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レディー・ガガ、アカデミー賞も受賞した『アリー/スター誕生』の主題歌「シャロウ ~『アリー/ スター誕生』 愛のうた」の制作秘話を明かされる

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人気歌手/女優のレディー・ガガが主演を務めた映画『アリー/スター誕生』の、主題歌「シャロウ ~『アリー/ スター誕生』 愛のうた」は世界的大ヒットとなり数々の賞を受賞したが、この楽曲はいったいどのようにして作られたのか。同曲の制作秘話が明らかになった。E!Newsなどが伝えている。

自分のために曲を書くというのは、相当骨の折れる作業だろう。その上、聴き手が共感し反応できるような曲を何十曲もつくり、アルバムにまとめ発売するのは、アーティトにしかできない仕事である。そしてそんな困難な仕事をやり遂げられる人は、この地球上にそう多く存在しない。

たとえば、自分ではない架空の人物の視点から曲を書くことはできるのだろうか。きっと、限りなく不可能に近いだろう。しかし、それをやってのけたアーティストがいる。2018年、ブラッドリー・クーパー監督『アリー/スター誕生』で、サウンドトラックを担当したスタッフだ。

レディー・ガガとブラッドリー・クーパーは、タッグを組んでサウンドトラックを制作。収録された楽曲「シャロウ」はグラミー賞とアカデミー賞を受賞した。映画内でこの楽曲を披露するシーンは、急成長するアイドル歌手と彼女をそばで支え続ける恋人ジャクソン・メインの関係性を表す極めて象徴的なものだった。

さらに先日、このサウンドトラックの完全版がリリースされ、今年のグラミー賞「最優秀楽曲賞」を含む3部門にノミネートしている。

完全版を作るにあたり、クーパーはジャクソン・メインの意志を引き継いだロックサウンドを、ガガは主人公アリーが歌いそうなポップサウンドをそれぞれ担当することになった。そのためガガはまず、自身のヒットアルバム「ボーン・ディス・ウェイ」でコラボしたDJのホワイト・シャドウことポール・ブレアの力を借りることにした。

レディー・ガガとポール・ブレアの過去のツーショット↓

こうしてサウンドトラックが出来上がると、ポール・ブレアはE!Newsに対しこのように語った。「これまで一緒にやったどの仕事とも全く違う」と。

「何が一番違うかって、本来なら最初にゴールを設定するんだ。何かモノを作るときって、必ずそこに目標があるだろ?具体的な目標が。それって悪く言うと、作る過程でアレンジする余地がないんだよ。例えば誰かのために曲を書いている時。書いているその瞬間や、アルバム全体で何を伝えようとしているのかによって感情は変わってくるはずだ」「今回の場合、ぼく自身の感情を込めた曲ではなくて、むしろ歌い手であるアリーの物語に合わせて書いていたんだよ。アリーが成功していく様子に合う曲をね。そして、アリーが成功を掴んだ瞬間の感情に寄り添った曲を書き上げた時、ぼくは何だかホッとしたよ」と明かしている。

制作プロセスの中で、作曲者たちは何度も映画を見直したそうだ。都度変更される原稿や登場人物の感情に柔軟に対応するためである。「『やっちゃった!こういう曲をつくったけど、映画内のアリーの行動が変わってしまった!これじゃ全く意味がつながらなくなってしまう…』なんてこともあったよ。慌てて最初から歌詞を修正したよ」と、ブレアは語る。

「一生懸命作品を作っているときに、作り始めた時から感情や考え方が変わってしまう事はよくあると思うんだ。そんな時、最初からゴールが設定されてしまっていたら…わかるだろう?」「今回の作品では、歌い手の感情の変化に忠実でないといけない。難しかったけど、楽しかったよ。スタッフみんな楽しんでた。これまでにやったことのない仕事だからね。」と笑った。

また、今回のサウンドトラックを作るにあたり、監督であるブラッドリー・クーパーからは楽曲に関して詳細な指示がなかったそうだ。 「基本的に、出演者であるジャクソン・メインやアリーが自分たちで作曲したように聴こえるよう意識したよ。たとえば映画の中で、ジャクソン・メインがアリーの曲作りに口を挟んだことはなかった。彼女には専属の音楽ディレクタ―がいて、彼が指示を出していたんだ。だから、アルバムの曲も、ディレクターの意見を取り入れたような曲に仕上げているよ。その過程で、監督ももしかしたら口を出したかったかもしれない。彼の考えもあるだろうからね。でも、ジャクソン・メインがアリーの曲作りを信頼していたように、監督は僕たちのことを信頼してくれていたんだよ」

名曲誕生の陰では才能あるソングライターたちが試行錯誤し、そして映画に沿って変更を加えながらも完成させていったようだ。

「シャロウ ~『アリー/ スター誕生』 愛のうた」は第、76回ゴールデングローブ賞では主題歌賞を受賞。第61回グラミー賞では年間最優秀レコード賞、年間最優秀楽曲賞、ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞、ビジュア・メディア楽曲賞の4部門でノミネート。去年のアカデミー賞を含め、同曲は計33回受賞され、史上最も受賞された曲となった。

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