (c) Meg Mimura

今回も「これ!」と太鼓判を押してお薦めする作品は無く、敢えて選ぶなら...の消極的な推薦となりますが、追い追いご紹介して行きたいと思います。吉報は、「The Royals」(昨年3月11日のブログでご紹介)「Playing House」(2014年5月14日のブログ)、「Tyrant」(2015年6月11日のブログ)等、ケーブル局の目星い作品の更新が発表されたことです。日本でも放送された「12モンキーズ」(昨年3月16日のブログ)のシーズン2は、米国では4月18日から放送されます。また、PBSのヒット作「風の勇士 ポルダーク」(昨年6月22日のブログでお伝えしました)のシーズン2は、出演者のスケジュール調整がつかず、クランクインしたのが昨年より遅れたため、再開は今夏以降になると判明しました。待ち遠しい限りです。

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シーズン1の反響に応えたインタビューで、エイダン・ターナーは、ポルダークを英雄だと思っておらず、「複雑なキャラには違いない」と語っているのが興味深い。私は飽くまでも英雄だと信じている。 Courtesy of Robert Vigiasky/Mammoth Screen for MASTERPIECE

冬のプレスツアーは、基本的に春の新番組を紹介するのが地上波局の目的なので、既存の作品の更新発表はありません。とは言え、前途が危ぶまれる「スリーピーホロウ」と「グッドワイフ」については、質問が出ました。フォックス・テレビジョン・グループのデイナ・ウォルデン会長兼CEOからは、「シーズン3には、大いに満足している。創作チームは良くやっていると思うが、毎シーズン『からくり』を考案するのに苦労している。今日更新発表はできないが、2~3ヶ月中には決める」と、どちらとも解釈できる政治家並の答えでした。シーズン3の『からくり』は評判が悪いですよ!と反論したかったのですが...触らぬ神に祟り無しを信じて、口を噤んでいました。

「スリーピーホロウ」シーズン2で、コンサルティング・プロデューサーを務めたドナルド・トッド氏に、他局のイベントで出くわしました。私は、シーズン2が大好きだったので、毛色が変わってしまってがっかりだと伝えたところ、「トム・マイソンの人柄、魅力を十分に引き出せたので、悔いはない」と述べました。トッドの作風が昔から好きだっただけに、マイソンの実力と魅力を十二分発揮したシーズンを維持してもらったことに大いに感謝したいと思います。もっと、話を聞きたかったのですが、パーティーの席では見かけませんでした。

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トム・マイソンの人柄と実力が十分に発揮されていたシーズン2に比べ、今シーズンは不要なキャラが増えた。Foxはどの作品でも、手を替え品を替えて「Xファイル」風の捜査コンビを再生しようと試みてきた。「Xファイル」のリメイクがある年だけに、他の作品は同じパターンでなくても良いと思うのだが... WENN.com

「グッドワイフ」は、シーズン7後半が始まったばかりですが、CBSエンターテインメント社長グレン・ゲラーは、「キング夫妻(番組クリエイター)は、今シーズン限り。但し、シーズン1から関与しているライターが控えているので、引き継ぎはスムーズに行く筈。まだ1月だから、更新するかどうかは決めていない」と発表しました。CBSは伝統的に更新発表を伸ばし伸ばしにする悪癖があるので、当然の答えと言えるでしょう。私は、アリシア(ジュリアナ・マルグリーズ)が大統領に就任して、幕を閉じるのではないか?と思います。

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ジュリアナ・マルグリースの祝辞で、「グッドワイフ」完了の秘密が漏れたように報道されているが、ウィル(ジョシュ・チャールズ)の死を1年極秘にしていたチームだけに、そんなポカは考えられない。 WENN.com

今回は、ここで終了しようと思っていましたが、マルグリーズが既に次のプロジェクトを探すべく、動き出したような(?)報道が目に入ってきました。先週の木曜日(1月21日)に開催されたCasting Society of America主催の授賞式に姿を現し、「キング夫妻は、私がお祝いに駆けつけたと思ってるみたいね。内緒にしてたから...でも私は、4月には失業するから、長年ご無沙汰してたキャスティング・ディレクターに直にご挨拶に来たのよ!」と、祝辞(?)を述べました。マルグリーズ無しの「グッドワイフ」などあり得ないので、潔く諦めるしかないようです。


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