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『オッペンハイマー』クリストファー・ノーラン監督、映画のストリーミング配信の「危険性」について懸念

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クリストファー・ノーラン監督 photo : Laurent VU/SIPA/Shutterstock

『オッペンハイマー(原題)』のクリストファー・ノーラン監督が、ストリーミング配信のみで公開される映画についての「危険性」を語っている。

ノーラン監督は今年、伝記映画『オッペンハイマー』で大成功を収めた。7月に米劇場公開された本作は、全世界で10億ドル近い興行収入を上げ、好調な劇場公開を記録した。

そんなノーラン監督はワシントン・ポスト紙のインタビューで、ストリーミング配信のみの映画の運命について懸念を抱いていることを明らかにした。ノーラン監督は「ストリーミング版でしか存在しないもの(作品)」 が削除されることを懸念している。彼は、映画製作者の作品がある日突然ストリーミングから消えてしまい、その後戻ってこなかったり、長期間戻ってこなかったりする危険性がある場合、深刻なリスクにさらされるものだと考えている。

「最近は、ストリーミング版しか存在しない場合、削除される危険性がある。映画の放送版がそうであるように、私の映画もHBOやその他で放送され、そして消えていく。しかし、ホームビデオ版は常にそこに存在し、人々がいつでもアクセスできるもの。1980年代以降、映画製作者として、私たちはそれを当然のこととして受け入れてきた。私が話している、ある映画監督の作品がある日突然ストリーミングから消えてしまい、その後戻ってこなかったり、長期間戻ってこなかったりする危険性についてだが、これは意図的な陰謀ではない。それは、特定のライセンス契約や物事の進展の仕方によるものだ。だから、それは修正する必要があるから指摘する価値があることだが、私はそうなると確信している」とノーラン監督は述べた。

現実には、ノーラン監督が恐れていることがストリーミングサービスで起きている。つい最近、『プリンセス(原題)』という未公開のファンタジー大作をHuluが今年5月に作品を削除。事実上、6カ月間作品が消滅していた。しかしその後、Hulu作品がVODレンタルで再び利用可能になったことから、映画製作者たちは安心したようだ。

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