決定的な証拠を引き出す“クローザー”
“クローザー”とは事件を解決に導く決定的な証言を引き出すことができる者のことをいう。ドラマ「クローザー」は、ロサンゼルス市警(LAPD)の敏腕女刑事ブレンダ・ジョンソンの痛快なクローザーぶりを描いた刑事ドラマ・シリーズである。
アメリカ南部の都市アトランタからLAPDに赴任してきたブレンダ・ジョンソンは、アトランタやCIAで輝かしい実績を築き上げてきたキャリア刑事。その一方で、プライベートでは恋愛や人間関係に不器用だったり、甘いものが大好きな“スイーツ中毒者”だったりと、決して完璧ではない等身大のシングル女性としての一面も持つ。LAPDでは新設された“殺人特捜班”のチーフの大役を任されるが、彼女のぶっきらぼうな言動やふるまいが災いし、赴任一日目から職場で総スカンをくらってしまうなど、いきなり前途多難なスタートとなる。
そんなブレンダだが、やはり事件の捜査となると積極果敢な行動力と鋭い洞察力で猛然と事件の真相に迫っていく。しかし、それだけでは残念ながら事件解決とはならない。近年、限りなく“クロ”と思われる容疑者が優秀な弁護士を使って無罪放免となる事件が増えていて、警察当局も手を焼いているのだった。
高度な弁論術で“クロ”を“シロ”に変えてしまう弁護士に対抗するには、動かぬ証拠となる、本人の自白を引き出すことが必要になる。ブレンダの役目はまさにそこにあった。
ただ、容疑者にとって不利にはたらく証言をそう簡単に引き出せるわけではない。無理に追い込もうとしても否認・黙秘を決め込んで法廷に逃げ込まれてしまっては攻めようがなくなるからだ。
一触即発の状況から自白を引き出す
しかし、ブレンダは容疑者にノーと言わせない確かなロジックを巧妙に積み上げつつ、容疑者の心にじわじわとゆさぶりをかけていく。まさに手に汗握る緊迫したプロセス。容疑者の感情はどんどん高まっていき、発狂寸前まで追い込まれていく。
ブレンダは一体何を考えているのか?
これ以上、尋問を続けることはできないのではないか?
一瞬先が読めないギリギリの攻防。ブレンダと容疑者は互いを罵倒しあい、ついにはつかみ合いのけんかになろうかという一触即発の状況にまで上り詰める。そしてその瞬間、「自分がやった」という容疑者の証言が飛び出す。すべてはブレンダの計算なのだ。
早くも全米の批評家が絶賛
この決定的な自白にいたるまでの緊迫したプロセスこそが「クローザー」の見どころであり、これまでの刑事ドラマにはなかったオリジナルな要素であろう。その見事なストーリーの組み立てと、エキセントリックだが凄腕のクローザー、ブレンダを演じるキーラ・セジウィックのリアリティあふれる迫力の演技は秀逸である。
全米で『クローザー』が放送スタートしたのが2005年だが、さっそく2006年のエミー賞、2006年のゴールデン・グローブ賞に主演のキーラ・セジウィックが主演女優賞にノミネートされ、2007年のゴールデン・グローブ賞では見事に受賞を果たしたのも十分にうなずける。早くもロングラン・ヒットの予感をさせる必見のドラマ・シリーズだ。


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