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GIMME A BREAK! アメリカンTV字幕翻訳者のひとりごと[連載終了]詳細

Vol.48 いま、インド映画が熱い!?

2005年3月28日
こんにちは、お久しぶりです。SIGGYです。相変わらず締め切りに追われる毎日を送っております。なんだか、このメルマガ、“季刊”みたいな発行ペースになってきちゃいましたね。本当にすみません!

さて、インド映画です。“いま”、インド映画が熱い!? …いいえ、これは真っ赤なウソです。インド映画はいつだって熱かったのです(笑)。 しかし、野暮な私はちっとも気付いておりませんでした。あの「ムトゥ 踊るマハラジャ」が大ブームになったころでさえも、あまり興味を持たず、見に行かなかったのです(ミュージカル好きのくせに…)。そして、公開からずいぶん経ってからレンタルビデオで「ムトゥ」を見ても、「ふーん、女優さんがキレイね」という感じ。冷めていたのでした。

しかーし! 去年末、そんな私の認識は180度変わってしまいました。きっかけは「DDLJ ~花嫁は僕の胸に~」という映画の字幕を担当させていただいたことです。最初はただの恋愛映画だと思って、淡々とお仕事をしていたのですが、翻訳をしながらずぶずぶとハマってゆく自分に気付きました! この「DDLJ」という作品は、ちょっと切ないラブコメをベースとしながら、インドの家族愛や郷土愛をきちんと描いた、知る人ぞ知る傑作だったのです。

いつしか私は、愛する女性との結婚を夢みて奔走する熱~いキャラクターの主人公にすっかり心を奪われてしまい、クライマックスでは彼と一緒に目を潤ませながら翻訳していたのでした。そして、無事お仕事を完了した私は、こんなにステキな世界を知らなかったいままでの人生を悔やみ、すぐさまビデオレンタル屋さんに走って、借りられるだけのインド映画(少ないんですけどね、これが…)を端から借り、見るたびにますますハマっております。いまは愛用のiPodにもインド映画のサントラを入れて持ち歩き、いつでもどこでもインドな気分になれる準備万端です。

インド映画の一番の魅力は、いろんな方向にはじけるパワーです。たとえば、話のつじつまが多少合わなくなっても、さして気にせず強引に進んでいくストーリー。いちいち「おいおい、そんなの無理だよ」と突っ込みを入れているような野暮な人は置いていかれます。たとえば、脳腫瘍の手術で左脳と右脳を間違えて手術してしまったため(!)、重体となり、生死の境をさまようおばあちゃん。しかし、もう一度手術をやり直すと、すぐに意識を取り戻し、おばあちゃんは楽しげにダンスだって踊っちゃうのです。ご都合主義、とか、そんな生易しいものではありません。(笑) とりあえず観客は「ええっ?」と驚きながらも、受け入れるしかない、という感じです。

「インド映画は唐突に歌や踊りが始まるからイヤ」という人も多いようですが、まあそういわずに見てみてください。いい作品では、ちゃんと物語の流れに沿うようにミュージカルシーンが入っており、見事に映画のリズムを作っています。たとえ悲劇のストーリーでも、主人公たちは、とりあえず歌って踊って笑ってから泣きますが、ダンスシーンは決して唐突なものでも、バカバカしいものでもなく、夢や希望の象徴として挿入されているのです。見れば分かります。(笑)

そして、びっくりするのがインドの女優さんの美しさ。ミス・ワールドにも輝いた経験のある女優のアイシュワリヤ・ライはインドを代表するトップスターのひとりですが、彼女の可憐さといったら、何度見てもため息ものです。しかも、彼女は驚くほどすばらしいダンサー。立ってるだけでも輝くばかりの美貌なのに、手足の細やかな動きがとにかく美しい。ビデオで見ていると、1曲終わったあとに、思わず巻き戻してもう1度見てしまうほどです。

いま、そんなステキなインド映画がたくさん放映されているのが、ep055チャンネル(110度CS放送)。「That’s Bollywood」という特集で、去年の12月より、25本のインド映画を次から次へとばんばん放送中です。私は、この特集が見たいばっかりに、先日、110度CS放送が入るアンテナとチューナーを購入してしまいました。S-VHSのビデオテープで録画しまくる予定です。いまのところ、12本ほど放映されていますが、1度放送されたあと、再放送されている映画もあるので、これからも再放送を交えつつ、25本といわず、どんどん新しい映画の放送が続くことを願っております。

惜しむらくは、このep放送さんのHPに、月間番組表がないことです。また、インド映画特集で放映する25本の映画の一覧表がないのも残念です。ep放送さま、よろしくお願いします~~。

それではまた!