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急遽バーチャルに切り替え、12週間に及んで紹介された今秋〜冬の新ドラマの傾向は? 相変わらず続くリブート、吸血鬼や狼男の再来

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9月14日に行われたABCの「ザ・ルーキー 40歳の新米ポリス!?」のスピンオフ作品「The Rookie: Feds」に登場したキャストと制作陣。上段左から、フェリックス・ソリス、フランキー・フェイゾン、ネイサン・フィリオン(制作総指揮兼主演)。中段左からケヴィン・ジーガース、ニーシー・ナッシュ・ベッツ(制作総指揮兼主演)、テレンス・ポール・ウィンター(共同クリエイター/制作総指揮)。下段左から、アレクシー・ホーリー(共同クリエイター/制作総指揮)、ブリット・ロバートソン、ジェームズ・レジャー。Courtesy of American Broadcasting Companies, Inc.

去る8月1日にお知らせしたように、7月27日を皮切りに8月13日までの18日間開催が予定されていた2022年夏のTCAプレスツアーは、オミクロン株の新規感染者数の増加でパンデミック第7波に入ったため、開催1週間前の7月21日に急遽バーチャルに切り替えられました。7月27日、PBS公共放送のパネルインタビューに始まり、9月21日のParamount+配信サービスによる新作5本の制作発表で幕を閉じました。2022年夏のTCAプレスツアーでは、地上波局+ケーブル局(プレミア局も含め)+ストリーミング・サービス会社(アマゾン・プライム、Hulu、Paramount+)から、53本の新・継続番組のパネルインタビューが行われました。その結果、読み取った全体的傾向をご報告します。

1)相変わらず、嘗ての人気番組/映画のリブートが続きます。2008年辺りから始まったこの傾向は、現在の世相を反映して、設定や主人公及び取り巻きキャラの性別や人種を変えて、ドラマシリーズに書き換える、怠慢な(?)方法です。私的には、リブートで大成功を収めたのは、後にも先にも「レバレッジ:リデンプション」のみと信じています。

・主人公を白人から韓国系アメリカ人に変えたNBC「タイムマシーンにお願い」が、秋の新番組として9月19日に放送開始されました。

 

・CBSの長寿番組「クリミナル・マインド」は、Paramount+配信サービスでリブート版「Criminal Mind: Evolution」として再登場します。キャストは、オリジナルとほとんど同じですが、1シーズン10話で、BAUの宿敵「UnSub」の首謀者を追うという設定に書き換えられ、一話完結型を脱皮しています。11月24日に二話で配信開始、以降毎週木曜日に一話配信します。

・全米女子プロ野球リーグを描いた映画「プリティ・リーグ」を、人種・性差別、LGBTQのレンズを通してアマゾン・プライムが同名でドラマシリーズ化しました。日本でも、アマゾン・プライムで配信されています。

 

・1998年、豪華キャストで映画化されたラクロの小説「危険な関係」を、時代劇のシリーズ化で実績あるプレミア・ケーブル局Starzがテレビシリーズ化。同名、8話で綴るドラマは、パリのスラム街から貴族階級にのし上がるためには、恋人を裏切るなど朝飯前の、若かりし頃のパスカル・ヴァルモンと娼婦カミーユ(後のメルトイユ公爵夫人)を描きます。11月6日、放送開始。

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2)しばらく影を潜めていたモンスター(吸血鬼、狼男、魔女など)のドラマが、次期サイクルに突入しました。

・ゴシックホラー映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」を、時代設定、キャラの人種を変えてテレビシリーズ化しました。アン・ライスの小説ドラマ化の権利を買い取ったケーブル局AMCの、ライス・ユニバース構築政策の処女作が「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」と言うことです。10月2日より放送開始。

 

・アレクザンドラ・ダダリオ主演の「The Mayfair Witches」も、来年早々にライス・ユニバースの一環として放送が予定されています。魔女の家系を引き継ぐ脳外科医を主人公とするドラマ。

今回は魔女/脳外科医に変身するアレクザンドラ・ダダリオ。「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」は、レイチェル(ダダリオ)が新婚旅行で、初めて身を以て知る階級の差を描きたかったと、クリエイターが告白しているのを聞くと、ダダリオの好演にエミー賞が贈られなかったのが、悔やまれる。Photo: Erik Pendzich/Shutterstock

 

・MTVの大ヒットドラマ「ティーン・ウルフ」のスピンオフ、エド・ヴァン・ベルコムの小説をもとにドラマ化されたのが、今年中にはParamount+で配信予定の「Wolf Pack」。カリフォルニアの山火事で、謎の生き物が目覚め、4人のティーンの人生を豹変させます。サラ・ミシェル・ゲラーが放火犯を追う敏腕捜査官として出演します。

今年7月のサンディエゴ・コミコンに登場し、会場を大いに沸かせたサラ・ミシェル・ゲラー。左は、「Wolf Pack」の脚本、制作総指揮のジェフ・デイビスで、「ティーン・ウルフ」のクリエイターでもある。Photo: Rob Latour/Shutterstock for Paramount+

 

・ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの小説の映画化「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008年スエーデン映画)は、日本でもホラーロマンスとして公開されました。今回、プレミア・ケーブル局Showtimeがテレビシリーズ化する「Let the Right One In」のはリンドクヴィストの小説を基に、12歳のヴァンパイア少女と父親の関係をドラマ化します。10月9日、放送開始。

次回は、今秋期待できる地上波局の新ドラマ「So Help Me Todd」と「Alaska Daily」の2作をご紹介します。

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