“冗談は顔だけにしろよ!”　「アーノルド坊やは人気者」ゲーリー・コールマン死去

70年代後半～80年代にかけて放送された人気海外ドラマ「アーノルド坊やは人気者」で主役のアーノルド・ジャクソンを演じ大ブレイクしたゲーリー・コールマンが死去した。享年42歳。

米TVガイドが報じた内容によると、ゲーリーは現地時間5月26日にユタ州の自宅で脳出血で倒れ頭蓋骨を損傷し、ユタ・バレー・レジオナル・メディカルセンターに緊急入院。意識不明となり、28日12時5分、家族と友人が見守る中、生命維持装置が外され息を引き取った。

先天性の腎臓障害を患っていたゲーリーは、1973年と1984年に腎移植手術を受けており、人工透析生活を送っていた。この障害のため、成人しても140センチ足らずの低身長に。体調には常に不安を抱えており、今年に入ってから発作性疾患で2度入院。健康状態が懸念されていた。

「アーノルド坊やは人気者」で、裕福な白人男性に養子として迎え入れられた黒人少年アーノルド役を演じたゲーリーは、人種の壁を乗り越え国民的子役として大ブレイク。決め台詞「冗談は顔だけにしろよ!(原語:What’choo talkin’ ’bout,Willis?)」が大うけし、1話につき10万ドル(約900万円)稼ぐ人気子役へと成長した。

人気ドラマ「silver spoon」「The Facts of Life」「Amazing Stories」にクロスオーバー出演したほか、ウィル・スミスの出世ドラマ「The Fresh Prince of Bel-Air」にもアーノルド役として特別出演。しかし、その後は仕事に恵まれず再ブレイクすることはなかった。

私生活は波乱万丈であり、ドラマ終了後、両親と金銭トラブルから裁判沙汰に。1999年には自己破産を宣告。暴力沙汰も多く、今年2月には離婚訴訟中の妻シャノン・プライスに対するDV罪を裁判で認め話題を呼んだ。

シャノンとはコメディ映画「Church Ball」の撮影で知り合い、翌年2007年8月に結婚。しかし、翌年5月、人気リアリティ番組「Divorce Court」に夫婦で出演し、離婚の危機に面していることを公表。世間の注目を浴びた。

また、ゲイリーは、アーノルド・シュワルツェネッガーが勝利した2003年のカリフォルニア州知事選に出馬。8位と大敗している。

全米を笑いの渦に巻いた「アーノルド坊やは人気者」だが、ゲーリーの共演者たちも同じく波瀾万丈の人生を送っている。ゲーリー演じるアーノルドと息の合った演技を披露していたトッド・ブリッジス(ウィリス・ジャクソン役)は薬物依存症で裁判沙汰を起こしており、殺人罪に問われたこともあった(無罪判決)。また、ダナ・プラトー(キンバリー・ドラモンド役)も薬物中毒に陥り、1999年、処方箋薬の過剰服用で急死。ダナの息子タイラー・ランバートは、今年5月6日に25歳の若さで拳銃自殺し、世間に大きな衝撃を与えたばかりであった。


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