以前腎臓の移植手術を受けた歌手のセレーナ・ゴメス。このことを最近放送されたドラマ「Saved by the Bell(原題)」のリブート版がネタとして描き、一部のファンが批判の意見をあげている。
セレーナ・ゴメスは、自己免疫疾患のループス(全身エリテマトーデス)の治療の一環として、2017年の夏に腎臓移植手術をしていたことを公表。友人である女優のフランシア・ライサから腎臓提供をしてもらい、当時は「私の腎臓はすでに終わっていた」「健康のために、手術をする必要があった」と、その壮絶な手術の経緯を明かしていた。
移植の傷を堂々と見せるセレーナ
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今回議論となっているのは、1990年代に人気であった学園ドラマ「Saved by the Bell(原題)」の新リブート版。リブートの初回エピソードが11月25日に放送されたのだが、ストーリーの中で登場キャラクターの高校生たちがセレーナの腎臓移植手術について話しているシーンに注目が集まった。
1人が「セレーナ・ゴメスの腎臓を提供したのはジャスティン・ビーバーのママだって事実は知ってる。ああ、今スマホがあれば証明できるのに」と、セレーナの元恋人ジャスティン・ビーバーの名前も出す。するともう一人が「証明できるって何を?あんたバカなの?提供したのはデミ・ロヴァートだよ。彼女たちは親友だからね、私とあんたがそうであったように」と、歌手でセレーナと同じくディズニー・チャンネル出身のデミの名もあげる。ちなみにセレーナとデミは、一時不仲説が出たことがある(本人たちは不仲ではないが友人でもないと言及している)。
また別のシーンでは壁に「セレーナ・ゴメスって腎臓自体あるの?」と書かれた落書きも見られたのだ。
これを見たファンは激怒しSNSにコメント。「これって気分悪い。セレーナは命を落としかけたのに、腎臓移植のことをジョークにするのは笑えない。セレーナを尊重して」と書いた。「RESPECT SELENA GOMEZ」は11月28日のツイッターのトレンドにまでとなった。
Saved by the Bell, that's disgusting. Selena almost lost her life, jokes about her kidney transplant is NOT FUNNY. Respect Selena Gomez. pic.twitter.com/c8AZbsU1m0
— Selena Charts (@selenachartsbr) November 28, 2020
また、ほかにも「人の健康問題をジョークのネタにするのは無神経で間違っている」「単純に冷酷で不正義。こんなことセレーナが体験しなくていいことだし、他の誰もが体験しなくていいこと」などと批判の声が多くあがった。
この騒動を受け、同ドラマを配信したPeacockは謝罪文を公表。「セレーナの健康を軽く取り扱う意図はまったくありませんでした。今セレーナのチームと連絡を取っており、彼女のチャリティ団体『The Selena Gomez Fund for Lupus Research』に寄付をします」と綴った。
謝罪後、腎臓を提供したフランシア・ライサもツイッターに投稿。「謝罪には感謝しますが、多くの提供者が壁に書いてあった落書きにより傷ついたことを忘れないようにしましょう」と書いた。別の投稿では「腎臓提供者として愛を示します。ほかのドナーさんたちも、1人じゃないということを知ってほしい。あなたはとても感謝されています。あなたはとても勇敢であり、その自己犠牲的な行動は感謝され評価されていますよ!」と、他のドナーたちに呼びかけた。
As a kidney donor I want to show love and let other donors know that you are not alone. You are seen. You are appreciated. You are so brave and your selfless act is very much appreciated and valued! 🙏🏽
— Francia Raisa (@franciaraisa) November 28, 2020
セレーナ本人からはこの件についてまだコメントは出ていない。