「アフェア~情事の行方~」シーズン3開始 [ネタバレ] - ハリウッドなう by Meg
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ハリウッドを拠点に活動するテレビ評論家。Television Critics Association (TCA)会員として年2回開催される新番組内覧会に参加する唯一の日本人。Academy of Television Arts & Sciences (ATAS)会員でもある。アメリカ在住20余年。

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「アフェア~情事の行方~」シーズン3開始 [ネタバレ]

※「アフェア 〜情事の行方〜」シーズン1~3についてのネタバレがあります。


私の人間ドラマへの固執は今に始まったことではありません。幼い頃から、好奇心が強く、同年代の子供と遊ぶより、大人の会話を黙って観察するのが大好きな子でした。情報を収集して心理分析するのが好きだから、モノ書きになったのか、モノ書きの素質があった故、観察分析力が養われたのかは、卵が先がニワトリが先か問答になってしまいますが、結果的には観察分析力を十二分に活かして、私好みのドラマを観て頂く説得力のある番組評を書けるようになり、仕事が楽しくて楽しくて仕方がない幸せな「第二の人生」を満喫しています。


文句を言うとしたら、最近何度観ても飽きない、唸るほどの人間ドラマが影を潜めてしまったことです。「グッドワイフ」が完となり、今年のエミー賞関連の報道でも、授賞式でも、ほとんど言及されず、あれ程の秀作に何と冷たい仕打ち!と悲しい思いをしました。最終話を書き下ろしたキング夫妻が、最優秀脚本賞候補に挙がっていたので、これだけでも受賞して欲しい!と思う私の悲願も達成できず、何とも後味の悪いエミー賞でした。唯一の救いは、9月20日にご紹介した新番組「This is Us」が期待を裏切らない、新鮮なドラマとして君臨していることです。何がどう影響してキャラが今に至ったのか、私がいつも欲している’何故?’が巧みに描かれていて、どのキャラにも親近感を感じる故、痛みを我が事のように感じます。視聴率を維持していることは、更に嬉しい事実です。


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左からコール役のジョシュア・ジャクソン、アリソン役ルース・ウィルソン、ヘレン役モーラ・ティアニー、長女ウィットニー役のジュリア・ゴルダーニ・テレス。シーズン2のエミー賞根回しイベントは、NYで開催された。 Courtesy of Showtime

そして、待ちわびていた「アフェア~情事の行方~」シーズン3が始まったことも、吉報です。昨年11月23日の「『アフェア』シーズン2進行中。益々、面白くて目が離せない!」と同じく、日本での放送が予定されていると思うので、今回もネタバレは極力避け、新シーズンの方向を大雑把にお知らせします。これまで番宣用の小冊子とDVDが送られてきて、クリエイター自身の新シーズンの方向説明がありましたが、最近継続番組の評論を書きたくても、資料どころか、数話を視聴することもままならぬお粗末な現況です。何度も懇願して、やっと3話を観ることができたので、英文評を書くことができた次第です。

英文評

シーズン1は、不倫の当事者ノア(ドミニク・ウェスト)とアリソン(ルース・ウィルソン)の視点から描かれ、男と女では物の見方、感じ方がこれ程違うのか!と仰天する巧妙な描き方でした。現実逃避だったシーズン1とは打って変わり、シーズン2は不倫の犠牲者ヘレン(モーラ・ティアニー)とコール(ジョシュア・ジャクソン)の視点が加わり、ノアとアリソンが築こうとする新たな世界が遭遇する数々の障壁を、シーズン1よりは遥かに早いペースで描きました。置き去りにした家族や日々の生活に追われ、波打ち際に築いたノアとアリソンの砂の城は音を立てて崩れました。不倫から出発すると、お互いへの信頼は脆いもので、些細なことから疑心暗鬼を生ずることが実証されました。更に、「アフェア」は二組の夫婦を切っても切れない腐れ縁にするために、モントークで発生した刑事事件を織り込んでいます。


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エミー賞の根回しイベントの招待状として送られてきたシーズン2の番宣ポスター。 Courtesy of Showtime


シーズン2は、衝撃的なノアの告白で最終回を迎えました。そして、シーズン3は、ノアが拘禁されてから3年が経過し、不倫の波紋は表面的には収まったかのように見えますが、未だ未だ深く潜行して行きます。作家志望の大学生相手に教鞭を執るノアは、キャンパスで巡り合ったフランス人客員教授ジュリエット(イレーヌ・ジャコブ)に誘惑されます。今シーズンは、厳しい現実に耐え切れず逃避留学中のジュリエットが新たに加わって、5人の視点から描かれ、サスペンススリラー要素は、ノアを苛む謎のストーカーに替わります。


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「シーズン3は、各キャラの翳りの部分を更に掘り下げる」とトリームが発表。クリエイターの意図を映像化した番宣ポスターだが、5人目ジュリエットの視点が入っていないのが残念。 Courtesy of Showtime


クリエイターのサラ・トリームの意図は、シーズン1では男女の視点に加えて、生い立ち、階級、教養などのフィルターを通して不倫を描くことでした。「不倫の常習犯ではなく、善人が二人、落ち込んでいる時に巡り会い、赤い糸で結ばれているかのような錯覚に陥った。偶然が偶然を呼ぶ成り行き」と、ノアとアリソンを責め咎めることなく描写しました。


シーズン2は、置き去りにされたヘレンとコールの視点が加えられ、ファンタジーの世界が現実に豹変しました。’去られた’側の私的体験があるだけに、ヘレンとコールに感情移入するのはいとも簡単、心痛をじんじんと感じました。アリソンをミューズに祭たてていたノアは、暗い過去を引きずっている生身の人間である事実には目を背け、自作「Descent」に登場する魅惑的なキャラから少しでもズレようものなら、修正を加えようと試みます。アリソンの自己主張は、ノアにとっては大いに興醒めなのです。生身の女を自分なりの理想像に押し込めようとするのは、男の常套手段。不倫など考えたことのない私でさえ、ノアの勝手さに腹が立ち、アリソンを応援してしまいました。よくよく考えてみると、この秀作で同情や感情移入できないのは、ノア独りなのです。


しかし、ノアの正体見たり!のシーズン2第10話で、謎が解けました。セラピストに「浮気男は偉大な男であり得るか?のジレンマに陥っている」と、自ら告白しています。はー、マジですか?ジレンマというより、自惚れ屋の宣言に聞こえるのですが....不倫は一度で済む筈がありません。


ノアがアリソン(新妻)とヘレン(4人の子供の母親で元妻)を法から守るために、犯してもいない罪を認めてムショ入りしましたが、ジレンマ告白シーンでノアの心中が明らかになると、この奇特な行動を怪しむようになりました。どちらを突き出しても、娑婆で苦しむのは自分。村八分になって生きて行くより、いっそ全ての責任を逃れて離れ小島に隔離されている方がどんなに楽か....無意識かもしれませんが、現実逃避の手段だったのでは?と疑ってしまいます。それが証拠に、ノアは再出発に手を貸そうとする妹、よりを戻そうと必死になるヘレンを冷たく突き放します。


トリームは、「夫婦間の信頼は雲をつかむようなもの」と言います。お互いを信用していると夫婦が確信している時には存在しますが、いずれかが疑い始めた時点で、消え失せてしまうからです。信用できない人と、人生を一緒に歩いて行くことはできません。米国では、「男は恋人に変わらないで欲しいと願い、女は恋人に変わって欲しいと願って結婚する」と言われています。男は現実と結婚し、女は将来と結婚するという、男女の結婚観の違いでしょうか?言い得て妙です。観れば観るほど、心理分析したくなる「アフェア」は、今一番面白いドラマです。

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