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原爆の父を描いた映画『オッペンハイマー』での性的描写にインド当局が激怒! 「ヒンドゥー教に対する攻撃だ」 問題視されているシーンとは・・?

『オッペンハイマー』 @oppenheimermovie / Instagram NEWS
『オッペンハイマー』 @oppenheimermovie / Instagram

クリストファー・ノーランが脚本と監督を手がけた話題作『オッペンハイマー』のセックスシーンにインド当局が怒りをあらわにしていると報じられている。

【動画】『オッペンハイマー』予告編(英語)

『オッペンハイマー』は、アメリカの理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマー(演:キリアン・マーフィー)について描いた作品。オッペンハイマーは、日本に甚大な被害をもたらした原子爆弾の開発に尽力したことから、“原爆の父”とも呼ばれている。

同作は本国アメリカで公開されるや、わずか3日間で8,050万ドル(約114億円)という驚異的な興行収入を記録。同日公開された『バービー』同様、好調なスタートを切っている。

そんな『オッペンハイマー』には、キリアン・マーフィー演じるオッペンハイマーとフローレンス・ピュー演じる愛人ジーン・タトロックがセックスに興じるシーンがあるのだが、このシーンに不満を表明しているのがインド当局だ。

教育などの活動に取り組んでいる「セーブ・カルチャー・セーブ・インディア(SCSI)」財団の創設者であるウダイ・マフルカル氏は、ツイッターに「映画の中で、女性が男性に『バガヴァッド・ギーター』を声に出して読ませながら、彼にまたがり性交をするシーンがある。彼女は片方の手で『バガヴァッド・ギーター』を持ち、もう片方の手で彼らの生殖器の位置を調節しているようだ」と投稿。ヒンドゥー教でもっとも尊敬されている聖典のひとつである「バガヴァッド・ギーター」がセックスシーンに用いられたことに怒りを示した。

マルフカル氏はさらに「(このシーンは)10億人いる寛容なヒンドゥー教徒の宗教的信念に対する直接的な攻撃」「反ヒンドゥー勢力による大きな陰謀の一部のようにも見える」と非難。同氏はこのシーンをヒンドゥー教・ヒンドゥー教徒への冒涜(ぼうとく)だと捉えているようだ。

米People誌によると、マルフカル氏が指摘したシーンにて、オッペンハイマーはタトロックとイチャつきながら「我は死神なり、世界の破壊者なり」と読み上げているという。このセリフは「バガヴァッド・ギーター」からの引用であり、この言葉は本物のオッペンハイマーが生前に発したことで知られている。

このシーンの削除を求めているのはマルフカル氏だけではない。米Variety誌によると、インドのアヌラグ・タークル情報放送大臣も同シーンの削除を要求しているほか、『オッペンハイマー』を観たインドの映画ファンからも抗議の声があがっているようだ。

これまで『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』、『ダンケルク』、『インターステラー』など数多くの名作を発表してきたノーラン監督だが、意外にもセックスシーンを劇中に含めるのは今回が初めてのことだという。

なお、主演を務めたマーフィーはこのセックスシーンについて、シドニー・モーニング・ヘラルド紙に対し「あのシーンは意図的に書かれたもの」「彼(ノーラン監督)は、あのシーンが映画の評価を上げることを知っていた」と説明している。

キリアン・マーフィー、フローレンス・ピュー
マシュー・ヒーリー
ロバート・ダウニー・Jr.と、『オッペンハイマー』
クリストファー・ノーラン監督
『バービー』マーゴット・ロビー
映画『オッペンハイマー(原題)』
フローレンス・ピュー
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