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大スター セレーナ・ゴメスの悲しくも生々しい姿を描いた「セレーナ・ゴメス:My Mind and Me」がいよいよ明日公開! 「私のもっともダークな秘密を教えてあげる」 笑顔の裏に隠された葛藤の日々に思わず涙[レビュー記事]

セレーナ・ゴメス Photo: Apple TV+ MUSIC/ARTISTS
セレーナ・ゴメス Photo: Apple TV+

人気歌手で女優、プロデューサーとして活躍するセレーナ・ゴメスの6年間の軌跡を追った作品「セレーナ・ゴメス:My Mind and Me」が、動画ストリーミング・サービスの「Apple TV+」にていよいよ11月4日(金)から配信開始となる。

幼少期からショービジネス界に入り、ディズニー・チャンネル作品「ウェイバリー通りのウィザードたち」で一躍スターとなったセレーナ。シンガーとしてもチャート1位を記録する活躍を見せ、現在では自身のコスメブランドを立ち上げ実業家としても活躍している。

そんなセレーナは、私生活でも大きな注目を集めることとなる。人気歌手ジャスティン・ビーバーと破局と復縁を繰り返す恋愛面でゴシップ誌を賑わせた過去。さらに、自己免疫疾患で難病のループスとの闘い。腎臓移植手術、メンタルヘルスの問題、双極性障害など、スターとしての華やかな世界の裏で、数々の苦しい壁にぶち当たる。

「Apple TV+」にていよいよ配信される「セレーナ・ゴメス:My Mind and Me」では、「リバイバル・ツアー」から、アルバム「レア」リリース、故郷の人々とのふれあい、パンデミック、そして現在までのセレーナの生々しくもリアルな姿の6年間を追った作品となっている。

※以下、同作のネタバレが含まれます。

【動画】セレーナ・ゴメス:My Mind and Me — 公式予告編 | Apple TV+

「私のもっともダークな秘密を教えてあげる」

冒頭では、2019年のパリでのプレスツアーの姿のセレーナの姿が映し出される。そのセレーナは目に見えて疲れ果て、友人のラケルが「気分はどう?」と聞くと、セレーナは「かなり疲れてる」と言って黙り込む。そして、この映像に声を被せる形でセレーナが自身の日記の一部を読み上げる「約束する。私のもっともダークな秘密を教えてあげる」と言い、このドキュメンタリーが幕を開ける。

「リバイバル・ツアー」からメンタルヘルスが徐々に悪化

2016年に、アルバム「リバイバル」を引っ提げたツアー「リバイバル・ツアー」を開催したセレーナ。2015年末のツアーの衣装合わせでは、自分の子供じみた体に満足がいかない様子を見せる。美しく完璧に見えるセレーナでも、子供っぽく見えることへのコンプレックスは長年なくならないようだ。

Photo: Apple TV+

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また、リハーサル後は「最初から全部サイアクだ」とリハでのパフォーマンス、ヴィジュアルに納得がいかず号泣。プレッシャーに押し潰されそうな様子が画面からも伝わってくるが、ツアー初日を迎えると、ファンたちの前では堂々としたパフォーマンスを披露する。ファンへの愛が溢れるセレーナは、ヒット曲「Who Says」で観客が大合唱すると、感激で涙を見せる部分も。

そんなセレーナであったが、55公演をおこなったあと、精神面の危機を感じ残りの公演をキャンセル。メディアはセレーナの不安症、うつ病、パニック障害を疑い、またドラッグのうわさなどあることないことをウワサするように。

これまで以上にセレーナの精神的問題をより深く描く

これまでメンタルヘルスの問題を公言してきたセレーナだが、この作品ではその葛藤をより深く、具体的に描いている。

セレーナの母マンディは、セレーナの精神状態のブレイクダウンをゴシップメディアのTMZを通じて知り、「抜け出すことができても、またこの闇に堕ちてしまうのではないか」と娘を心配し涙する。セレーナの元マネージャーのテレサも、セレーナのメンタルを心配し、また恐怖を感じてツアーをやめるべきだと判断する。

ツアー後、生きる気力さえ失うレベルになってしまったセレーナ。自分の体を否定し、自殺願望についても語り、また虚栄心にも怒り、双極性障害の影響で、家族や親しい友人にもキツく当たり、あとで後悔するということも赤裸々に涙を流しながら語る。

Photo: Apple TV+

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故郷テキサスに帰り心の平穏を取り戻す

セレーナの母親は、まだ学生の時にセレーナを産み、両親はセレーナが5歳の時に離別。その後は母方の祖父母と共に過ごすように。母親の次に世界で一番近い存在はいとこであるという。

このドキュメンタリーでは、セレーナが心の平穏を取り戻すため、自身が小さい時から関わっている人たちと再会するため、故郷のテキサスに里帰りする。

いとことファストフードのドライブスルーへいき、一緒にご飯を食べたり、港のような場所に車を止めて地べたに座って話したりと、めったに見ることができない素顔のセレーナを垣間見ることができる。

さらにセレーナは母校を訪問。母校での思い出を振り返りながら、「やりたいことをやり通す大切さ」を生徒たちに教える。また小さい頃に住んでいた家に行ったり、同級生にも会ったりと原点に戻る姿もとても貴重だ。

双極性障害を世間に公表 「悲しいと言える準備ができた」

セレーナは、2020年、歌手マイリー・サイラスのインスタグラムライブに出演した際、そこで初めて「双極性障害(そうきょくせい障害/活動的な躁(そう)状態と、気分が落ち込むうつ状態が反復してあらわれる精神病)」と診断されたことを世間に公表した。

診断されたことについてセレーナは「初めてそう言われたとき、その診断を自分の中でどう処理したらいいのかわからなかったの」と素直な思いを語り、「もしまた同じことが起こったら。次に症状が出たときに、元の自分に戻れなかったらどうしようって。それから、病気について学び続ける日々だった。一日一日を大切に乗り越えていったのよ」と明かしている。

辛い日々を乗り越えたセレーナは、「悲しいと言える準備ができた」として、過去の恋愛について歌った楽曲「Lose You To Love Me」をリリース。これについてセレーナは「自分は完全にダメになってしまったけど、再び自分自身を発見することができた」と語っている。

【動画】Selena Gomez – Lose You To Love Me (Official Music Video)

ドキュメンタリーの中では、過去のメディアの報道を映し、何度も交際相手ジャスティン・ビーバーの名前が出てくる。ジャスティンについて聞かれ続ける日々、人々がセレーナとジャスティンに固執し続けるのは本人にとって相当参ってしまうことだったようだが、ついに乗り越えることができた様子が伝わってくる。

「究極の夢」は人を救うこと

人々を救いたい気持ちが根本にあるセレーナは「究極の夢は?」という問いに、人々の人生を救うことだと答え、自身の音楽、自分自身、乗り越えたことから人々を助けていきたいと明かす。

そんなセレーナがケニアに行き、「WE Charity」が支援する学校「WE College」を訪問し、現地の子どもたちと話をする。

Photo: Apple TV+

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「WE college」をサポートしたいと思っていたセレーナだが、「WE Charity」がカナダでの事業を閉鎖するというニュースが飛び込んでくる。数百万ドル(数億円)の学生ボランティアプログラムを運営させるという、自由党政府の計画による政治的影響により、財政破綻に陥ったのだ。

「WE Charity」の崩壊で大きなショックを受けたセレーナだが、ここでセレーナは自身が立ち上げた基金「Rare Impact Fund」を一人でやっていこうと決意する。

作品ではセレーナが「自分はいつも十分でないと感じて育ってきた」と涙するシーンが印象的だが、ここでセレーナは「私は十分な人間なのかもしれない」と思えるようになるのだ。必ずしも誰かと一緒にやる必要はなく、勇気を出して世界のために立ち上がることを決意する。

Photo: Apple TV+

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2020年、セレーナは基金「Rare Impact Fund」を設立し、若者に無料でメンタルヘルスのリソースを提供するために1億円を集める。同年5月、セレーナと「Rare Impact Fund」は、ホワイトハウスと連携し、メンタルヘルスに関する初のユース・アクション・フォーラムを開催。セレーナは大統領と会談し、国内の学校向けにメンタルヘルスに関するカリキュラムを作成することを話し合った。

世界の大スターであるセレーナでも多くの苦しみと葛藤があり、そして最後にありのままでいいという大切なメッセージを送っている。

私は平和。

私は怒ってる。

私は悲しい。

私は自信がある。

私は疑問だらけ。

私は成長の途中。

私は満たされてる。

私はセレーナ。

公開情報

セレーナ・ゴメス

セレーナ・ゴメス:My Mind & Me」

Apple TV+にて11月4日(金)配信

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