アカデミー賞、「作品賞」ノミネートの条件として新基準を設ける 人種、性別、LGBTQコミュニティ、障がい者など多様性&インクルージョン奨励のため

2020年アカデミー賞の様子
2020年アカデミー賞の様子

映画界最大の祭典と呼ばれる「アカデミー賞授賞式」が、2024年の開催より新たな基準をもうけ、この基準のうち2つに満たなければ最重要部門である「作品賞」にノミネートすることができなくなることを発表した。

アカデミー賞を主催している「映画芸術科学アカデミー」は9月8日、同授賞式の作品賞にノミネートされるために新たな4つの基準を設定することを発表。この基準は性別、LGBTQなどのセクシュアルマイノリティー、人種、エスニシティ、障害など様々なバックグラウンドを持つ人々をスクリーン上でもそうでない場所でも平等に扱うことを奨励したもの。多様性とインクルージョンを求めるものだ。

インクルージョンとは直訳すると包括・包含という意味であり、この場合映画に関わるすべての従業員が仕事に参画する機会を持ち、それぞれの経験や能力、考え方が認められ活かされるという状態のことだ。

映画芸術科学アカデミーは基準として4つのカテゴリーを設定。「作品のキャスティングやテーマ」「製作スタッフ」「有給インターン、仕事の機会などの人材育成」「マーケティングや宣伝」と別れており、このうち2つの基準を満たすことが条件となる。

各カテゴリーでは「二次的およびマイナーな役の少なくとも30%は、女性、人種/民族的少数派、LGBTQなどの性的マイノリティー、障がい者のうち2つのグループの俳優を起用しなければならない」「製作スタッフの少なくとも30%が、女性、人種/民族的少数派、LGBTQ、障がいを持つ人である」などと細かく決められている。

ハリウッドはかねてから白人や男性中心の業界だと批判されてきた。過去には俳優部門にノミネートされた20人全員が2年連続で白人であったことから、「#OscarsSoWhite(白人ばかりのアカデミー賞)」といったハッシュタグも作られ批難が相次いだ。

アカデミー賞の公式ツイッターでは「変化は今始まる」とコメント。世界最大の授賞式であるアカデミー賞がこのような多様性を推奨するルールを設けることが、今後世界にどのような影響を与えていくかに注目が集まっている。

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