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エド・シーラン、大ヒット曲「Thinking Out Loud」をめぐる著作権裁判でみごと勝訴! 裁判所前でよろこび&今回の裁判によるストレスを声明の中で語る 「これで音楽業を引退せずにすんだ」

エド・シーラン Photo: Anthony Behar/PictureGroup for Disney+/Shutterstock MUSIC/ARTISTS
エド・シーラン Photo: Anthony Behar/PictureGroup for Disney+/Shutterstock

人気シンガーソングライターのエド・シーランが、自身の大ヒット曲「Thinking Out Loud」と、マーヴィン・ゲイの楽曲「Let’s Get It On」をめぐる著作権裁判でみごと勝訴した。

エド・シーランは、2014年にリリースした曲「Thinking Out Loud」のコード進行とリズムが、歌手マーヴィン・ゲイが1973年にリリースした楽曲「Let’s Get It On」に似ているとして、「Let’s Get It On」を共作した歌手エド・タウンゼントの遺産管理者から、著作権法違反の訴訟を起こされた。

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先週からニューヨークの連邦裁判所でこの裁判が始まり、エド・シーラン本人も裁判所に出廷。盗作ではないことを主張し、「Thinking Out Loud」のコード進行の所有権をうばわれた場合、「もしそうなったら僕はもう終わりです。やめます」と発言し、音楽活動引退を示唆していた。

そんな今回の著作権裁判であったが、NBC Newsによると、現地時間5月4日、ニューヨークの連邦陪審はエド・シーランに責任はないと判決を下し、エドは勝利をおさめた。

判決後、エドは集まった報道陣の前で声明を発表。「裁判の結果にとても満足しています。本業(音楽業)から引退する必要はなさそうです」と、安堵した様子を見せ、「しかし同時に、(原告側の)このような根拠のない主張が、裁判になることは一切許されませんし、信じられないほど苛立ちを感じています」と、自身の思いを訴えかけた。

またエドは作曲におけるコード進行において、「私たちはこの8年間、劇的に異なる歌詞、メロディー、そしてこれまた異なる、世界中のソングライターたちが毎日使っている4つのコードを持つ2曲について話し合ってきました。これらのコードは、『Let’s Get It On』が作られるずっと前から音楽を作るために使われてきた共通の構成要素であり、私たち全員が亡くなった後もずっと音楽を作るために使われるでしょう。(このコードは)ソングライターの『アルファベット』であり、私たちのツールキットであり、私たち全員が使えるようにあるべきものです。青という色が誰のものでもないのと同じように、これらの曲や演奏方法は誰のものでもないのです」と、盗作ではなく、どのアーティストも使うメジャーなコードであると改めて主張した。

さらにエドは、この種の訴訟はミュージシャンの「創造の自由」に脅威をもたらすと語る。

「私たちは、そのような創造性が不当に疑われることをいちいち心配することなく、オリジナルの音楽を書き、独立した創造に携わることができる必要があります。世界中のアーティストたちがそうであるように、(共作者の)エイミー・ワッジと私は、現実の個人的な体験に基づく楽曲を独自に創作するために懸命に働いています。私たちは生活のために多くの労力を費やしてきたのに、他人の曲を盗んだと非難されるのは悲惨なことです」

今回エドは裁判に出廷するため、祖母の葬式に参加することができなかったという。家族の大事な瞬間を逃したことについてエドは「私はギターを持ち、人々に楽しんでもらうために音楽を書くのが好きなただの男です。私は、誰かに振り回される貯金箱にはならないし、なるつもりもありません。この裁判のためにニューヨークにいなければならなかったことで、アイルランドにいる祖母の葬儀で家族と一緒にいることができませんでした。その時間はもう取り戻せません」と悔しさをにじませた。

NBC Newsによると、原告側は評決が出た後、裁判所の外で声明を出すことを拒否したと伝えている。

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