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ハリウッドを拠点に活動するテレビ評論家。Television Critics Association (TCA)会員として年2回開催される新番組内覧会に参加する唯一の日本人。Academy of Television Arts & Sciences (ATAS)会員でもある。アメリカ在住20余年。

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祝チャンドラー&メンデルゾーン!「Bloodline/ブラッドライン」の魅力

※「Bloodline/ブラッドライン」シーズン1、2についてのネタバレがあります。


日本でも、昨秋から配信されている「ブラッドライン」は、米国では2015年3月20日、鳴物入りでデビューしたネットフリックス社のオリジナルドラマです。どんな’鳴物’だったかは、3月25日の「国民的英雄コーチ・テイラーのTV復帰作」で説明しました。番宣の甲斐あって、シリーズ初年度に、主役ジョン・レイバーンを演じたカイル・チャンドラーとダニー役のベン・メンデルゾーンが、エミー賞ドラマ部門の主演、助演俳優カテゴリーに夫々ノミネートされ、実力が認められました。チャンドラーのTV復帰作として、大成功を収めたのは喜ばしいことです。但し、最優秀ドラマ候補には挙がらなかったのは腑に落ちませんが、エミー賞候補の選出は不可解の一言に尽きますから、サラッと流すことにしました。

チャンドラー自身の言葉を借りると、本作は「そろそろイメチェンが必要かな?」と思っていた矢先に転がり込んだ’汚れ役’で、精神的にも肉体的にも、「これまで体験したことのない挑戦だった」と、昨年5月に開催されたエミー賞根回しイベントで苦労のほどを語りました。俳優には投票できないながら「絶対エミー賞につながる出来映えですよ!」と絶賛しましたが、励ましの言葉が嘘にならなくて良かったと、ほっと安堵しました。俳優グループの皆々様、ご投票ありがとうございました。


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チャンドラー(左)とグレン・ケスラー。今年5月にNYで開催されたシーズン2プレミアの特別試写会。(c) Steve Cohn/Netflix

シーズン1は、第一話からレイバーン家の’面汚し’ダニーへの怒りと、ジョンが家族(特に両親)から押し付けられた’救世主’役への恨み辛みが徐々に高まり、第十話で募り募った怨極まって、ダニーに手をかける展開でした。レイバーン一族が「木っ端微塵」になる過程をスローモーションで描き、同時に火種がどこなのかが明らかにされました。

衝撃的な第十話を絶賛する評論家は、「シーズン2は1を上回ることは到底できない」と其処此処で宣言していますが、トッド・A・ケスラー、グレン・ケスラー、ダニエル・ゼルマン(クリエイタートリオ)の主旨に漸く突入するのが、シーズン2以降ではないでしょうか?シーズン1は、飽くまでもレイバーン一族が織り成す愛憎模様を症状として描き、家長ロバート(サム・シェパード)と諸悪の根源ダニーの死後、一家の力関係が如何なる変遷を遂げるかを、シーズン2以降で描こうとしている意図が読み取れます。クリエイタートリオは、家族の秘密、生まれ順に形成される性格、兄妹の力関係などを血縁のしがらみと定義しています。


これから佳境に入ろうとしているドラマに、「未来はない!?」な~んて、近視眼的観測ではありませんか?配信開始前に、執筆した番組評をご一読ください。

番組評

シーズン2は、兄を殺めたジョンと屍体の始末や証拠隠滅に手を貸した三男ケヴィン(ノーバート・レオ・バッツ)と末っ子メグ(リンダ・カーデリーニ)の関係が悪化の一途を辿ります。ダニーと言う名の’敵’を失い、一丸となって闘ってきた兄妹の絆が音を立てて崩れ始めます。ジョンほど切れないケヴィンとメグは、口占を合わせることさえできず、秘密がバレることを恐れて、現実逃避に走ります。共通の敵が消えた今、お座なりしてきた心痛の種(恥、嫉妬、後悔、自責の念等)に正面から立ち向かう’自分探しの旅’を余儀なくされてしまったからです。

ジョンは案の定、ダニーの亡霊に苛まれ、ダニーの息子だと名乗りを上げて我が家に乗り込んだちんぴらノーラン(オーウェン・ティーグ)の正体を探ります。ロバート亡き後、家長の座についたサリー(シシー・スペイセク)は、溺愛してきたダニーの死を調べるうちに、救世主に仕立て上げたジョンが隠し事をしていることに気付き、疑心暗鬼になります。19歳で産んだ長男ダニーが不慮の死をとげ、守り切れなかったという自責の念に駆られているからです。


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NYの弁護士事務所で働き始めたメグ(カーデリーニ・左)も、事あるごとにフロリダに呼び戻されて、ジョン(チャンドラー)の隠蔽工作の片棒を担がされる。メグはアルコールに、ケヴィン(バッツ)は薬物に依存して現実を逃避しようとするが....(c) Saeed Adyan/Netflix


四面楚歌のジョンは、保安官事務所や麻薬取締連邦捜査官の目を盗んでは、証拠隠滅やもみ消しに余念がありません。パートナーのマルコ(エンリケ・ムルシアーノ)は、聞き込みを続ける内、ケヴィンに接近し、ジョンの神経を逆撫でします。ダニー殺害の罪を着せた筈の地元の麻薬元締めラウリーには恐喝されて違法行為を強いられ、ジョンはどんどん深みにはまって行きます。嘘を嘘で上塗りしているので、休まることがありません。こんな緊迫状態をいつまで続けられるのでしょう?

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ダニー殺害の真犯人割り出しに躍起になるマルコ(ムルシアーノ・左)と、捜査を撹乱しようとするジョン(チャンドラー)は、常に正面から衝突。バレるのは時間の問題だ。 (c) Saeed Adyan/Netflix


チャンドラーの’品行方正、実直なイメージ’を逆手にとり、これでもか!これでもか!とクリエイタートリオが突き付ける挑戦を受けて立った私は、独りできりきり舞いしているジョンに救いの手を差し伸べたくなります。ジョンがとった信じ難い行動は、正に「窮鼠猫を噛む」そのもので、失うものが山とあるジョンが、諸悪の根源を葬り去ったのは当然のこと!と、自分なりに弁護しています。逆に、極限まで追い詰めて、偽善者ジョンの真の姿を暴いてやろうと言うダニーの復讐だったのではないか?と勘ぐりながら、シーズン2を観ました。


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保安官事務所で、捜査を検討する(左から)チャンドラー、デヴィッド・ザヤス、ムルシアーノ、その他。 (c) Saeed Adyan/Netflix


ネットフリックスは、’一気観’が売りなので、ストリーミング開始日直前に番宣活動をするのみで、開始以降はうんでもすんでもありません。何シーズンも更新されている作品には、広報の予算が出ないの?と聞きたくなるほど、お粗末です。大手媒体のみにインタビューを許可し、毎年NYで継続作品のプレミアを大々的に行うことでお茶を濁します。インタビュー動画や記事を片っ端からチェックしたところ、チャンドラーは「この役で死ねたら本望!」的発言を其処此処でしています。相談相手もおらず、周囲を全て敵に回して、自爆寸前の時限爆弾になってしまった緊迫感を何シーズンも続ける訳には行かないので、シーズン2がジョンの正念場ではないかと懸念しています。

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チャンドラーの演技が業界で今年も認められ、シーズン3も更新されたが、パラノイアと張り詰めた緊迫感は、いつまで続けられるのか?クリエイタートリオは、「5~6シーズンは続けたい」と発表している。 (c) Saeed Adyan/Netflix


今朝、2016年のエミー賞候補作や俳優が発表され、最初に名前が読み上げられたのが、チャンドラーでした。昨年同様、メンデルゾーンも助演男優賞候補に上がり、今日は一日ルンルンと過ごしました。俳優グループの皆々様、今年もありがとうございます。

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