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アメリカ、オリンピック参加選手たちの国歌斉唱中の“こぶし突き上げ”許可へ 「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」が与えた影響とは

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オリンピック委員会は2021年夏のオリンピックに向けて、これまでの規定を大きくくつがえす決定をした。

長年にわたり、オリンピック委員会はアスリート達が自身の競技において、何らかの形で社会正義に関する意見を発信することを規制してきた。しかし今年からその規制がなくなり、アスリートたちが自身の意見を述べることが許可されるようになったのだ。

国際オリンピック委員会(IOC)は、試合の中で許される行動についてのガイドラインを示し、今週書面にて発表した。

このガイドラインでは、スタートラインや壇上にて国歌を斉唱する際にこぶしを掲げることが許可されるようになっている。なお1968年にメキシコシティで行われたオリンピックでは、陸上競技の金メダルを獲得したトミー・スミスと銅メダルを獲得したジョン・カーロスが、表彰台にて黒い手袋をはめたこぶしを高く突き上げ黒人差別に抗議する行動をとったことが世界中で大きな議論を呼び、「五輪史上最も有名な政治的パフォーマンス」として多くの人々の記憶に残った。この抗議活動の後2人はIOCの処分を受け、アメリカ代表を除名、追放されている。

また今回のオリンピックでは参加選手が「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」や「Trans Lives Matter(トランスジェンダーの命も大切)」「equality(平等)」「respect(尊敬)」といったフレーズがしるされた帽子やマスクを着用することも許可された。さらに「黒人や先住民、有色人種の人々や歴史的に抑圧され疎外された人々、少数民族の人々を支持するような発言をすること」も容認される。

ヘイトスピーチは一切許可されないほか、社会正義の範囲を超える行動とみなされた場合には処分されることとなる。

2021年に行われる東京オリンピックは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により昨年から延期されており、今年7月23日にスタートする。

 

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