テレビアカデミー本部、2年弱振りにリオープン - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

ハリウッドなう by Meg


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テレビアカデミー本部、2年弱振りにリオープン

(2016年6月14日)

2014年8月26日以降、米国テレビ芸術科学アカデミー(ATAS)本部の拡張改築のため、旧館の事務所以外は閉鎖されていました。およそ2年振りの去る6月1日に完成、リオープンし、2日には、テレビ芸術科学アカデミーから一般に親しまれてきたテレビアカデミーに名称を変更、また組織設立70周年を祝って、テレビ業界の大物や古株が祝賀パーティーに集いました。

先ず、4月15日にエミー像が戻ってきたと聞きつけ、早速ビデオを観ました。2年近くもノース・ハリウッドから姿を消していたエミーが新居に戻ってくる旅をご覧ください。いつも下から見上げていたエミーを、真正面から見たのは初めて。想像していた顔と余りにも違うので仰天しました。

※上記動画が再生されない場合はこちらをクリックしてご覧ください。

テレビアカデミーの会員(管理職ではなく、現場で一番きつい仕事をしている下っ端)は、6月3日のオープンハウスに参加しました。但し、同日午後7時からABCの「Fresh Off the Boat」のエミー賞根回しイベントがハリウッドで開催されたため、オープンハウス参加者は意外と少なく、芋の子を洗うような混雑にはなりませんでした。


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午後5時30分頃に到着し、日没前に撮った写真。エミー像の背後にガラス張りの近代建築物が新設された。 (c) Meg Mimura


テレビアカデミーの’キャンパス’には、ハイーム&シェリル・サバン夫妻が寄贈したサバン・メディア・センターが新築されました。センター1階、これまでイベントや映画試写会場だったレナード・ゴールデンソン劇場は、最新鋭のドルビー・テクノロジー(音響、映写機器)の粋を集めたウルフ劇場に生まれ変わりました。「法と秩序」シリーズやシカゴ・シリーズ(「シカゴファイアー」や「Chicago Med」「Chicago P.D.」など)で財をなしたプロデューサーのディック・ウルフ夫妻が寄贈したので、ウルフ劇場と命名されました。

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劇場ロビーに設置されたバー。背後にはモニターが3台設置され、エミー賞授賞式やイベントの記念写真を映し出す。 (c) Meg Mimura


この日は、夏日で午後6時でも気温が下がらず、センターに入るや否や、会員は冷たい飲み物を求めてバーに殺到しました。劇場には、午後7時まで入場できないので、ロビーの壁に展示されたスポンサーを見たり、ドルビーの3Dスクリーンの小型展示(と言っても、優に70インチはある)を鑑賞しました。確かに画面が明るく、色が鮮やかで、我が家にも一台欲しい!ものです。(笑)


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劇場ロビーには、センター拡張改築に多額の寄付をした組織名が展示されている。タイム・ワーナー、ディズニー、21世紀フォックス、ネットフリックスが四大スポンサーだ。 (c) Meg Mimura


午後6時30分辺りから、夕食が振舞われ始め、皆ロビーを後にして屋外に。広いキャンパスを利用して、アジア風、イタリア、アメリカ料理のテーブルで好きなものをお皿にとるバイキング形式です。アジア風は牛肉の串焼きと中華風チキンサラダ、イタリアンは、パスタ2種とシーザーサラダ、アメリカ料理はスライダー2種(超小型ハンバーガー)とフライドポテトと、バラエティーに富んでいました。今年の根回しイベントに比べれば、長蛇の列もなく、食べ物も飲み物もふんだんにあり、落ち着いた雰囲気の立食パーティーでした。


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立食パーティーは、センター前の広場で行われた。キャンバス全景を2階の会議室から撮影。 (c) Meg Mimura


午後7時になり、やっと入場が許可されました。暗い廊下を通り抜けると、目の前に広がったのは、階段教室風の会場でした。以前は、アールデコ調の落ち着いたインテリアでしたが、新劇場はドルビー・ラボラトリー社の最新鋭の技術を集めたドルビー3Dシネマになっていました。120個のスピーカーを使ったドルビーアトモスで、世界最新鋭の劇場ですが、今後10年間、無料で技術更新が確約されています。


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階段教室のように急斜がついており、以前より座席が大きくて座り心地満点。また、座席の位置に工夫が凝らされていて、前に背の高い人が座っても、視線を遮ることがない。 (c) Meg Mimura


最新鋭の技術の粋を集めた映像が披露され、画像や色の美しさは現実以上で、目を見張るばかりでした。但し、サラウンド音響効果は、床が揺れるほどの迫力で、後部席に座らなければ、映画1本を乗り切る自信はありません。私が音に異常に敏感なのか、それともほとんどの観客は聴覚を失っているのか?劇場を出てから、誰からも音量に文句が出なかったので、やはり私の問題のようです。耳栓持参しかありませんが、スピーカーは床にも設置されているので、どうしたものでしょうか?

2階には、テレビアカデミー傘下のアカデミー財団の職員が引っ越ししてくる予定ですが、まだ空のスペースを見ることが許されました。2階角にある会議室は、ガラス張りのオシャレなスペースです。


見学が終わって外に出ると、もう夕闇が迫っています。この日のために、巨大な照明器具が持ち込まれて、センターは紫色に、休館はオレンジ色に照らし出し、幻想的な雰囲気を醸し出します。


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黄昏時のエミー像とテレビアカデミー旧館。改築前は、噴水の中にエミー像が立っており、並木と水の音が都会のオアシス風で爽やかだったが、すっかり都会化してコンクリートジャングルになってしまった。 (c) Meg Mimura


もっと緑を取り入れて欲しかったな~。噴水は残しておいて欲しかった....など、不平不満がない訳ではありませんが、文句を言える立場ではないので、とにかく最新鋭の劇場で映画やイベントを楽しみたいと思います。

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いつか!と狙っているエミー像の前で。 (c) Meg Mimura

ドルビー・テクノロジーの実演が聴覚、視覚を余りにも強烈に刺激したため、この夜は一睡もできませんでした。発光体が脳に及ぼす影響を再度、思い知らされました。


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