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初来日を果たした次世代ロック・スター ヤングブラッドにインタビュー! サマソニを騒がせた“混乱”の真相を語る! アーティスト名「ヤングブラッド」に込められた想いとは?

ヤングブラッド INTERVIEWS
ヤングブラッド

イギリスの次世代ロック・スター ヤングブラッドが、8月20日、21日に東京と大阪で開催された音楽フェス「サマーソニック(SUMMER SONIC 2022)」 に出演するため、初来日を果たした。

2018年にデビューして以来、ロックを軸に様々なジャンルを右往左往自由に行き来し、型にハマらない音楽とメッセージを発信し続けているヤングブラッド。昨年12月にセカンド・アルバム『ウィアード!』(原題:weird!)をリリースし、自身初の全英アルバム・チャート初登場1位を獲得した。

【動画】YUNGBLUD – Parents (Official Music Video)

また、これまでにトラヴィス・バーカー(blink-182)やマシン・ガン・ケリー、DJ/プロデューサーのマシュメロや米・歌姫のホールジー、ブリング・ミー・ザ・ホライズンやラッパーの24Kゴールデン、そしてアヴリル・ラヴィーンなど、様々な年齢・ジャンル・キャリアのアーティストからラヴ・コールがかかり、共作・共演を果たしてきた。

そんなヤングブラッドが、日本最大規模の都市型音楽フェス「サマーソニック」に出演するため初来日を果たし、tvgrooveは単独インタビューをおこなった。

「サマーソニック」の感想や、名前の由来、音楽に込めた想い、ファッション、ジェンダー、そして9月2日にリリースする3枚目となるアルバムで初のセルフタイトル・アルバムである「ヤングブラッド」についてたっぷりと語ってもらった。


サマソニで問題発生!?観客が混乱した理由とは・・・?

ーー8月20日、21日に「サマーソニック」に出演されました。こちらはいかがでしたか?

本当にすばらしい経験だったよ。ずっと日本に来たいと思っていたんだ。日本にはすごく大きなリスペクトを持っていて、日本の文化、日本の観客のみんなのこともすごくリスペクトしてるんだ。オアシス、デヴィッド・ボウイ、ローリング・ストーンズといったイギリスのミュージシャンたちはみんな日本を大事な場所だと思っているんだ。だから自分が日本に来れたことがすごくうれしかったし、ショーが本当に盛り上がって、みんなにもクレイジーだったねって言われるくらい、今までの中で一番じゃないかってくらい盛り上がったよ!ちょっとトラブルもあったけど、すごく盛り上がってよかった。

ーーどんなトラブルがあったのですか?

モッシュピット(音に合わせてファン同士が体をぶつけ合うこと)をセキュリティーはダメって言ったけど、僕がオッケーって言ったら、観客もどちらに従ったらいいかわからなくなってて、それがたぶんさらにクレイジーさを生んで、「ファック、イエーイ!」って感じですごく盛り上がってたよ(笑)。

ーー大阪ではダイブもされていましたね。

それもトラブルだったね(笑)。やっぱり、ヤングブラッドっていうのは「愛」なんだ。すべては愛であって、あえてトラブルを起こそうとか、悪いことをしようとか、怒りを生み出すとかそういうことを考えているわけじゃないんだ。みんなでロックンロールを楽しもうっていうのが一番大事で、だからマイクを捨ててモッシュピットの中に自ら入り込んだんだ。

ーーその動画拝見しました。見てるだけでも楽しかったです。

すっごい、ロックだったと思う。

ヤングブラッドという名前をつけた理由

ーーとても初歩的な質問なのですが、そもそもなぜ「ヤングブラッド」という名前にしたのでしょうか?

ドミニク・ハリスって自分の本名だとちょっと堅苦しいなと思って、自分が書いてる曲のアイデンティティとか、どういう名前で表現できるかなと考えていたんだ。そこで、自分のマネージャーの周りの中で、自分が一番若かったから「ヤングブラッド」と呼ばれてたから「あっ、これだ!」とひらめいたんだ。そこから「Young Blood」というつづりが、ちょっとまた堅苦しかったから、削って、「YUNGBLUD」というちょっと違うスペルにしてみて、見た目をよくしたんだ。

それと同時に、ヤングブラッドという名前は、果たしてラッパーなのか、ロッカーなのか、一回見ただけではわからない。そんな何でもアリなところがまたいいなって思ったんだ。ヤングブラットの名前っていうのは、もっとアイディアだったり。フィーリングを表すものだから、例えば自分が50歳になってもヤングブラッドでいられる。そういうところも、すごくいいなって言う風に思ったんだ。

ヤングブラッドが歌を通して伝えたいメッセージ

ーーヤングブラッドさんは、反抗的で、赤裸々な歌詞、真摯なアティチュードが特徴的ですよね。そういった歌詞はどうやって思いつくのでしょうか。普段から感じていることや、世間の声を代弁しているという感じなのでしょうか?

すべては自分が持っている、正直なフィーリングから出てきているものなんだ。自分にとって大切なのは、この「Truth」という真実を表現すること。アーティストの中には、それができてない人もいっぱいいると思う。自分はそれをやるからこそ、こんなにファンのみんなやリスナーのみんなと早くつながりを感じることができるようになったと思う。

音楽とアートっていうのは、最近はつまらないものになってきてしまっている部分もあると思う。やっぱりアーティストがウソをついてしまうと、それが作品としておもしろくないものになってしまう。人間っていうのはやっぱり成長し、どんどん変化をし続ける。だから自分が作る物も同じものではなくて、一緒に進化し続けたいんだ。

今回のニュー・アルバムは、前回もアルバムやその前の作品とは全然違うものになっている。そのフィーリングを自分の正直な気持ちで伝えたかったんだ。だから自分の作品を作る時は、これまでの作品の複製のようなものを作るのではなく、歌詞も含め変化を続けて、それをずっとやり続ける、絶対にウソはつかないよということをファンに約束できる。個性のために戦い続けようと思うし、自分のアイディアを表現することが一番大事で、それは一生、変わらないと思う。

【動画】YUNGBLUD – Memories (Official Music Video) ft. WILLOW

ファッションへのこだわり

ーーヤングブラッドさんといえば、自由でユニークなファッションも特徴的ですよね。ファッションを通じて伝えたい思いは何でしょうか?

自分が何かを言う前に、自分が言いたいことを表現できてるのが自分のファッションだと思っているんだ。やっぱり自分が思うがまま、感じるがままに着たいものを着て、例えばちょっとフェミニンに感じたらドレスを着たりもするし、ちょっと男っぽく感じたらスーツを着たりもする。刺激的というか、自分が口を開かなくても、自分の言いたい事を表現できている、それが自分のファションだと思っているよ。

 

LGBTQ+への想い

ーーヤングブラッドさんは、パンセクシャル(全性愛者)であることを公表していますよね。世間的にLGBTQ+への理解が遅れている部分も感じますが、人々がもっと理解を深めていくにはどうしたらいいと思いますか?

どうやって進化できるかっていうのは、それを表現していくことだと思う。ヤングブラッドっていうのは何かっていうと、すべて人が自分を表現することで、守られてるだったり、安心を感じられる場所なんだ。僕にはそのファンベースがある。そこでみんなで疑問を提供して、そこの答えをまたみんなで見つけ合い、そこからまた新しい疑問をみんなで考えてみたり、そういう場所がヤングブラッドなんだ。

僕はそういった場所をサポートしたいと思っている。ポップスターの中にはレインボーの旗を持って「サポートするよ」と発言する人もいるけど、実際にはまったく何もしない人もたくさんいる。僕は行動に移したいと思うし、セックスもセクシャリティーも美しく、僕はそれが大好きだ。愛があるかぎり、恥を感じることも謝ることも一切ない。それを表現することが大事なんだ。まちがったり、考えが変わったっていい。学び続けることが大切で、続けていくことで、どんどん広がって進化していくんじゃないかなというふうに思う。

【動画】セクシャリティーの解放をテーマに歌う「cotton candy」

新アルバムは「今までで一番ピュアなもの」

ーー9月2日に、新アルバム「ヤングブラッド」をリリースされます。こちらはどんなアルバムになっていますか?

新アルバム「ヤングブラッド」は僕にとって3枚目のアルバムなんだけど、セルフタイトルというのもあって、今回は自分らしさっていうものがすごく出ていて、ヤングブラッドという意味が自分の中ですごく明確になったものなんだ。さっきも言ったように、何にもとらわれない、フィーリングに関して定まる何かが自分の中でできたから、今回はまさに自分だって思えるアルバムの内容に仕上がっていると思う。

じゃあ一枚目と二枚目のアルバムはどうだったかというと、自分がどこに属しているのかわからず、自分が属することができる世界を探していることを語っていたけど、今回のアルバムは、自分自身が定まった何かついて語っているアルバムになっているんだ。

でも、ヤングブラットっていうのは今や、もうコミュニティーになっていて、自分を超えてファンの人たちやリスナーのみんながそれを広げてくれて、一つの大きなグループにしてくれていると思うんだ。その中でやっぱり自分自身がそこに存在して、その中で自分も表現して、自分が心地よさを感じられるコミュニティーの場所、それがヤングブラッドというものなんだ。

当初のヤングブラッドよりも、意味っていうのはどんどん進化し続けていっていて、文化やマインドセットというものが、ヤングブラットを育てると思う。今回のアルバムが音楽的にベストのアルバムかと聞かれたら、そうは思わない。でも、今までの中で一番純粋な、一番ピュアなアルバムに仕上がっているよ。

【動画】YUNGBLUD – The Funeral (Official Video)

 

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ーー最後に日本のファンにメッセージをよろしくお願いします。

この数日、これまででもっとも美しい経験の一つを与えてくれてありがとう。僕たちにとって長く美しい旅になることにワクワクしているよ。これから毎年日本に来るのが待ち遠しいよ。

【動画】Machine Gun Kelly – I Think I’m OKAY [Official Music Video]

(インタビュー終わり)


リリース情報

『ヤングブラッド』2022年9月2日(金)発売

UICS-1396 / 2,500円(税別) / 歌詞・対訳・解説付

予約はこちら:https://umj.lnk.to/Yungblud_YUNGBLUD

収録曲:

1. ザ・フューネラル
THE FUNERAL

2. ティッシューズ
TISSUES

3. メモリーズ with ウィロー
MEMORIES WITH WILLOW

4. クルーエル・キッズ
CRUEL KIDS

5. マッド
MAD

6. アイ・クライ・2
I CRY 2

7. スウィート・ヒロイン
SWEET HEROINE

8. セックス・ノット・ヴァイオレンス
SEX NOT VIOLENCE

9. ドント・ゴー
DON’T GO

10. ドント・フィール・ライク・フィーリング・サッド・トゥデイ
DON’T FEEL LIKE FEELING SAD TODAY

11 . ダイ・フォー・ア・ナイト
DIE FOR A NIGHT

12. ザ・ボーイ・イン・ザ・ブラック・ドレス
THE BOY IN THE BLACK DRESS

ほか、日本盤ボーナス・トラック4曲収録。

アーティスト情報

日本公式HP:https://www.universal-music.co.jp/yungblud/

Instagram:https://www.instagram.com/yungblud/

Twitter:https://twitter.com/yungblud

Facebook:https://www.facebook.com/yungblud/

TikTok:https://www.tiktok.com/@yungblud

バイオグラフィー

ヤングブラッド(本名:ドミニク・リチャード・ハリソン)は、1997 年8 ⽉5 ⽇⽣まれ。イングランド中北部のドンカスター出⾝のヤングブラッドは、2 歳の時にギターを初めて手に持ち、10 歳でオリジナルの曲を書き始め、16歳の時には⾃⾝の⾳楽キャリアをスタートさせるためにロンドンに身を移した。 

ザ・ビートルズやボブ・ディランなどのアーティストからの影響を受け、⾃⾝の⾳楽的なヴィジョンを明確にした後、2017 年春にデビュー・シングル「King Charles」をインディー・アーティストとしてリリース。その才能をすぐさま⾒出され、同年の夏に⼤⼿レーベルの⽶・ゲフィン・レコード(ユニバーサルミュージック傘下)との契約が決まった。

 2018 年にリリースしたデビュー作となるセルフ・タイトルEPでは、ヨークシャー南部にいた時の実体験に基づいた不運な恋愛経験について歌っており、今や彼を象徴する「I Love You, Will You Marry Me」などが収録されている作品。2018 年7 ⽉にアルバム 『21st Century Liability』をリリースした後に、ヤングブラッドはアメリカやヨーロッパで単独のソールドアウト・ショーを敢⾏。これらに加えロラパルーザ、レディング・アンド・リーズ、オースティン・シティ・リミッツ、NXN などの⼤型音楽フェスティバルへ次々と出演する。 

2019 年に発表した欧⽶を跨ぐワールドツアー全52 公演はすべてソールドアウト。マシン・ガン・ケリーとトラヴィス・スコットとともにリリースした「I Think Iʼm OKAY」やマシュメロやブラックベアーとリリースした「Tongue Tied」など、数々のビッグ・アーティストらとのコラボ作品でも話題に。 

2020年には自身にとって2枚目となるニュー・アルバム『ウィアード!』をリリース。ジャンルを自由に右往左往する音楽性が魅力であり武器であるヤングブラッドは、クイーンからインスピレーションを受けたというハーモニーや、ビートルズのようなコード進行、そしてダンス・パンクやグラム・ロック、ヒップホップにメタルなど、様々な音楽的要素をちりばめた作品を完成させ、他とない音楽性を更に洗練させていった。 現代社会を斜めから見て、異議を申し立てるその反抗的な精神と赤裸々な歌詞、高いファッション性が現代の多くの若者に共感と支持を得ているヤングブラッドは、“ネクスト・アークティック・モンキーズ”と米メディアで称される、次世代を担う若きロック・スターだ。オルタナティヴでパンクなポップ・センセーションの幕開けだ!

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