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ウィル・スミス&ジェイダ・ピンケットから学ぶ、新しい夫婦のカタチ…「浮気OK」な結婚生活が、アカデミー賞でのビンタ事件の原因になったってホント?!【海外セレブに学ぶ!オトナ女子の恋愛と結婚Vol.2】

ウィル・スミス COLUMNS
ウィル・スミス&ジェイダ・ピンケット・スミス夫妻

2022年、アカデミー賞授賞式のステージ上で、司会者のクリス・ロックを思いっきりビンタしたウィル・スミス。笑いのネタにされた自身の妻のジェイダ・ピンケット・スミスの名誉を守るための行動だったと弁解したものの、世間は騒然となったわよね。じつはこの大スキャンダルの原因には、ウィルとジェイダの「複雑な夫婦関係」が大きく関わっている、といわれているの。いったいどういうことなのか、じっくり検証してみるわね!

※このシリーズではアラフォー鬼女の筆者が、「海外セレブカップルの恋愛や結婚」について好き勝手に分析。日本とは異なる「欧米式恋愛」について語り倒します!ただし、欧米といっても様々な国や文化があるのは当然。ここで述べるのは、個人的な経験をベースにした「一般論」であり、すべての欧米人がこの記事のような価値観のもとに恋愛をするわけではないことはご理解ください。

▼このシリーズのひとつ前の記事はコチラ!

アカデミー史上最悪の「ビンタ」事件

「ジェイダ!『G.I.ジェーン』の続編が待ちきれないよ!(※1)−アカデミー賞授賞式で、ジェイダ・ピンケット・スミス(ウィル・スミスの妻)に、コメディアンのクリス・ロックが投げかけたこの言葉。これがすべてのコトのはじまりだったの。その日、ほぼスキン・ヘッドにちかいファンキーなヘア・スタイルで、レッドカーペットに登場したジェイダ。その姿をみてクリスはとっさにこのジョークを思いついたらしいわ。

(※1)1997年に公開された映画『G.I.ジェーン』で女優のデミ・ムーアが頭をそりあげて女兵士を演じたことから派生したジョーク。

ところが当のジェイダは、これにすごく傷ついたみたいね。不快感全開の表情でステージ上のクリスをにらみつける姿が、ばっちりカメラにおさめられていたの。それもそのはず。ジェイダがスキン・ヘッドにしていたのは、じつは彼女が「脱毛症」を患っていたから。病気のせいでこの髪型にせざるをえなかったのに、それをイジられたら思わずムッとしちゃうのが人間ってもんよね。そして、自分の妻が悲しんでいる姿をとなりでみたウィルが、いてもたってもいられずステージ上にかけあがり、クリスを思いっきりビンタ…というのがこの事件のあらすじ。

▼問題のシーン。最初はウィルもクリスのジョークに笑っていたのに…?

興味深いのは、この事件に対する一般人の反応が日本とアメリカで真逆だったところ。日本では、ネット上で「暴力はよくない」としながらも「妻の名誉を守ろうとしたウィルは正しいことをした」「男としてかっこいい」などと彼の行動を擁護する意見が多かったわよね。でもアメリカでの世論は真逆。「どんな理由があろうとも先に肉体的な暴力をふるったほうが悪い」という価値観が浸透しているアメリカでは、ウィルの行動はまったく受け入れられないもの。しかもアカデミー賞の授賞式という、公の場でそれをしてしまった彼は「感情のコントロールに問題がある人」というネガティブなイメージがついてしまうことに…。

実際にこの「暴力事件」を重くみた「映画芸術科学アカデミー」は、ウィルにたいして、今後10年アカデミー賞授賞式を含む、映画芸術科学アカデミーのすべての行事への出席を禁止。この措置(そち)をみると、彼の行動がアメリカ社会でいかに許されないことだったのかがわかるわよね。皮肉なことに、ウィルは今回のアカデミー賞で「主演男優賞」を受賞しているの。それが剥奪(はくだつ)されなかったことだけが、彼にとっては唯一の救いだったのかも。でも、本来ならこの受賞によってキャリアがさらに飛躍するはずだったと考えると、失ったものはあまりに大きいわよね。

そしてね、今回の事件でウィル&ジェイダ夫妻に対してアメリカの世論が冷ややかなのには、もう一つの理由があるといわれているの。どうやらそれはふたりのちょっと変わった夫婦関係のせいみたい…。

ウィルとジェイダの奇妙な夫婦関係

じつはアメリカでは、ウィルとジェイダの夫婦関係が「オープンリレーションシップ」である、というのが一般的な認識なのね。オープンリレーションシップ(オープンマリッジ)とは一般的に「既婚・交際中というステータスであってもお互いの同意のもと、他の相手と性的な関係やロマンスを楽しむことができる」関係。ひらたくいうと「浮気OK」のカップルである、ということね。欧米では、オープンリレーションシップを実践しているカップルが一定数いるらしいわ。もちろん少数派ではあるみたいだけどね。

オープンリレーションシップになるカップルの理由はそれぞれ。「とにかくひとりの相手にだけコミットする恋愛をしたくない」という人もいれば「ながい結婚生活のあいだにお互いへの気持ちが変わり、離婚を回避するため」にこの関係に移行するカップルもいるみたいね。

▼「浮気OK」な関係が夫婦円満の秘訣だった?

そんな「オープンリレーションシップ」な関係がウワサされているウィルとジェイダ。ふたりの歴史を少しふりかえってみようかしら。彼らが結婚したのは1997年。じつはもう結婚25年にもなるのね。浮き沈みの激しいハリウッドでこれだけ長いあいだ夫婦でいるのは、なかなかスゴイことなんじゃないかしら。じつはもともと妻のジェイダは「結婚」というものにあまり乗り気ではなかったらしいの。どちらかというとウィルにおされて結婚したって感じだったみたいね。とはいえその後、ウィルとジェイダはふたりの子供をもうけてハリウッドを代表する「おしどり夫婦」に。レッドカーペットで上でにっこり笑う姿は、どうみてもみんなが憧れる「完ぺきな家族」そのものだったのよ。

▼なんとも絵になるステキな家族だったスミス一家

ところが、結婚して10年以上がたったころから、だんだんと雲行きがあやしくなっきてね。2011年にはジェイダがとある男性歌手と浮気した、なんてゴシップがすっぱ抜かれることに。さらに2013年にジェイダがインタビューで「結局ウィルはオトナの男なんだから、自分で責任をとれるなら、なにをしたっていいのよ。私だって同じで、なにをしてもいいの」と発言。これがきっかけとなり、ふたりの関係は「オープンリレーションシップ」である、というウワサがまことしやかに囁かれるようになったの。

ジェイダはこのウワサを否定したものの、2015年には「(結婚したからって)男性がほかの女性に惹かれなくなるなんて、私はそんなことを信じるようなオンナじゃないわ。だってそんなの非現実的よ」と発言。彼女が、男女の関係においてかなりオープンな考え方をもっていることが明らかになったのね。

ジェイダはけっこうヤバい女?

このようにさまざまなウワサや憶測が飛び交っていた、ウィルとジェイダの結婚生活。ながく夫婦でいるとはいえ、その関係が決して順風満帆ではなかったことは明らか。そして、そんなふたりの結婚生活をゆるがす大スキャンダルが投下されたのが2020年。とあるインタビューで、ラッパーのオーガスト・アルシーナが、既婚者であるジェイダと数年間にわたり恋愛関係だったことを告白。そして「ウィルもそれを知っていて、ふたりの関係を認めていた」という爆弾発言をしたの。

【動画】ジェイダとの関係について赤裸々に語ったオーガスト(16:30ごろから)

オーガストはジェイダよりも21歳も年下。さらには、もともと彼がウィルとジェイダの息子であるジェイディンの友人であり、家族ぐるみで旅行にいくような仲であったことなどが発覚。このあたりから世間では「ジェイダってオープンな考えを持っている、っていうより、けっこうヤバいオンナなんじゃ?」なんて思う人が増えてきたみたいなの。

▼2017年にオーガストとジェイダは、なんとふたりでイベントに出席していたことも発覚。

当初はこのウワサを否定したジェイダだけど、のちに態度を一変。オーガストと恋愛関係にあったことを認めるの。彼女が司会を務めるFacebookの番組「レッド・テーブル・トーク」で、夫であるウィルと対談したジェイダ。当時(2016年〜2017年ごろ)、世間には公表してなかったものの、夫婦関係は最悪でウィルとは離婚寸前でひどく傷ついていたと告白。そしてオーガストが持病をもっていたため、友人として看病をしていたところ、最終的に「複雑な関係」になったと、コトの経緯を説明したわけ。

【動画】「レッド・テーブル・トーク」でオーガストとの関係について語ったジェイダ

https://youtu.be/qOTe0_Z0vlc

 

さてここで世間が注目したのは、対談するふたりの様子がとても対象的だったこと。オーガストとの「複雑な関係」について語るジェイダは、罪悪感などみじんも感じられず、とても堂々としていてね。一方ウィルは下を向いたり、もじもじしたりしてとても居心地が悪そう。途中、目が潤んでいるように見える場面も。視聴者からは「ジェイダはすごくナルシシスト(※2)ね」「あきらかにウィルは傷ついている」「妻が浮気を堂々と語る場に同席しないといけないなんてすごい屈辱(くつじょく)だ」など、ウィルに同情的な意見がかなりあったのよね。

(※2)ナルシシスト…自己中心的で尊大な行動をとる人

オトコとしてのプライドが引き起こした「ビンタ」事件

この「レッド・テーブル・トーク」をきっかけにして、ウィルとジェイダの夫婦関係はさらに注目されることに。そしてネット上では「ふたりの関係は『オープンリレーションシップ』なんかじゃない。奔放で自分勝手なジェイダにウィルがつき合わされてるだけ」という意見が大多数になっていったの。

つまりウィルには、ハリウッドのスーパースターでありながら妻に浮気され放題の「サレ夫」である、というありがたくないイメージがついてしまったってワケ。さらにその後、彼はメディアのインタビューでしょっちゅう夫婦関係について質問されるハメに。そんな状況に、彼もきっとウンザリしていたんでしょうね。とあるインタビューでは「ジェイダだけじゃない、ぼくもほかの女性と肉体関係をもった」と謎の浮気宣言をしたかとおもえば他のインタビューでは、自身はだれとも関係をもっていない、と発言を撤回。「オープンマリッジはレベルの高い『愛のカタチ』なんだ」としながらも「誰にでもオススメするわけじゃない」と言ってみたり…控えめにいってかなり迷走していたのよね。

結局のところ長い結婚生活で、夫婦のあいだになにが起こったのかは、ふたりにしかわからないこと。でも本心がどうだったにせよ、世間から「サレ夫」として見られることに、彼のオトコのとしてのプライドが深く傷ついたであろうことは想像に難くないわよね。「オレは『サレ夫』なんかじゃない。妻を愛し、家族を守れる強いオトコだ!世間にもそれをわからせてやりたい!」−ウィルは無意識にそんなことを思っていたのかもしれないわ。

▼オトコはプライドの生き物だというわよね…


そんなときにちょうど起こったのがあの事件。クリス・ロックがジェイダにあのジョークを放った瞬間、ウィルはこう思ったんじゃないかしら?「となりに座っている妻が、ヤツのジョークで悲しんでいる!ここはひとつ、夫として、妻を守れるオトコであることを世間に示さねば!」−そんな激しい気持ちに駆られて、ステージ上に駆け上がり、クリス・ロックをビンタしてしまったのかもしれないわ。

つまりあのビンタ事件は、夫が「妻を守り、彼女の名誉を守るために起こった」事件ではないの。「妻の浮気に苦しみながらも離れられない『サレ夫』が、自分のプライドをなんとか保とうと暴走した」結果、起こったことなんじゃないかしら…そう考えるとまぁ、なんとも切ないわね…。

▼受賞スピーチで大号泣したウィル

そして「オープンリレーションシップ」という、自由で革新的にみえるこのシステム。ウィルとジェイダを見るかぎり、どうやら思った以上に「取り扱い注意」な関係性なのかも、と思ったのは私だけかしら?とにかくこのビンタ事件で人生が大きく変わってしまうことになったウィル・スミス。これからの彼のキャリア、そしてジェイダとの結婚生活がどうなっていくのか、しっかり見届けたいわね!

▼このシリーズの次の記事はコチラ【近日公開予定】

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