ジェイ・Z、警官の黒人射殺事件を受け新曲発表

アメリカで相次いで発生した警官による黒人射殺事件を受けて、ジェイ・Zが新曲「Spiritual」を発表した。

最後にリリースした作品は2013年のアルバム「Magna Carta Holy Grail」。その後、DJキャレドのシングル「I Got the Keys」や、ファット・ジョーとレミー・マーの「All the Way Up」のリミックスなどにゲスト参加していたが、自身の名義でのリリースはなかった。

「Spiritual」を音楽ストリーミングサービスTidalで発表したジェイ・Zは、「これはしばらく前に作った曲なのだが、完成していなかったんだ」と説明している。

「パンチ(※トップ・ダーグ・エンタテインメントの共同社長であるテレンス・ヘンダーソン)から、マイク・ブラウン(※2014年にミズーリ州ファーガソンにて白人警官に射殺された当時18歳の黒人青年)が亡くなった時に出すべきだと言われたのだが、悲しいことに、“この問題はいつになっても通じるものだから”と答えていたのだ」

「彼の死が最後にはならないという事実を、自分が把握していたことに傷ついている…」と嘆いたジェイ・Zは、「警察の暴行により愛する人を失った全ての遺族に祈りを」と加えた。彼は楽曲の中で、「俺は毒ではない/違う、毒ではないんだ/絶望から両手を挙げた/普通の少年だ/撃たないでくれ/俺はただ良いことをしたいだけなんだ」とラップしている。

アメリカでは先週、2人の黒人男性が白人警官に射殺された。アルトン・スターリングさんは7月5日、ルイジアナ州バトンルージュの店の外でCDを販売していたところ、白人警官に取り押さえられ、射殺された。その様子は目撃者により撮影されており、インターネット上に流出した。

その翌日、今度はミネソタ州ファルコンハイツにて、フィランド・カスティールさんが運転中に警官に呼び止められ、射殺された。その様子は婚約者の女性により撮影されており、Facebookに投稿された。

ジェイ・Zが「Spiritual」をリリースする数時間前、妻のビヨンセは、「私たちは自分たちのコミュニティーの若い男女が殺されることにうんざりしています。立ち上がり、自分たちを殺すのをやめるよう彼らに要求するかどうかは、私たち次第です」と公式サイトで声明を発表し、スコットランド・グラスゴー公演で犠牲者を追悼した。

MTV News