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なつかしのアメリカンTVのお話キモサベTV詳細

Vol. 9 『マイペース2軍曹』

2002年10月28日
「ウィルマー」「ウィルマー」「ウィルマ~~~」と、夜に家から閉め出されカギをかけられ、ドアを叩きながら叫ぶのは『原始家族フリントストーン』のフレッド。では、「パイル」「パイルー」「パイル~~~!」と叫ぶのは誰?そう、正解は『マイペース2等兵』のカーター軍曹。

『マイペース2等兵』は海兵隊の兵舎でのドタバタ兵隊ドラマ。出演は、舌たらずな声で「カーター軍曹殿」と言いながら口を半開きにし、ニール・セダカ。アゴいさむと谷乾一とナンセンストリオの左端の人を足して4で割った風貌の長身で、身体をくねくねさせながら歩くゴーマ・パイル2等兵。そして、桂小金治とアーネスト・ボーグナインとディック・トレーシーのブル巡査部長を足して、30代にした感じのカーター軍曹の2人が毎回、怒鳴り、怒られの繰り返しのコメディ番組。

のろまな新兵のパイル2等兵の訓練に、いつもイライラを爆発させ、結局泣くはめになるカーター軍曹を、キモサベはお腹を抱えて笑いながら晩ご飯を食べたのを思い出す。こんなアメリカ軍なら、万が一、また戦争になっても、たった5人で刀と手裏剣で大規模な戦闘ができる水木譲主演の『忍者部隊 月光』の日本が、今度は勝つんじゃないかとキモサベは思った、『コンバット』を見るまでは。

軍曹は軍曹でも、カーター軍曹と大違いの軍曹は?そうです、『コンバット』のサンダース軍曹。「こちら、ホワイトルーク、こちらホワイトルーク、チェックメイト・キング2、応答願います・・・」と、戦場で大柄のカービーとリトル・ジョンに指示を与えながら、無線機でチェックメイト・キング2のヘンリー少尉の隊に連絡を取る田中信夫の声が、今でもハッキリ耳の奥に残っています。サンダース軍曹役のビッグ・モローの説明は今さら不要ですよね。

ビッグ・モローはビル・ヘイリーと彼のコメッツの「ロック・アラウン・ザ・クロック」がテーマの名画『暴力教室』で教師役のグレン・フォードに反抗する不良役で有名になり、映画『トワイライト・ゾーン』の撮影中に子役を助けようとしてヘリコプター事故に巻き込まれ、亡くなってしまった勇敢な俳優です。

キモサベと同じ歳の男の子は、全員『コンバット』をまねて戦争ゴッコをやり、だれもがサンダース軍曹役を取り合をしたし、軍曹が嫌いな男の子は一人もいませんでした、絶対に。3番サード長島のそれとまったく一緒です。

階級からすると軍曹より少尉の方が位が上なんだけど、ヘンリー少尉は、どちらかと言うと嫌いだった。なぜかと言うと、サンダース軍曹と比較しちゃうんだけど、いつも両頬が黒く汚れていて格好悪くて、なんとなく強そうじゃなかったし、自分はあまり戦闘に加わらないで、いつもかき氷器の把手みたいのをクルクル回す無線機で軍曹達に命令ばっかしていたので、というまるで小学生みたいな理由。サンダース軍曹は、少尉より戦った数は多いのに、そんなに顔は汚れてなかった。

何年後、そのヘンリー少尉役のリック・ジェイスンが確か「多忙な日ほど、口笛とジョークを忘れずにいたい。」というキャッチ・コピーのトヨタ自動車の「セリカ」のコマーシャルに、がっちりとした身体にカッコ良いベージュのグレン・チェックのスーツをびしッと決め、渋いエグゼクティブ役として画面にでていたのを見た時は、いや~キモサベは見直しました。さすがハリウッドの俳優だと。もちろんその時、両頬は黒く汚れてはいませんでした。

『コンバット』の好印象をもっているキモサベがある日、2本立て映画館で見たい映画のもう片方の映画だった勝新太郎と田村高広主演の『兵隊やくざ』を見た時キモサベは思った、やっぱり今度戦争になっても日本は絶対に負けと。だって、日本は味方同士で戦ってんだもん。

戦いと言えばギャング、ギャングと言えば、そう、次回は『ちびっこギャング』だもんね~、スパンキー!