エリザベス・ホームズって誰? “女性版スティーブ・ジョブズ”と呼ばれた元起業家の新作ドキュメンタリーがなぜかR指定に

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エリザベス・ホームズ。その名前に、すぐピンと来ない人もいるかもしれない。

しかし米国では、一時は“次のスティーブ・ジョブズ”ともてはやされ、若き女性起業家の象徴として注目を浴びながら、その後、投資家への詐欺で有罪判決を受けた人物として広く知られている。

そんなホームズを追った新作ドキュメンタリー『You Can See Everything』が、米国で、17歳未満は保護者同伴が必要となる「R指定」を受けた。しかも、その理由のひとつが「一部の露骨な裸体描写(some graphic nudity)」だという。

 

エリザベス・ホームズって誰?

ホームズは2003年、19歳のときにスタンフォード大学を中退し、血液検査ベンチャー「Theranos(セラノス)」を設立した。

Theranosは、指先から採取するわずかな血液だけで多数の検査ができる革新的な技術を開発したと宣伝。ホームズは黒いタートルネック姿をトレードマークとし、シリコンバレーを代表する若手起業家として急速に注目を集めていった。

しかし、その後Theranosの検査技術や事業をめぐる問題が次々と明るみに出る。

ホームズは2022年、投資家に対する詐欺をめぐって有罪評決を受け、現在は服役中だ。

 

アマンダ・サイフリッド主演でドラマ化も

ホームズとTheranosをめぐる事件は、これまでにも何度も映像化されている。

特に知られているのが、2022年にHuluで配信されたドラマシリーズ『The Dropout』だ。

同作ではアマンダ・サイフリッドがホームズを演じ、Theranos創業から急成長、そして崩壊までをドラマとして描いた。

 

【動画】アマンダ・サイフリッドがエリザベス・ホームズを演じた『The Dropout』予告編

Hulu公式予告編では、ホームズが若き起業家として注目されていく姿から、Theranosをめぐる疑惑が深まっていく過程までを見ることができる。

では、すでに何度も映像化されてきた人物を、なぜ今またドキュメンタリーにするのか。

今回の作品には、これまでとは大きく違う点がある。

 

今度はホームズ本人がカメラを自宅へ招き入れた

『You Can See Everything』を手がけたのは、『Nathan for You』『The Rehearsal』などで知られるネイサン・フィールダーと、ドキュメンタリー監督ランス・オッペンハイム。

物語は、ホームズが刑務所へ向かう34日前から始まる。

しかも今回は、ホームズ本人が撮影クルーを自宅へ招き入れている。

カメラはホームズだけでなく、パートナーや子どもたちとの生活にも入り込み、収監を目前に控えた彼女の日常を記録していく。今回の作品は、ホームズ自身が積極的に参加した初めての映像プロジェクトとされている。

撮影はその後も続き、制作期間は約3年に及んだ。

テルライド映画祭で秘密上映された際には、観客がスマートフォンを専用ポーチに入れるなど、内容が外部に漏れないよう厳重な対策も取られたという。

 

「本当に何も悪いことをしていないと思っている?」

公開された予告編もかなり異様だ。

フィールダーはホームズ本人に、「本当に何も悪いことをしていないと思っているのか」と問いかける。

ホームズは、自分は「リアル」であり、嘘をついていないという姿勢を見せる。一方のフィールダーは、彼女を信じていいのか、それとも自分まで何かに巻き込まれているのか分からなくなっていくような様子を見せる。

 

【動画】エリザベス・ホームズ本人に密着『You Can See Everything』公式予告編

A24が公開した予告編では、フィールダーがホームズやその家族の生活に深く入り込んでいく様子が映し出されている。

単なるTheranos事件の振り返りというより、「目の前にいる人物をどこまで信じられるのか」という、かなり異色のドキュメンタリーになっているようだ。

 

まさかのR指定、その理由は「露骨な裸体描写」

そして今回、公開前から思わぬ注目を集めているのが本作のレーティングだ。

米映画協会(MPA)は『You Can See Everything』をR指定に認定。

理由として、

「言葉遣いと一部の露骨な裸体描写」

を挙げている。

企業スキャンダルを扱うドキュメンタリーで、なぜ「露骨な裸体描写」が登場するのか。

その詳細は、現時点ではほとんど明らかになっていない。

一部報道では、その裸体描写はホームズ本人でもフィールダーでもないとされているが、誰なのかについては伏せられている。

タイトル通り、本当に「Everything=すべて」が映っているということなのだろうか。

 

“成功者”から受刑者へ それでも物語は終わっていない

『You Can See Everything』は約2時間54分という長尺作品で、10月16日から米国で限定公開される予定だ。

“女性版スティーブ・ジョブズ”ともてはやされたシリコンバレーの寵児から、有罪判決を受けた受刑者へ。

ホームズの転落劇はすでに何度も語られてきた。

しかし今回は、その本人がカメラを自宅へ招き入れ、自らの姿を見せようとしたところから物語が始まっている。

「エリザベス・ホームズとは本当はどんな人物なのか」。

その答えを探そうとするほど、かえって分からなくなっていく――。『You Can See Everything』は、そんな異色のドキュメンタリーになっているようだ。

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