米国映画界の巨匠ロブ・ライナー(78)と妻ミシェル・シンガー・ライナー(68)が、ロサンゼルス・ブレントウッドの自宅で刺殺され死亡した。
ニューヨーク・ポストほか複数の報道社によると、事件は12月14日(日)午後に発覚し、夫妻の娘ロミーが遺体を発見した。警察は夫妻の長男で脚本家のニック・ライナー(32)を重要参考人として捜査している。
ロサンゼルス消防局が午後3時40分頃に現場へ急行し、男女2名の遺体を確認した。ロサンゼルス市警(LAPD)は強盗殺人課を投入し捜査を開始。現場周辺は封鎖され、捜査員が出入りする様子が目撃された。凶器は刃物とされている。
事件直後、ライナーの友人であるコメディアンのビリー・クリスタルやラリー・デヴィッドが現場を訪れ、衝撃を受けた様子が報じられている。
ライナー夫妻は1989年に結婚し、ジェイク、ニック、ロミーの3人の子どもをもうけた。ニックは過去に薬物依存やホームレス生活を経験したことを公表しており、今回の事件で重要参考人とされている。
ロサンゼルス市のカレン・バス市長は「ライナー氏の功績はアメリカ文化に深く刻まれており、社会正義のために尽力した」と声明を発表。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事も「ライナー氏は子どもや市民権のために闘い、州をより良くした」と追悼した。
ロブ・ライナーは1970年代にテレビ番組『All in the Family』で俳優として人気を博し、エミー賞を受賞。その後映画監督として『スタンド・バイ・ミー』『プリンセス・ブライド』『ミザリー』『恋人たちの予感』『ア・フュー・グッドメン』『スパイナル・タップ』など数々の名作を手掛けた。父はコメディアンのカール・ライナー(2020年没)であり、映画界を代表する一家として知られている。


