「バック・トゥ・ライフ」ロッテン・トマト100%高評価獲得のブラックコメディドラマ、主演のデイジー・ハガードにインタビュー! まわりに恨まれるキャラと自身の共通点は・・?「大人のビギナー」を描く物語の誕生裏話も

「バック・トゥ・ライフ」シーズン2
「バック・トゥ・ライフ」シーズン2(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

アメリカの超有名映画評論サイト、ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)で100%の高評価を獲得したドラマ「バック・トゥ・ライフ」。

現在、動画配信サービス「WATCHA(ウォッチャ)」にて独占配信中の本作は、18年の刑期を終えた主人公・ミリ(デイジー・ハガード)が故郷で再生を目指す姿を描く、社会派ブラック・コメディドラマ。エミー賞ほか数々の賞を受賞した海外ドラマ「Fleabag フリーバッグ」の製作陣が集結し、これまで国際エミー賞 コメディアワードにノミネートされるなど注目を集めている。そんな同ドラマは、一体どのように誕生したのだろうか。

tvgrooveは、主演、そして脚本・製作総指揮としても関わったデイジー・ハガードにインタビューを決行。デイジー演じるミリというキャラクターについてや、脚本執筆時のことを伺ってきた。

「バック・トゥ・ライフ」

「バック・トゥ・ライフ」(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

Q:現実社会の厳しさなどを描いた暗いテーマですが、時にユーモアも感じさせられるとても魅力的なストーリーですね。まず、どのようにこの作品を執筆しようと思い立ったのでしょうか。脚本を作る上で心がけたことはありますか?

デイジー・ハガード(以下、省略):大きく分けて二つ理由があるわ。まず一つ目は、両親と暮らしてたこと。それがいろんなイライラにつながっていたのよ。二つ目は女性が何か間違いを犯したときに、男性に比べて悪いものとして扱われる傾向がこの社会にあると思う。そのことに、前から興味を惹かれていたの。

「30代の女性で、まだパートナーに出会っていなくて、親と同居で、仕事もなくて…。そういう状況でさらに誰かを手にかけてしまった過去があったとしたら、どうなっていくのだろう?」と思った。就職しても、誰かといい感じになったとしても、自分の過去が明かされ、それで人生が複雑なものになっていく。その物語の可能性に面白いと感じたわ。

「バック・トゥ・ライフ」

「バック・トゥ・ライフ」(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

個人的に、大人になる物語がすごく好きなの。面白いのは、主人公が子供じゃないところね。ある程度の年齢の女性ではあるけど、服役していた中で成長みたいなものが止まってしまったところもある。そんな彼女だからこそ、奇妙な部分をコメディとして描くことができているんだと思う。彼女はある意味「大人のビギナー」だから。あとは人に対して持つ先入観だったり、思い込みや見方みたいなものに、挑戦を突きつけたいという思いもあった。そうね・・大きな鍋にいろんなものを放り込んだ感じだったわ。

Q:デイジーさんは、主演の他に制作総指揮、脚本もされていますね。演じるときや脚本を執筆するときなど、ドラマを作る上で、デイジーさんが一番しあわせを感じた瞬間はいつでしょうか。

どの段階でも最高の瞬間と「うわ、大丈夫かな?」という瞬間が必ずある。(脚本を)書いているときに「ここ最高!」ってなる時もあれば、演技をしている時に、いい感じの流れになることもある。今回は役者以上のかたちで参加させてもらっているから、個人的には現場のムードを非常に大事にしていた。参加するみんなが気持ちよく仕事ができている瞬間、それが叶っているって思えた時が最高の瞬間かな。

「バック・トゥ・ライフ」

「バック・トゥ・ライフ」(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

編集の作業もすごく好き。その段階でいろんなことが一つにまとまって出来上がっていくわけで、フラストレーションが溜まることもある。いろんなことがうまくいかなくて悩むけど、ある時、突然すべてがうまくハマった時も最高の瞬間なの。

Q:デイジーさん演じるミリは、隣人に汚い言葉をかけられても、レンガをぶつけられても、ふと笑顔を見せながらその状況をなんとか切り抜くために、耐えている・・・そんなイメージがあります。その強さはどこから来ているものだと思いますか?

彼女は楽観主義で、そして希望を持っているところだと思うわ。彼女の心の中には、どこかポジティブなものがあって、それが彼女の最大のパワーなの。そこから強さが生まれて「どんな状況でも切り抜ける」「転んでも立ち上がる」という力につながっているんだと思う。

「バック・トゥ・ライフ」

「バック・トゥ・ライフ」(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

Q:デイジーさんは、ミリのどんな部分に共感できますか?自分自身に似ていると思う部分はありますか?

楽観主義なところね(笑)。脚本を書き始めた時、キャラクターに対していろんなアプローチを試みたの。主人公はこのドラマの核の部分ではあるけど、他のキャラクターも魅力的。書き手としては、ついそっちも書き込んでしまうんだけど「あ、ダメダメ!ミリもちゃんと成立させなきゃ」って考えた。

最初、ミリがいろんなことに対して落ち込み過ぎてしまって、うまくいかなかったこともあった。ちょうどその時、脚本家と「私たちが持っている資質ってなんだろう?」って考えた時に、私たちの「何があってもハッピー・ゴー・ラッキー(なんとかなるさ精神)」という、楽観主義的なところを取り入れることになった。そして、それがシリーズのエンジンにもなっているってことにも気づいたの。私ももちろん時々泣いたりはするけれど、その後気を引き締めて頑張ろうって思う。私はそういうタイプだから。

「バック・トゥ・ライフ」

「バック・トゥ・ライフ」(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

※ここからはシーズン1のネタバレが含まれます。

 

 

Q:シーズン1ではトイレのシーンでマンディの告白に怒りをぶつけるシーンがあり、とても印象的でした。親友だった人に裏切られたと知った時、ミリは一体どんな心境だったと思いますか?これほどまでの裏切りを実際に体験した場合、デイジーさん自身はその関係の修復は可能だと思いますか?

ミリの気持ちとしては、服役なんてしなくてよかったという気持ちがあった。誤解からクレイジーな状況になって、自分の人生を大きく狂わされたと当然彼女は思っている。でもこのシリーズは、私たちにとって「許し」についてのものなの。もちろん現実的に許せないことをする人もいるわけだけど、根本的には人が人を許すことについての作品だと思っているわ。

「バック・トゥ・ライフ」シーズン2

「バック・トゥ・ライフ」シーズン2(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

シーズン1の最後のマンディって“史上最も最悪の友人”なのよ。でもそれと同時に、彼女は年上の男性による行為の被害者でもある。それをミリが考えた時に、許すことができるんじゃないかな。私自身も、一歩引いて全体像を見たときに相手を許せる人でありたいなと思う。ちょっとした誤解がきっかけで、誰かを自分が手にかけてしまったというのは、許すのにはすごくツラい大きな壁だと思う。ミリというキャラクターにはこの大きな壁を与えてしまったし、しかもシーズン2ではマンディは色々とやらかして、許すのが難しくなってしまう。だからミリが“許す”というのはなかなか大変だったと思うわ。

「バック・トゥ・ライフ」

「バック・トゥ・ライフ」シーズン2(c)Two Brothers Pictures for BBC Three, UK in association with Showtime and All3Media International.

(インタビュー終わり)


プロフィール

デイジー・ハガード(1978年3月22日生まれ/イギリス出身)
1996年にドラマ「ルースレンデルミステリー」でデビュー。ロンドン音楽演劇芸術アカデミーを2000年に卒業。「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」に声優として出演。以降、イギリスの映画やドラマを中心に活動している。主な出演作品に「ブラック・ミラー」「ブリーダーズ 最愛で憎い宝物」など。

『バック・トゥ・ライフ』視聴ページ:https://watcha.onelink.me/MjBm/6c5733ce

 

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