【LAセットビジット】「サンタクラリータ・ダイエット」ドリュー・バリモア&ティモシー・オリファントにインタビュー(その1)! ある日、妻がゾンビ化!? 注目ドラマについて直撃

昨年8月、米ロサンゼルスの撮影スタジオにて、ドリュー・バリモア(「50回目のファースト・キス」)と、ティモシー・オリファント(「Justified 俺の正義」)にインタビュー取材を行った。ふたりが主演する最新作「サンタクラリータ・ダイエット」について話を聞いた。

「サンタクラリータ・ダイエット」は、映画「チャーリーズ・エンジェル」シリーズなどで知られるドリューにとって、初出演のドラマ。ふたりはジョエル (ティモシー) とシーラ (ドリュー) という、ロサンゼルス郊外のサンタクラリータで不動産仲介業を営む夫婦を演じている。

本作は、ある日突然、ドリュー演じるシーラが死んでしまうところから物語がスタート。ところが本人はピンピンしていて、以前といたって変わらない様子。ただ、人肉を食らうようになってしまったという点以外は……というお話だ。「シーラの身に起きたある出来事をきっかけに、その生活は死と破滅に追いやられていく」という少々おどろおどろしいあらすじだが、「...ただし、いい意味で!」という公式紹介文の通り、あくまでコメディ作品だ。NETFLIXにて、今年2月3日より配信が開始される。

ふたりは主演俳優である傍ら、プロデューサーとしてもこの作品に参加。いったいどのような観点から作品への参加を決めたのか。役者だけでなく、プロデューサーとしての視点からも、「サンタクラリータ・ダイエット」という作品について語ってもらった。


――役者だけではなく、プロデューサーとしての視点から、作品のポイントを教えてください。

ドリュー:　率直にそこが知りたいですよね(笑)。私も(番組のショーランナー/クリエイターである)ヴィクター(・フレスコ)に、「ポイントは何なの?」と同じ質問をしたんだけど、そのときの答えは「結婚に困難はつきもの」というものだったわ。どのように結婚関係を続けていくかという問いは、とてもシンプルかつピュアで、確かなものだと感じた。人は、物事に感情的なつながりや、ハートを持たなければ……
今作の舞台は郊外のコミュニティで、ある家族に異変が起きたことから、いろいろクレイジーなことが起きていくという、想像しやすいシチュエーション。私たちは今、良くも悪くも、感情的なつながりを持てるものから、遠ざかりながら進化しているように思うの。その中で、地に足の着いた“ヒューマン要素”を感じられる物語に惹かれたのね。
エイリアンやデッド、アンデッドといった要素で遊びながらも、人類の共通点である“人間関係”をテーマとしているところがこの作品の魅力よ。これはすべて、ヴィクター・フレスコというショーランナー/クリエイターの奇妙で美しい視点から生まれたものだわ。


――ヴィクターさんのインタビューでは、今作が現代のナルシシズム(自己愛)文化の要素も反映しているとおっしゃっていましたが、そうした文化について、ご自身の体験からどう考えられますか?

ドリュー:　ティム(※オリファントのこと)、これはあなたが答えた方がいいんじゃない? あなたがナルシストだと言っているわけじゃなくて(笑)。

ティモシー:　ナルシシズムについて、俺に丸投げするの?(一同笑)

ドリュー:　違う、違う、誤解しないで(笑)。私たちふたりに対しての質問だから、あなたが先で、私が次に答えるわ。

ティモシー:　うーん……ヴィクターの“ナルシシズム論”について、ぼくに補足できるようなことはないよ(一同笑)。
でも、ドリューの最初の質問に対する答えには同感だね。ぼくはこの作品を、最高にエンタテインメント性のあるものだと感じた。ドリューも好きだし、結婚がテーマということもリアルでしっかりしたものだと思った。
(ドリューに向かって)俺たちが演じている夫婦って……ナルシストなのかな?(笑)

ドリュー:　ヴィクターがそう言うなら、どこかにナルシシズムの要素があるんじゃない?　

ティモシー:　彼が言うならそうだね。俺はナルシスト過ぎて、自分以外のものが見えていないのかな?

ドリュー:　ナルシスト過ぎて、番組のなかにナルシシズムが反映されていることに気づいていないってことね(笑)。

ティモシー:　それは問題だ(笑)。

(ヴィクターが伝えようとしていたことは、シーラが変貌によって、よりパワーを持ち、自分の意志で動くようになることのなかに、ナルシシズムの要素が存在するということだと思います)

ドリュー:　なるほど。私は、ナルシシズムと自己中心的であることは、自己実現に必要なことでもあると思うわ。親や妻、働く女性が自己探求のために時間を使うことは、自己中心的な行為とされることもあるから、それがナルシシズムと捉えられるのかもしれないわね。
でも私は、シーラの“進化”がとても好きなの。ヴィクターとたくさん話し合いをしたし、働く母親としても、私にとってこの仕事はいいモチベーションになった。第一シーズンが終わるまでに20パウンド(約9キログラム)減量をして、髪を明るくし、眉毛を整え、エクササイズとダイエットで健康的にもなれたしね。

こうしたすべての出来事は、生きている人間が経験することだけど、皮肉にも「サンタクラリータ・ダイエット」ではデッドな女性(=シーラ)が経験するのよ!　シーラは、毎日少しずつ老いていくという典型的なライフスタイルから、突然、自分の“死”について考え、人生における新たなツールや武器、強さを見つけることにより、人生は一度きりなのだと悟るというか……どうなのかな。いろいろな解釈の仕方ができると思う。
ただ、番組のなかでシーラに起きたことは、何か彼女をいい方に向けることだったのだと思うわ。“死ぬ”ということはネガティブに捉えられがちだけど、彼女にとっては、人生で最高の出来事だったの!


――「サンタクラリータ・ダイエット」の脚本を読んで、俳優として強く惹かれたポイントは何ですか?

ティモシー:　今作の脚本を読む作業は、とても楽しいものだったよ。脚本を受け取って読み進めるうちに、「どの役をオファーされているのか知らないけれど、どうか、この主役の男であってほしい」と切実に願った(笑)。それぐらい、本当に魅力的な役だったんだ。
とにかく面白くて、素晴らしくエンタテイメント性がある作品だと思ったよ。ぼくは、自分が興味を持てる素材かどうかを察知するのが得意でね。脚本を読み終える前に、出演したい素材だと確信できたんだ。

結婚がテーマ、結婚について語るときには人間関係が核となる。夫役の自分の立場でいうと、この作品は、家族や妻とともに生きながら、彼らを守ろうとする男の話だ。そのために、想像を絶する手段をとらなければならないわけだけど、いったん、それが自分の宿命だと受け入れた後の道のりは、愛に溢れた確かなものであり、とんでもなく面白くなっていく。ヴィクターと面会してから、1時間以内に出演を決めていたよ。


――ドリューさんはドラマ初挑戦。「サンタクラリータ・ダイエット」への出演を確信した決定打は何だったのですか?

ドリュー:　ありがちな答えかもしれないけれど、とにかく脚本ね。物語の綴られ方が際立っていて、ユニークだった。複数の脚本家が参加したことにより、エピソードごとのカラーはあるけれど、核となる“声”はひとつだと感じられたわ。
私が慣れ親しんだ映画製作においては、脚本を読めば、始まりから中盤、終わりまですべてが把握でき、曖昧な部分がないのだけれど、今回のように、「エピソードごとに何が起きるか、どのように進むかわからない」なんてプロセスは初めて。
だから出演を決めることがとても怖くもあったの。第3話ぐらいで嫌になったらどうしようとか、怖くなったり、神経質になったりもしたわ。今までに経験したことのない奇妙な感覚よ(笑)。

ただ、ヴィクターがショーランナーで、すべては彼のアイディアに基づいたものであり、彼が毎日、撮影監督の隣にいてくれるということが支えになった。ヴィクターのことを知れば知るほど、彼を信じて、尊敬するようになりったの。どのエピソードも、脚本を読むたびに大声で笑い、泣いて、ワクワクしながら撮影に臨むことができた。
これまた、ありがちな答えではあるけど、この作品には他とは違う、とてもユニークな何かがあるの。私はこのプロジェクトに関われたことを、心から幸運に思っているわ。

ティモシー:　本当に光栄なことだよね。


――第二シーズンには、新たな展開があったりするのでしょうか?

ドリュー:　すべては、素敵なミステリーということにしておきましょう。


――その2へ続く



【動画】グロいのに笑えるって新体験!? 「サンタクラリータ・ダイエット」予告編(日本語字幕付き)


ジョエルとシーラはLAの新興住宅地サンタクラリータで平穏な毎日を送るごく平凡な家族。とある日、妻シーラの身体にこれまでの暮らしを一変させる変化が起こり、夫婦の人生は死と破壊の道を突き進むことに... しかしそれは家族が結束を固めるきっかけに!?製作総指揮は『ゾンビランド』のルーベン・フライシャー、『子連れじゃダメかしら?』ドリュー・バリモアと『JUSTIFIED 俺の正義』ティモシー・オリファントの豪華共演で贈る、Netflixオリジナルコメディドラマ『サンタクラリータ・ダイエット』2月3日配信開始!

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