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テイラー・スウィフト来日公演開始! 待望の「THE ERAS TOUR」初日から日本語だらけ! ライブ初披露の楽曲も!? 【ライブレポート/セットリスト(セトリ)2024.2.7東京ドーム】

Photo Credit: TAS Rights Management EVENTS
Photo Credit: TAS Rights Management

テイラー・スウィフトが来日。待望の「THE ERAS TOUR」日本公演が始まった。
tvgrooveは初日である2月7日の公演に潜入。待望の初日のライブレポートを掲載する。

日本では東京ドームを舞台に2月7日(水)、8日(木)、9日(金)、10日(土)に行われる「THE ERAS TOUR」。このツアーは、テイラー・スウィフトがこれまで辿ってきた時代(ERA)をアルバムを基準に分けて披露するというコンセプトのもとに行われている。言うなればテイラーの集大成、ベストアルバムのような公演だ。

Lover

開始前のBGMにすら歓声を上げて盛り上がる、熱気で満ちた開場。開始2分ほど前からステージには巨大な時計が現れてカウントダウンを開始する。

10からは観客も声を合わせてカウントダウン。ついにコンサートが始まった。

扇のような巨大な布をまとったダンサーたちに導かれて登場したテイラーは、大歓声の中「Miss Americana & The Heartbreak Prince」でライブを開始。まずはアルバム「Lover」のカラフルなERA(時代)だ。
長時間鳴り止まない歓声。スウィフティーズ(※)がどれほど待ち焦がれた時間がやってきたかが伝わってくる。

(※)テイラーのファンの総称

日本語で「こんばんは!!」とあいさつしたテイラーは、大歓声に笑顔を見せながらせり上がったステージで「Cruel Summer」を披露。ピンクに光る煙があがり、アルバム「Lover」らしい開放感と多幸感に包まれる。

歌唱後、首を振りながら嬉しそうな表情を見せたテイラーは「東京!会えて本当に嬉しいよ」と笑い、会場を指をさしながらグルリと回った。

Photo Credit: TAS Rights Management


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さされた位置から順に歓声が巻き起こり、満足気な表情を見せたテイラーは「パワフルな気分になったよ」と力こぶを見せる。次の楽曲は「The Man」だ。オフィスのようなセットを舞台に、男性ダンサーたちを従えて不遜(ふそん)にダンスを見せつけるジャケット姿のテイラーに、観客も歌えるパートを一生懸命歌って返す。

続く楽曲は「You Need to Calm Down」。海外でも定番、2番サビに入る前の「♪Shades never made anybody less gay」は本公演でも叫び声が上がった。テイラーの合図で会場は腕を左右に振って楽しむ。観客の腕には同期システムで光るブレスレットが装着され、会場中が楽曲の世界観を演出し続けている。

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テイラーがギターを持つと、「Lover」へのイントロが始まる。「THE ERAS TOURへようこそ!」とまた日本語でのあいさつに会場は沸いた。日本の観客に会えたこと、東京公演が4回あることを喜んだテイラーは、思い出に残るようにと心を込めて「Lover」を歌い出した。何組かのダンサーペアがスーツやドレスでダンスし、ステージ後方のモニターにはミュージック・ビデオにも登場するカラフルな家が輝いた。

このERA最後の曲は「The Archer」。映像演出も控えめにゆったりと歌い上げるテイラーの声に観客は聴き入り、曲終盤にはテイラーに金色の光が集まっていった。

Fearless

続く「Fearless」のERA。タイトル曲でもある「Fearless」ではギターやベースのメンバーも楽しげにモニターに映る。途中ではテイラーが手で作ったハートを掲げ、会場もハートを返した。

バンドメンバーやコーラス&ダンサーたちと共に楽しそうに歩き回った「You Belong With Me」では、ステージの床がギター模様に。

さらに光の線に包まれながらの「Love Story」へと、カントリー調が強かった懐かしい時代の名曲が連続する。当時からのファンにはしみじみ浸れるERAだったことだろう。

evermore

パンデミックの時代に改めて楽曲制作に向き合ったテイラー。2020年の彼女は、物語のような2枚のアルバム「folklore」と「evermore」を生み出した。彼女に言わせれば「evermore」は「folkloreの森の奥」だ。

本公演3つ目のERAで、観客はそんな「evermore」の幻想的な世界へと足を踏み入れる。映像も雪解け後の森へと変わっていく。

黄色のワンピースに着替えたテイラーがまず歌うのは、淡々とした優しい声と音数の少ないドラムがしっとり沁みる「‘tis damn season」。曲の後半は原曲に比べてバンドサウンドも盛り上がっていく。

モニターの映像は霧がかった森に変わり、「willow」ではフード付ローブ姿で光の玉を持ったダンサーたちに囲まれて幻想的なパフォーマンスを披露する。東京ドームが一気にファンタジー映画のような世界に変わった。

観客のスマートフォンのライトで作られた光がテイラーの周りを彩った「majorie」の後、「特別な今夜を本当にありがとう」と感謝したテイラー。この公演のために東京まで遠征した人々にも「感謝してもしきれない」と述べた彼女は、2日前のグラミー賞や、そこで発表したばかりのニュー・アルバム(※)についても触れながら、幸せを噛みしめる。

※実はこのニュー・アルバム「The Torchured Poets Department」のリリース発表は、グラミー賞での受賞がなければ東京公演で行う予定だったとか。日本のファンとしては嬉しすぎる話だ。

根の太い大木の映像をバックに、苔むした装飾のピアノで弾き語るのは「champagne problems」。この曲の演奏後は長い拍手が続き、テイラーは「ありがとうございます」と日本語で感謝。会場はよりいっそう盛り上がった。

このERA最後の「tolarate it」では、外に雪景色の見える個室のような背景をバックに、男性ダンサーとのカップル風パフォーマンスを繰り広げた。

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Reputation

モニターにはハイヒールと怪しげなヘビが映り、テイラー史上もっともダーク&クールなアルバム「Reputation」の時代へ。
テイラーもダンサーたちもクールな黒い衣装に着替え、1曲目は「…Ready For It?」。テイラーたちはせり上がったステージの上でそろったダンスを披露した。スモークも焚かれ、風に吹かれながらのラストサビの大胆不敵なパフォーマンスは、それまでと曲風がガラっと変わった「Reputation」発売時の「時代の変化」を思い出させる。

独特のメロディで始まる「Delicate」冒頭では、海外で生まれた定番のかけ声に合わせて日本のスウィフティーズも「1、2、3…Let’s Go Bitch!」と声を揃えた。

「evermore」の時代と同じ会場とは思えないヘヴィーでクールな空気。映像にはキャンドルが灯り、「Don’t Blame Me」の重厚なビートが腹の奥底を打つ。ラストサビでテイラーは圧倒的なハイトーンを響かせた。

Look What You Made Me Do」では同曲のミュージック・ビデオを彷彿とさせる演出。モニターにはさまざまな種類の衣装が映し出された。この楽曲の象徴的なセリフ「’cause she’s dead」はもちろん大合唱だ。

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Speak Now

映像のヘビは去り、紫の星空が浮かぶ。
クールな黒い衣装から一転、「Speak Now」のERAではプリンセススタイルのゴージャスなドレスをまとったテイラー。花畑の映像と、青空から星空に変わっていくような美しい演出の中で披露したのは「Enchanted」だ。

Long Live」ではドレス姿のテイラーを中心にコーラス、バンドメンバーも横一列に並ぶ。これは「Speak Now Tour」での構図を再現した演出で、ファンにとってはエモーショナルな瞬間だ。

Red

転換の間、ダンサーの1人が赤い箱を運んできてジュークボックスのようにテイラーの楽曲の一部を流すと、観客はその続きを楽しそうに歌って返す。最後に彼女が箱を開けると、赤い風船が舞い上がっていき、「Red」のERAへ。

ハットにTシャツというカジュアルなスタイルに着替えたテイラーが身軽にステージを駆け回る。このハットはパフォーマンス中、1人の幸運な観客に手渡されたようだ。

他のERAはランダムに配置されているなか、「Speak Now」から「Red」は時系列のまま繋がっている。プリンセスのような世界からカジュアルなポップスターへ。当時の感覚を追体験するような感覚だ。

アルバム名どおり赤い衣装に身を包んだダンサーたちと飛び跳ねた「22」からそのまま「We Are Never Ever Getting Back Together」へ。日本でも耳にしたことがない人を探すのが難しそうな定番曲のイントロに、会場は今回随一の歓声を上げ、大合唱を楽しんだ。

続く「I Knew You Were Trouble.」では観客の声が上がるタイミングで大きくスモークが上がる。

「Red」パートのラストは「All Too Well (10 Minute Version)」。雪のような光が穏やかに落ちてくる映像の中、赤く輝く衣装と黒のラメの入ったギターで10分間の曲を歌い切った。

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Photo Credit: TAS Rights Management

folklore

映像に舞い降りていた雪が今後は舞い上がっていき、コンテンポラリーダンスのようなパフォーマンスが開始。自然浴に浸るような音とともに月が降りてくる。「folklore」のERAだ。

満月が落ちた背景では森を描いた映像が180度回転。気づけば山小屋のようなセット(フォークロア・キャビン)が現れている。屋根に腰掛けたり寝転んだりしながら、ドレスをはためかせるテイラー。まず彼女が歌うのは「the 1」だ。

「これまでに作ったことのない曲を、物語のように紡いだ。物語やキャラクターを作り上げたの」というアルバム「folklore」。
「betty」「august」「cardigan」はティーンエイジャーの三角関係を3人の視点から描いた楽曲たちだ。

まずは少女に歌いかけるような優しい楽曲「betty」。ハーモニカやアコースティック・ギターによるのどかなサウンドが心地良い。

汽車が走ってくる映像と共に歌い出したのは「the last great american dynasty」。夜の海辺のような映像と、音楽の穏やかなトーンがマッチしている。続く「august」でテイラーは、軽やかな衣装の袖や裾をはためかせながらクルクルと舞い踊った。

自然な流れで移行した「illicit affairs」を感情を込めて歌い上げると、「my tears ricochet」では喪服のような黒装束のダンサーたちと共にパフォーマンスを行った。

最後は「cardigan」。後方ではミュージック・ビデオを思い起こさせる蛍の光のような幻想的な映像が流れる。ふと人里を離れ、自然の中でひっそりと休憩しているような気分にさせられるERAだった。

1989

へそ出しスタイルのブルーのセットアップで爽やかに登場した「1989」のERA。

それぞれ異なるモノトーンの衣装をおしゃれに着こなしたダンサーたちと共に「Style」を披露すると、「Blank Space」ではダンサーたちがネオンライトで光る自転車で登場。さらにテイラーとダンサーたちは、ネオンライトで光るホッケー・スティックを使って、モニターに現れた車(の映像)を破壊してみせた。

Shake It Off」ではイントロで歓声が上がり大合唱に。中央ステージを左に右にスキップしながら楽しげに踊るテイラー。

Wildest Dreams」では燃え上がるような映像をバックに、黒に輝く衣装のダンサーたちとスタイリッシュなパフォーマンス。続いて「Bad Blood」では観客から大きな歓声が。炎と煙が上がるなか、観客の「Hey!」が会場に響き渡った。

アコースティック・パート

青いドレスに着替えたテイラーが中央ステージに現れると、アコースティック・バージョンの楽曲を2曲披露するパートに。

アコースティック・ギターで披露したのは、なんとライブでの披露が初だという「Dear Reader」。アルバム「Midnights」の特別版(3am Edition)からの楽曲だ。

キュートなデコレーションが施されたピアノでは、アルバム「Red」から「Holy Ground」を披露した。

Midnights

テイラーが“ステージの床に飛び込む”と、彼女のシルエットがステージを泳ぎ出し、東京ドームは「Midnights」の幻想へ沈んでいく。

ラベンダー色の衣装を着たテイラーは、それぞれのミュージック・ビデオをバックに、「Lavender Haze」「Anti-Hero」を圧倒的な世界観で披露した。

ステージが細かい光の束に囲まれ、「Midnight Rain」へ。傘を持ったダンサーたちが集まってくると、テイラーはブルーの衣装に早着替えして登場した。舌を出しながらウィンクを決めるサービスショットには大きな歓声が上がる。

Vigilante Shit」ではテイラーとダンサーたちが一丸となり、椅子を用いたセクシーなダンス・パフォーマンスで会場を圧倒。「Bejeweled」では映像にエフェクトがかかり、モニターのテイラーはまさに“shimmer”に輝いた。楽しげに踊るテイラーとダンサーたちに、会場からも「Nice!」の声が響く。

Mastermind」ではダンサーたちがウェーブのような連携の取れた動きを披露。公演終了に向けたパレードのような堂々たるパフォーマンスに、名残惜しさが沸いてくる。

「すばらしい最高のお客さんだったよ、本当にありがとう。愛してる。じゃあ最後にもう1曲聴く準備はいい?」と告げて歌う最後の曲は「Karma」。鳴り止まない歓声の中、またも日本語をまじえて「日本大好き!ありがとうございます!We Love You!」と叫んでくれたテイラーに、歓声はより一層大きくなった。

紙吹雪の中でメンバー紹介をし、大興奮の声援と拍手を浴びながら去っていったテイラー。圧巻・怒涛のコンサートに、会場の余韻も深かった。

アルバムごとに大きく特色が分かれるからこそ成立する、目まぐるしく世界観が変わるTHE ERAS TOUR。テイラーのツアーの中でも歴史的なこのツアーが日本に上陸してくれたことに、深く感謝を感じている。

(ライブレポート以上)

テイラー・スウィフト「THE ERAS TOUR」2月7日(水)東京ドーム公演 セットリスト

1.Miss Americana & The Heartbreak Prince
2.Cruel Summer
3.The Man
4.You Need to Calm Down
5.Lover
6.The Archer
7.Fearless
8.You Belong With Me
9.Love Story
10.’tis damn season
11.willow
12.majorie
13.champagne problems
14.tolarate it
15.…Ready For It?
16.Delicate
17.Don’t Blame Me
18.Look What You Made Me Do
19.Enchanted
20.Long Live
21.22
22.We Are Never Ever Getting Back Together
23.I Knew You Were Trouble.
24.All Too Well (10 Minute Version)
25.the 1
26.betty
27.the last great american dynasty
28.august
29.illicit affairs
30.my tears ricochet
31.cardigan
32.Style
33.Blank Space
34.Shake It Off
35.Wildest Dreams
36.Bad Blood
37.Dear Reader
38.Holy Ground
39.Lavender Haze
40.Anti-Hero
41.Midnight Rain
42.Vigilante Shit
43.Bejeweled
44.Mastermind
45.Karma

フォトギャラリー(別日の写真も含む)

(Photo Credit: TAS Rights Management)

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