

スパナチュをアニメ化!という驚愕のニュースを聞いたのが去年のこと。ついにその全貌が明らかになりました。実を言うと今まで日本語版を見る機会がなかったので、日本語を話すディーンとサムってどんな感じ?とワクワク&ドキドキ半々でしたが、始まってみたらあっという間に、もう一つのスパナチュワールドに入り込んでしまいました。
実写版と同じ吹替えキャストの東地”ディーン”も内田”サム”、2人とも実にイメージに合っていますね。
世界に名だたるマッドハウスの作画クオリティの高さは言うまでもありません。黒と白のくっきりとした陰影のある印象的な画面は「Supernatural」の世界観にぴったり。実写やCGで作られたイメージを更に膨らませ、アニメだからこそ可能な表現技術を駆使して、新しい世界を見せてくれます。ディーンやサムを始めとしたお馴染みのキャラクターたちも、実写版の魅力そのままに見事アニメの世界で息づいています。
こんな風に基本をガッチリ押さえられた感の”強力な布陣”に加えて、製作陣の本気が見えたのがエンディング曲です。
『Carry on Wayward Son』を持ってくるとは、なんとも小憎らしい…じゃなくて素晴らしい!(笑)
実写版では”ここぞ”という場面で流れる曲。これを聞くと余韻を噛み締めて放心しているか、クリフハンガーの結末に心臓をバクバクさせてる自分を思い出します。ツボを心得た選曲に拍手です。
今回のアニメ版で中心となるのはシーズン1と2。
ディーン&サム兄弟や父親ジョンを交えての家族の絆が横糸として、次々と登場するモンスターや悪魔、多彩な敵との闘いが縦糸として紡がれている…「Supernatural」世界を描くタペストリーが徐々に形を成していく様は、見ていてワクワクしたものです。シーズン3以降は”親離れ”した兄弟の過酷な運命が描かれていきますが、最初の2シーズンはこのドラマが完成に近づいていく勢いみたいなものを感じます。


ディーンは(もちろんサムも!)現在放送中のシーズン6に至るまで、様々な試練に遭遇して大きな”キャラクター・デベロップメント”を果たしました。時に”Bad Boy”、時に”Big Brother”、そして時には見ているこっちが胸を締め付けられるような表情も見せる…。
でもシーズン1&2の頃の彼は”Bad boy Dean”。今回のアニメ版ではその部分がきちんと描かれていて、これまた私には嬉しい驚きでした。作品世界の特徴をしっかり捉えています。ここにも製作陣の本気が!
アニメ版は1話30分ですが、実写版の1時間物に匹敵する完成度です。
中でも、私的全シーズンを通しても傑作と言って良い名作エピソード『死へのドライブ(ROADKILL)』がアニメ版でも見られたのがすごく嬉しい!
そして別な意味で唸ったのが『血まみれメアリー(TILL DEATH DO US PART)』。実写版に『鏡の中の真実(BLOODY MARY)』という名作エピソードがあります。これが元?と思いきや、何とアニメ版では元のアイディアを生かしつつ別な脚色が加えられていて、アニメ版スパナチュを象徴する話となっています。
また『ベガスの神様(THE SPIRIT OF VEGAS)』や『ハイウェイの亡霊(GHOST ON THE HIGHWAY)』等のアニメ版オリジナルストーリーの数々では、本編では語られなかった話も描かれており、満足度は急上昇間違いなしです。
「Supernatural」は多くの可能性を秘めたドラマであり、今回のコラボはその内の一つを形にして見せてくれたと言えるでしょう。オリジナルの世界観を生かしながら、アニメ版ならではの新しい作品世界を作り出すという試みは、見事に成功していると思います。
是非、ご自分の目で確かめてみてください!
