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マーティン・フリーマン、映画「ホビット」シリーズを振り返って感無量! 「撮影の最終日は泣きそうになった」

2015年4月9日
マーティン・フリーマンマーティン・フリーマン
WENN.com
Q:「SHERLOCK(シャーロック)」、「FARGO/ファーゴ」、「ホビット」とヒットが続いていますが、生活は変わりましたか?

大分変わった。でもその変化を歓迎しているよ。こうやって何枚もの皿が同時に回ってくれている状態はとてもラッキーなことだと思っているよ。こんなことになるとは思ってもみなかった。ということで、生活は変わったね。前よりも賑やかになった。


Q:街中で「ビルボ!」と声をかけられることはありますか?

たまにあるね。前は「The Office」に出演していたから、「ティム!」と声をかけられるのが数年続いた。でも役名ではなく本名で呼んでもらえるようになってから大分経つ。嬉しいことだ。


Q:「ビルボ」の役からなかなか抜けきれなかったりするということはありましたか?

抜けきれないということは特にないけれど、脳裏のどこかに感覚として残っていたりはする。つい数週間前にアフレコをやり、それで「ホビット」の仕事を全て終えたのだが、そういう意味では撮影を終えてからもビルボの思考や感情を自分の中に残しておかなくてはならなかった。誰かに銃を突きつけられ、「いまビルボに成りきれ」と脅迫されたら多分体の動きや癖は再現できると思う。ただいつまでも引きずっているわけではない。役を引きずったことはないね。


Q:「SHERLOCK(シャーロック)」でも共演したベネディクト・カンバーバッチが今回は竜役で出演していますが、再共演は奇妙な感じがしましたか?

奇妙と言えば奇妙だし、そうでもないと言えばそうでもない。「SHERLOCK(シャーロック)」で共演したとしてもしなかったとしても、今回はいいキャスティングだと思ったはずだし、そんなに違和感はなかったよ。「どうも共演する縁のようだ」とは思ったけどね。でも撮影中は一回も顔をあわせることがなかった。自分が出演するシーンでも、セリフを読み上げる他の誰かを相手にして芝居していた。だから違和感は無かったが、よくよく考えて見ると、周りからは「この作品でもまた共演か」と思われるのだろうね。そう考えると変だ。

マーティン・フリーマン(左)、ベネディクト・カンバーバッチマーティン・フリーマン(左)、ベネディクト・カンバーバッチ
WENN.com


Q: ピーター・ジャクソンの監督としての強みはどこにあるのでしょうか?

3作分のストーリーが全部頭に入っていて、それを自由自在にさばけるんだからすごいもんだよ。どの話の筋がどうなって、5シーンほど進んだらどうなるか、はたまた「ここにこのシーンを挿入したら、4時間後にはこれこれこういう意味を持つようになる」などと、すべてを把握していることに驚愕した。なんとも形容できないのだけど、とにかくあの壮大な宇宙が全部頭の中に入っているんだ。ものすごい仕事だと思う。

もちろん周りの力もあるとは思う。ジャベツ・オルセンという素晴らしい編集者がいる。もちろんピーター自身も素晴らしい編集者だ。そういうところにも驚かされる。また睡眠時間が僅かで、多大なストレスを抱えていながらも、それを表に出さず、うまく対処する。監督としてどうこう以前にそういう人間性にも圧倒された。なんで神経衰弱にならないのだろうと思った。


Q:今でも連絡を取り合っていますか?

たまにメールで連絡を取り合うよ。すごく親しいわけではないけどね。そもそも住んでいる距離が遠すぎる。でも好感が持てるし、大事に思っている。良識のある人だと思う。


Q:1作目や2作目の映画評はなるべく読まないようにしてきましたか?

ここ数年読まないように自分を仕向けてきた。だから自分から率先して覗きに行くことはない。ただ、ネットでいろいろ検索していれば、自分自身に関する記事などを探していなくても、すぐに自分に関する良いコメントなり悪いコメントに遭遇することになる。避けられないことではあるが最善は尽くしているよ。最近は「リチャード三世」という公演に出たのだが、評はまったく読まなかった。そんなことしても助けにはならない。


Q:「決戦のゆくえ」で撮影するのが特に楽しかったシーンは?

ボフール役のジェームズ・ネスビットと共演した城壁でのシーンが楽しかった。格闘が楽しかったね。格闘シーンはデビューしてからはさほどやってこなかったが、演劇学校では得意だった。アクション俳優でもない限りはそうそうやる機会はない。私はそもそもアクション俳優ではないし。でもこの映画では優秀なスタントダブル達がついていて、私のスタントダブルは本当に素晴らしかった。基本的にできるものは自分でやるというルールを通した。ただし怪我で一週間出演できなくなるなどのリスクがなく、保険会社が神経をすり減らさないで済む範囲内においてだけどね。可能な限り、スクリーンに映っているビルボの姿が自分自身であるという状態にもっていきたかった。


Q:ビルボはそもそも設定上格闘が得意でないのでは?

そうだね。途中で戦士などになるようなことはないが、戦うことのできる人物にはなる。そして終盤に差し掛かるあたりには周りにとって必要な存在となる。そういう状況に追い込まれる。


Q:臆病だったビルボが変わるわけですね。

そう。臆病なままじゃ演じるのも観るのもつまらないしね。目をまん丸に見開いたままでは面白みがないでしょう。状況が変わるところが物語の魅力。ビルボは無垢から始まるが、様々な経験を積んでいく。


Q:3作目の最大の試練は? 竜とはすでに対決していますし…

確かに竜との対決は済ませている。ネタバレにならない程度にお話すると、黙示録的な大戦を防ぎ平和を保とうと、まるでコフィ・アナンのように立ち回らないといけないところがビルボにとっての最大のチャレンジ。彼なりに皆を抑制しようとする。


Q:イアン・マッケランとはだいぶ親しくなりましたか?

一緒にいてとても愉快な方だ。随分長いこと一緒に過ごした。例えば、自分の子供を預ける時など、誰でも信用できるわけではないが、イアンなら信用できた。とても良い人だし、好きだね。とにかく楽しい人だ。役者としても熟練なので、こちらも頑張りたくなる。

イアンとの共演はこのシリーズに出演した大切な思い出の一つだ。もちろんゴラムとの洞窟の中のシーンなど、芝居自体が楽しかったこともある。あのシーンはとても良く書かれたシーンだし、良く撮れているし、自由に芝居することができた。でもガンダルフとのシーンは特に楽しかった。彼はじっと聞いてくれるし、落ち着いているし、彼が登場するシーンはそれだけで生き生きとしてくる。寝室でリハーサルしたかのような芝居ではなく、その瞬間に神経を集中させて芝居をする。


Q:あなたはダークなキャラクターを演じるのが得意ですが、ビルボのそういう側面も見せたかったですか?

そうだね。自然の流れでそうなる。友が苦しんでいるのを見ているビルボを演じる時に可愛く純情に演じるわけにはいかないでしょ?それをやってしまったらひどいことになる。つまり状況に反応し、それにつられるのが芝居。私は気難しい人ではないと思うし、暗い人ではないと思うが、元来なんでもかんでも「素晴らしい!」と思う人でもない。ダークな方に容易く傾倒してしまうことは確かだ。誰かに止められないと、スッとそちらへ滑ってしまう。でもユーモアも好きだし、ひょうきんでいることも好きだし、喜びを演じるのも好きだ。とはいっても二次元的に演じるのはいやだね。「怒りん坊を演じるのだから、最初から最後まで不機嫌でいよう」という人もいるが、人は実際そうじゃない。

突き詰めて言うなら、あなたも私もみんなも、誰一人例外なく不機嫌になったり、悲しくなったり、嬉しくなったり、楽しくなったりするものだ。役者としての仕事はそれを反映させることだし、ビルボが経験するあれこれにはダークなことも必然的に入ってくる。ビルボの置かれた状況から考えると相当ダークだ。だから彼にとってとてつもなく恐ろしい事態だろうが、そういうのは探求しがいがある。仮に脚本に書かれていなかったとしても、役者としてそういう要素は入れるかもしれない。やっぱりそっちのほうが演じていて興味深い。このシリーズは丹念に構成されており、厚みがあるからそういう部分もきちんと書き込まれているが、いずれにしても役者として少し厚みを持たせておきたいものだ。そうしないと自分自身を納得させることができない。


Q:安全地帯から果敢に飛び出そうとする方のように見受けられますが。

ある意味そうかもしれない。ただ他人にとっては難しくても自分にとってはやりやすい事もあるけどね。舞台に立つ時などは毎回違うことをやってみる。大げさなことはしないが、他のキャストの気を散らさない程度に変えたりする。いろいろな発見があって、「この方向性でいったら次は何が起こるだろうか?」と試してみたりするのが昔から好きだ。

芝居は怖いものだし、誠実にやろうとしたら色々さらけ出す行為でもある。ただ、偉そうに言うつもりもないが、死にやしないんだ。取り返しはつく。映画ならもうワンテイクとればいい話だ。舞台の場合は最悪の事態でもセリフを失敗して数秒間訳が分からなくなる程度だ。でも死人は出ない。なので環境を整え、自分をけしかけて、あれこれ自由に遊ぶ余白を保つようにする。相手が何をしようと構わない、自分自身に試行錯誤する余白があれば良い。俳優は失敗しても、撃たれたりするわけではない。失敗してバカ丸出しになることはあるが、バカに見えるのが嫌ならそもそも俳優にはならない。だから安全地帯といっても私の場合居心地のいいものではないかもしれない。でもそうするのが幸せなんだ。一番の悪夢は「これをこのようにやれ。それを毎晩3ヶ月間やれ」と言われりすることだ。そんなことがあったら最悪だね。


Q:撮影の最終日はいかがでしたか?

ホッとしたが、悲しみもこみ上げてきた。意外だったね。私は感情的になったり感傷的になったりすることは多いが、仕事を終えてそうなることはあまりない。どんなに楽しい仕事でも終わらせるのが好きだからね。だから終わらせたいと思うか否かは、楽しいかどうかのバロメーターにはならない。楽しいけど完成させたいという気持ちは過去のどんな仕事に関しても言えることだね。それが現実だからだ。「一生ビルボでいろ」なんて言われたら悪夢でしょう。ジョン・ワトソンだって嫌だよ。一生かけてやりたいことではないね。

最後の日はリチャード・アーミティッジとドワーリンに扮するグレアム・マクタヴィッシュとの撮影だったのだが、私のほうが彼らより1日早く発つ予定だった。彼らにはもう少し撮影しなければならないシーンがあってね。グレアムが「共演できて楽しかったよ」と喉を詰まらせたので、私も泣きそうになった。2年ぶりの感動だったよ。その時に、このしょうもなく頭のおかしな仲間と大分長い時間を過ごしてきたということに改めて気付かされ、少し感極まった。こういうことは二度とできないだろうとしみじみ思った。まあ、もう一回やれと言われてもやりたくはないけれど、人生の大きな転換点にはなったし、これに関わった人たちも皆そうだと思う。

撮影現場にいてもそこから離れたところにいても、この作品は生活の大きな一部を占めるものだったことは確かだ。私は90歳になるまで「ホビット」シリーズを語り継いでいくことになるよ。忘れることはないだろうね。それにしても最後の日にほっと力が抜けてあのように感極まったのは我ながら意外だ。さようならを言いに来るみんなも目をうるわせていた。


■ リリース情報

「ホビット 決戦のゆくえ」

2015年4月22日(水) ブルーレイ&DVDリリース
3月25日 デジタルセル&レンタル先行配信開始

◇【初回限定生産】ブルーレイ&DVDセット
(3枚組 / デジタルコピー付 / 3,790円+税)
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◇【初回限定生産】3D&2D ブルーレイセット
(4枚組 / デジタルコピー付 / 5,790円+税)
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◇【初回限定生産】DVD
(1枚組 / デジタルコピー付 / 2,900円+税)
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◇【完全数量限定生産】ホビット トリロジーBOX 3D&2D ブルーレイセット
(12枚組 / デジタルコピー付 / 15,980円+税)
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◇【完全数量限定生産】ホビット トリロジーBOX ブルーレイセット
(6枚組 / デジタルコピー付 / 10,980円+税)
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発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
(c)2014 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 
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