NEWS

「Black Lives Matter(黒人の命は重要)」ムーブメントはどのように始まったのか 関わった3人の女性たちとは

「Black Lives Matter(黒人の命は重要)」ムーブメントを最初に発足した3人の女性たち NEWS
「Black Lives Matter(黒人の命は重要)」ムーブメントを最初に発足した3人の女性たち

全米のみならず、全世界で掲げられているスローガン「Black Lives Matter(黒人の命は重要)」。ハッシュタグがきっかけで広まったこのムーブメントだが、一体どのように発生したのか。そのきっかけはわずか3人の女性たちだった。

きっかけは2012年、17歳の黒人少年トレイボン・マーティンがフロリダ州サンフォードで近隣に住む白人男性のジョージ・ジマーマンに射殺されたことだった。ジョージ・ジマーマンは事件の翌年、第2級殺人と過失致死という判決を受けている。

この判決に怒りを覚えたのが、3人の女性の内の1人アリシア・ガルサだ。当時、カリフォルニア州オークランドで家事労働者擁護団体のプロジェクトリーダーを務めていた。

2015年、The Guardian誌の取材に応えた彼女は、当時夫と過ごしていたバーで判決を知り、悲しみに打ちひしがれたという。「自分たちの弱さと、白人が持つ特権のようなものを実感したわ。この国ではアフリカ系アメリカ人は安全に暮らせないって思った」と明かしている。そして自宅に戻った彼女は、自身のFacebookを更新。「黒人の命って、こんなに軽く扱われるものなのね。ただただ、驚いているわ。黒人の皆さん、愛してる。私たちの命も重要よ」と訴えた。

これに反応したのが友人であり、教師でありながら刑務所の改善に向けた活動を行っていたパトリス・キュラーズだった。彼女はアリシア・ガルサの投稿を引用し、「#blacklivesmatter(黒人の命は重要)」とつけて再投稿した。2人はその後、いかにして社会を変えていくか議論したそうだが、この国が抱える問題はあまりにも根深く、解決策を見いだせずにいた。

この「#blacklivesmatter」にいち早く気づき、ガルサに連絡を取ったのが黒人移民の為の非営利団体でエグゼクティブ・プロデューサーを務めていたオパール・トメティだ。彼女は2016年、Glamour誌の取材に答えた彼女は当時について、「社会を変えるための一歩として、急いで行動に移さないといけないって感じたの」と語っている。

なおこの3人の女性はこの年、同誌の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。ガルサ達と共に活動を始めたオパール・トメティはさっそくウェブサイトを立ち上げ、SNSのアカウントも作り、「 #blacklivesmatter」のハッシュタグとともに自分たちの意見を広めはじめた。

そして2014年8月、ミズーリ州ファーガソンにて黒人青年のマイケル・ブラウンが白人警察官に射殺されるという事件が起こる。丸腰の青年を射殺するという警察官の行為に対し、現地では翌日から大規模なデモが行われた。その時すでに、「 #blacklivesmatter」は3人の手を離れ、多くの人々の手によって広められていたのだ。その後はバラク・オバマ前大統領や歌手のビヨンセ、多くのアスリート達がこのスローガンを訴え始めた。

先月25日にミネソタ州ミネアポリスで起きたジョージ・フロイド殺害事件以降も、全世界でデモが行われている。これについてトメティは、「本当に感激しています。何千人もの人々が、デモに参加することを決断し、社会を変えるために立ち上がった。とてもありがたいことよ。勇気溢れる行動だわ。この国は、こういう人々を長年求めていたのよ」と語っている。

tvgrooveをフォロー!