アカデミー賞授賞式に登場した観光客は３日前に20年の服役を終えたばかりの前科者だったことが判明

先日開催されたアカデミー賞授賞式で、観光バスに乗った観光客の一行が何も知らされずに授賞式本番中の会場に連れてこられるというサプライズ企画があり話題となったが、その内の一人が、なんと数日前に出所したばかりの人物だったことが明らかになった。複数の米メディアが伝えている。

米時間2月26日(日)に開催された第89回アカデミー賞授賞式の最中、ホストのジミー・キンメルが突然、約20名ほどの観光客の一行を会場に呼び入れる一幕があった。何も知らない観光客らは俳優らで埋め尽くされた会場に驚き、興奮しながら写真を撮ったりセレブと握手したりする光景が繰り広げられた。

その中で最も目立っていたのが、先頭にいたシカゴから来たというゲイリー・アラン・コーとその婚約者のヴィッキー。ヴィッキーが大ファンだというデンゼル・ワシントンの宣言で二人をその場で“結婚”させる、ほのぼのとしたシーンもあった。

【動画】アカデミー賞本番の会場に何も知らない観光客が連れてこられたら…? セレブたちと対面し大興奮


しかし、シカゴトリビューン紙によると、このゲイリーは、なんと授賞式のわずか3日前に20年の服役を終えたばかりの前科者だったことが明らかになった。

ゲイリーは、1970年代から90年代にかけて、レイプ未遂、強盗、不法侵入などを繰り返しており、これらの罪が重なったことにより、ついに1996年に重罪としての判決を受け、そこから20年にわたって服役。そして第89回アカデミー賞授賞式のわずか3日前に出所。婚約者とハリウッド観光を楽しんでいた際に、偶然、アカデミー賞授賞式のスタッフから声がかかり、授賞式への“出演”が実現した。

もちろんすでに刑期を終えたゲイリーがアカデミー賞授賞式に登場したことに何ら法的な問題はないわけだが、過去に強盗やレイプ未遂を犯した人物をハリウッドの一流セレブと接触させ、それをTVで世界に中継してしまう結果になったことを、批判する声が今後上がる可能性もあるだろう。

一方、世界が見つめる生放送で「シカゴ出身」であることを公言したゲイリーに対し、地元シカゴは大喜び。シカゴ・ベアーズ(フットボールチーム)、シカゴ・ブルズ(バスケットボールチーム)などからお祝いの品が贈られるという。