【インタビュー】世界のドラマ・映画界で活躍する日本人女優・森尚子、「エベレスト 3D」ジョシュ・ブローリンとの思い出深いエピソードを披露[その3]

【インタビュー】世界のドラマ・映画界で活躍する日本人女優・森尚子、最新出演作「エベレスト 3D」での過酷すぎる撮影を振り返る[その2]からの続き

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Q. 撮影中の思い出深いエピソードなど教えてください

いっぱいありますよ!沢山ありすぎてどうしよう!

とにかく、毎日が驚きの連続でした。そういう環境に入ると、みんな仲良くなるんですね。家族みたいになるんです。この前、ロサンゼルスでプレミアがあったんですが、家族の再会みたいな感じでした。久々に会えて、涙が出そうでした。一緒に経験した仲間だったので。

まずビックリしたのは、ネパールでの撮影ですね。先ほど話した、高い怖いつり橋を通らないとエベレストに行くことができないんです。今まで高所は大丈夫だと思っていたのですが、いざ橋を渡ろうとすると、身体がノーって訴えているかのように、膝がガクッとなって動けない状態になってしまったんです。そこにジョシュ・ブローリンが走ってやってきて、私の手を握ってくれました。一緒に橋を渡っている最中も、ジョシュは「大丈夫だろ?」と何度も話しかけてくれました。その後、「ありがとう」と私が話したら、彼の方こそ「ありがとう!」って言ってきて(笑)。彼も怖くてダメだったみたいで、お互い助け合った感じですね。


【橋の途中でとんでもないハプニングが・・・】


ヘリで上空から撮影するため、橋の途中で立ち止まっていた時に、後ろにいたヤクの行列が走り出してしまったんですね。その時は、私たちは蹴られたり倒されたりと、とても恐ろしかったです。橋も狭くて逃げ場がなかったので。

山の高度が高くなるにつれ、酸素不足になってくるんですね。私が一番恐怖を感じたのは、高山病で寝ている時に無呼吸になってしまうときでした。マイナス28度とかで、お湯が出る時間のシャワーですら、とにかく寒いんです。その中、頑張って寝るんですけど、呼吸していないと身体が無理やり睡眠から起こすんです。それが何度も起きたので、怖かったです。

危険と隣り合わせですが、楽しいこともたくさんありました。24時間ずっと一緒だったので、飽きるぐらいでした(笑)。「またあなたとお食事?」みたいな(笑)。でも本当に良い仲間たちで、新たに兄弟が増えたみたいです。今でも連絡を取り合っていますし。辛いときに励まし合って、一緒に乗り越えたという経験を毎日のようにして...特別な関係ですね。


Q. 2014年の雪崩、2015年のネパール地震のニュースを知った時の心境は?

言葉に表せないほどビックリしました。昨年の雪崩の際、撮影のセカンドユニットが、ベースキャンプでエベレスト登頂のため高度順応をしている最中だったんです。ニュースが入った時は大ショックでしたが、幸いカメラチームは無事でした。しかし、ネパールでの撮影で関わってくださったシェルパや関係者の何人かが亡くなってしまいました。今回の地震でも犠牲者が出たようで、そのため制作側もOxfamを通じてチャリティに協力しています。是非、皆さんもご支援いただければ幸いです。

でも、本当に不思議です。映画をやっているなか、こんなことが起きてしまって、自然のパワーを改めて感じました。今年4月の地震の時には、コンサルタントのガイ・コターとデイビット・ブリーシアーズが第3キャンプにいて、数日連絡が取れないことがあったんですが、幸い無事でした。

※募金は//www.oxfamamerica.org/にて実施中。


【まず勇気をもってやってみる】


Q. オフの日には何をしていますか?

映画やテレビを見ちゃいますね。ドラマも1シーズンを2日で観ちゃったり。最近だと「マット・ルブランの元気か～い ハリウッド」という可愛くて面白いコメディ番組を観ています。本当に大好きなんです。あとは、ドキュメンタリーもよく観ています。


Q. 「ミス・サイゴン」でウエストエンドで初の日本人主演を演じてから世界で活躍されている森さんですが、世界で活躍することを夢見る人たちにアドバイス&エールを送っていただけますか?

まずは勇気をもってやってみることです。努力もありますが、チャレンジすることが大事ですね。あとは言葉が大事なので、英語の方も頑張ってグローバルに活躍していただきたいです。


Q. 今後の活動予定などわかっている範囲で教えてください

詳細はまだ話せませんが。今年の冬に1本、ドラマの話が入っています。最近だと、ロンドンでラジオドラマを収録しました。「リング」のラジオドラマで、ハロウィーンの10月31日にBBCで放送予定です。


Q. 日本のファンにメッセージをお願いします

「エベレスト 3D」が公開されます。是非とも大きな映画館に観に行ってください。3Dならではの迫力なので、iPadとかではなく、映画館でご覧になっていただければ幸いです。



【動画】映画「エベレスト3D」日本版予告編　極限状況に置かれた人々の群像劇を緊張感満点に描く


■「エベレスト 3D」ストーリー

1996年に起きた実話を基にした本作は、ニュージーランドで登山ガイド会社を営むロブ・ホールの率いる登頂ツアーがネパールに到着したところから始まる。エベレストのベースキャンプ(標高5334メートル)で約1カ月間入念な準備を整えたあと、はるか3500メートル上の頂上を目指す4日間の冒険に出発した一行は、別のツアーと協力体制を組みながら順調に第4キャンプ(標高8000メートル)まで登っていく。しかし、ついにやって来た頂上アタックの日、固定ロープの不備や参加者の体調不良などでスケジュールが狂い、下山が大幅に遅れてしまう。さらに未曾有の嵐の接近で急激に天候が悪化。デス・ゾーンで散り散りになった登山家たちは、ブリザードと酸欠との過酷を極めた闘いの中で個々の生き残りの能力を試されることになる。果たして全員が無事にキャンプまでたどり着けるだろうか―。

■公開情報

映画「エベレスト 3D」
11月6日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国公開

監督:バルタザール・コルマウクル　

出演:ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジョン・ホークス、ロビン・ライト、エミリー・ワトソン、
キーラ・ナイトレイ、サム・ワーシントン、ジェイク・ギレンホール、森尚子　他
配給:東宝東和

(C) Universal Pictures

公式サイト://everestmovie.jp/