ダニエル・ラドクリフが、HBOオリジナルのドキュメンタリー映画『David Holmes: The Boy Who Lived(原題)』に製作総指揮として参加。さらに映画の中ではラドクリフのインタビューも多く取り上げられている。
デヴィッド・ホームズとは誰か。
彼はダニエル・ラドクリフのスタント・ダブルとして『ハリー・ポッター』映画1作目『賢者の石』から、最終章前半戦となる『死の秘宝 PART1』まで参加したスタントマンなのだが、不幸なことに彼は『死の秘宝 PART1』撮影中にセットでの事故で首を骨折。胸から下の身体が麻痺する事態になったのだ。
【動画】デヴィッド・ホームズのインタビュー映像(英語)
HBOの公式文書によれば「10年間、切っても切れない絆を築いたふたり(ダニエル・ラドクリフとデヴィッド・ホームズ)だが、撮影中のセットでの悲劇的な事故によってデヴィッドは脊髄損傷により麻痺。彼の人生はひっくり返ってしまった。しかし、デヴィッドとその家族を支えてきたダニエルやスタントの仲間たちにとって、デヴィッドの類まれなる強靭な魂はパワーとインスピレーションの源となった」と、デヴィッド・ホームズと親しいラドクリフや仲間たちにとって彼は今も重要な友人でありインスピレーションを与える存在であることが説明されている。
ラドクリフは、コロナ禍にホームズと共に立ち上げたポッドキャスト「Cunning Stunts」において、スタントの仕事について語ったことがある。
「スタントマンの彼らは、何か特別で超人的な存在なのではないかという、ある意味神話のような見られ方をしていると思う」と、ラドクリフは一般人がスタントマンを超人だと思っていると語る。
続けてラドクリフは「一般の人々は本当に痛そうなもの、怖いものを見ると、それは視覚効果か、何か賢い安全な方法で行われたものだと考えるでしょう。でもそうでない場合も多いんだ。偽りの映像を撮ることが難しい場合がある。例えば階段を転げ落ちるシーンとかね。もし車にひかれるシーンなら、本当にひかれてるんだよ。普通よりゆっくりだとしても、彼らがなるべく安全な方法を実践しているとしても、痛いものは痛い」と、想像以上にスタントマンが危険で痛い思いをしていることを説明していた。
「ホームズのスタントワークの舞台裏映像、現在の彼の生活シーン、関係者や友人のインタビューなど」によって構成される、ダニエル・ラドクリフと支え合ってきたスタントマンのドキュメンタリー映画『David Holmes: The Boy Who Lived(原題)』は11月18日から英語圏で配信開始。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。