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GIMME A BREAK! アメリカンTV字幕翻訳者のひとりごと[連載終了]詳細

Vol.46 先生やっちゃいました

2004年7月5日
蒸し暑いですね~。相も変わらず、仕事に追われている私です。すっかり不定期更新になってしまってごめんなさい。しかも発行の間隔がだんだんと長くなってゆく今日このごろ…。す、すみませええーーーん!(^^;;)

さて、最近、翻訳者が集まる飲み会などに出席する機会が何度かありました。そういった会では、必ずといっていいほど「TV Grooveのエッセイ読んでますよ!」とのお言葉を私にかけてくださる方がいます。同業者の方に読んでいただくなんて、ありがたいやら、恥ずかしいやら…。そしてクライアントの方々からもときどき「読みましたよ~」というお声をいただきます。こちらは、ちょっぴりドキッとしてしまう小心者の私…。もちろん、どんな人に読んでいただいても大丈夫なように書いているつもりですが(笑)、「忙しい」「大変」なんていう愚痴も多いこのエッセイ、お客さんにどう思われてるのかなあー、と思うとドキドキしてしまうのです。ああ、我ながらホントに小心者だなあ。(笑)

そして去年は、このエッセイを読んでいただいた某翻訳学校の事務局の方から突然メールをいただきました。それは「翻訳の通信講座の講師を担当してもらえませんか」という、私ごときにはもったいないような、ありがたいご依頼…! 普段の翻訳の仕事も忙しいし、大丈夫かしら…と、ちょっと心配だったのですが、課題は月に1回のみということなので「週1回授業のある通学部よりは楽そうだし…なんとかなるかも!」と、思いきってお受けしてみました。

通信講座の講師役は今回が初めてのチャレンジでした。実は、私は別の翻訳学校の通学部で講師をちょっぴりだけ経験したことがあります。でも人前で話すのが苦手なのと、週1回の授業の準備や課題の添削が大変で、死にそうな思いをしましたので(笑)、もういまはやっていません。

去年の10月から5月まで、6回の課題の添削と1回の授業を担当してみての感想は…「“月1回なら楽かも”なんて、やっぱり甘かったあー!」ということです。(笑) 添削をしていると、生徒さんに伝えたいことが、あとからあとから湧き出てきて、もー大変! 毎回、生徒さんからの質問もたくさん寄せられるので、添削の提出日の前日は、いつも徹夜でコメント書きという状態になってしまうのでした。通学部の授業なら数秒の口頭の説明で簡単に終ってしまうような内容も、誤解のないように気を配りながら文章にするのは、時間もかかり、とても大変な作業でした。

私も翻訳学校の元生徒ですから、決して安くはない学費を払い、字幕翻訳者を目指して真剣に勉強されている方々のお気持ちは、よーく分かります。「こんな先生に当たってしまって申し訳ないけど、なんとか学費のモトを取ってほしいわ!」との思いをこめて、とにかくもう必死にコメントを書いていた私です。

それにしても、優秀かつ熱心な生徒さんたちに恵まれ、私自身も学ぶことが多かった半年間でした。去年の10月から3月まで6回の課題を出したのですが、その答案の提出率は、なんと100%! 学校の事務局の方によると、提出率100%ということは珍しいそうで…。生徒さんが優秀だったおかげで、先生の私まで褒められてしまいました。ありがとうございます。

中でも嬉しかったのは、最後の課題提出時に「今回の講座が楽しかったので、通学クラスで勉強を続けることにしました」と報告してくださった方! やはり通信講座では一緒に学ぶ仲間の顔も見えなくて寂しいですし、伝えられる情報量にも限界があるので、できれば通学で学ぶほうがいいと私は思っています。私の講座が通学の講座に進むきっかけになったのなら、とても嬉しく思います。

そして生徒さんの中にも、このメルマガを読んでくださっているという方がいらっしゃいました! 何よりも一番感激したのは「キング・オブ・ザ・ヒル」のファンだと言ってくださった方。「講師プロフィールを見たら好きな番組の翻訳者さんだったので、ぜひ講座を受けてみたいと思いました」と書いてくださいました。…ううう、ありがとうございます! これからも「キング・オブ・ザ・ヒル」をよろしくお願いしますね!!

こんなふうに、このエッセイがきっかけとなり、私のお仕事や交友関係はじわじわと広がりつつあります。インターネットを通じて情報を“発信”し、自分のことをアピールするってことは大事なんだなあとしみじみ思う今日このごろ…。そして数年前、ネットの某日記サイトで書きなぐっていた私の雑記メモのような日記を読んで「TV Grooveでエッセイを書きませんか?」と声を掛けてくださった、勇気ある(笑)スタッフに感謝、感謝です!

少々ネタ切れ気味のこのごろではありますが、これからも不定期で更新していきたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。

それではまた!