【LAセットビジット】「サンタクラリータ・ダイエット」の撮影現場を見学(その3)! すっぴんのドリュー・バリモアが、撮影開始で大女優に変貌

この日、撮影されていたシーンは、シーズン終盤のシーラとジョエルの絆を感じさせるエピソードだった。「人肉しか食べられない妻シーラのため、吐き気と闘い(ときに負け)ながらも、素敵なディナーを用意した夫ジョエル」という内容。その材料は、もちろん人間だ。果たして感動的なのか、それとも笑えるのか、「うわぁ」となってしまうのか、そこはぜひとも配信後の本作をご覧になり、各々で判断していただきたい。

撮影に先んじて行われたインタビュー(別途公開中!)において、ドリューはゆるっとしたカーディガンをはじめ、リラックスした出で立ち、しかもすっぴん姿だった。いざカメラの前に立っても、本作での役どころは、人肉が主食という点を除いてはあくまで平凡な既婚女性であるため、衣装にもメイクにも女優然とした派手さはない。しかし撮影現場で再会したドリューは、明らかに数時間前とはオーラが違う。「役に入る」とはこういうことか。目の当たりにした女優ドリュー・バリモアの輝きは、とてもとても眩しかった。

一方、ティモシーの場合は、少々ピッタリ目のTシャツで、胸筋が強調されていたこともあって、インタビューではニヒルな微笑みがとてもセクシーな、いわゆる“ちょい悪オヤジ”といった印象だった。ところが撮影がはじまると、いい意味での“普通”の旦那さんに変化。ダダ漏れだった色気はどこへやら。「こんなにがんばったんだよ!」と人肉料理を紹介しながら、献身的に妻に尽くす夫ジョエルにすっかり変化してしまっている。これもまた、役者魂を見せつけられる経験だった。


撮影はセットの邸宅内ダイニングにて進む。いくら広めの家といえど、カメラやマイク、それを抱えるスタッフが入っては手狭になるし、そもそも邪魔をするなどもってのほか。そのため私たち記者陣は、セットの脇にてモニターにリアルタイムで届く映像を見させてもらった。距離感は舞台のそれだが、あくまでテレビ用作品であるため、声の大きさは普通の会話程度。まさに夫婦の会話を隠しカメラでのぞき見しているような心境だ。ちょっとした背徳感にドキドキ。

ところが招かれざる客が現れたことによって、雰囲気は一変――かと思いきや、何か違和感が。そう、“音”がないのだ。目の前で繰り広げられるアクションシーンは、迫力満点。しかし殴ろうが蹴ろうが壁ドンしようが、ほぼ無音。これでは緊迫感がいまいち伝わりきらない。きっとこのあと、しかるべき編集が加えられたのであろう。ひとつのシーンが完成するまで、さまざまな手がかかっていること。そして痛くないだろうに、痛そうな顔で場面の空気を作る出演者の表現力など、貴重な裏側を体験することができた。

短い場面を撮り終えれば、ヒートアップしたテンションもあっさり元通り。「ここはカメラを考えて、動きを変えよう」「立ち位置を調整して」なんて指示を出すスタッフや、共演者同士で談笑しながら、同じシーンの撮影がひたすら繰り返される。このループによって、ようやく1話のドラマが完成するのだ。インタビューにて、ドリューは「この夏は最高のものだった」と振り返っていた。約30分×13話=6時間半の撮影に、ひと夏。長いのか、短いのか。気だけが遠くなるような話を目の当たりにして、改めてエンターテイメントの奥深さを感じた。




【動画】グロいのに笑えるって新体験!? 「サンタクラリータ・ダイエット」予告編(日本語字幕付き)


ジョエルとシーラはLAの新興住宅地サンタクラリータで平穏な毎日を送るごく平凡な家族。とある日、妻シーラの身体にこれまでの暮らしを一変させる変化が起こり、夫婦の人生は死と破壊の道を突き進むことに... しかしそれは家族が結束を固めるきっかけに!?製作総指揮は『ゾンビランド』のルーベン・フライシャー、『子連れじゃダメかしら?』ドリュー・バリモアと『JUSTIFIED 俺の正義』ティモシー・オリファントの豪華共演で贈る、Netflixオリジナルコメディドラマ『サンタクラリータ・ダイエット』2月3日配信開始

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