ジョニー・デップ、「#MeTooの“実験台”にされた」と告白 アンバー・ハードとの裁判を振り返る

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ジョニー・デップ Tom Rose / Shutterstock.com
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俳優ジョニー・デップが、元妻アンバー・ハードとの名誉毀損裁判について語り、「自分は#MeToo運動の“実験台”のような存在だった」と胸中を明かした。

ロンドン・タイムズのインタビューでデップは、「あの裁判で本当に辛かったのは、自分を裏切った3人の人物がいたことだ」と語った。その3人はかつて子どもたちの誕生日パーティーにも参加していた親しい人物で、「彼らが自分をかばえなかったのは、正しい判断を下すことが最も怖いと感じていたからだろう」と述べている。

現在62歳のデップは、ハードとの裁判が#MeToo運動が広く注目を集める前に始まったことに触れ、「自分はまるで“試される存在”だった。すべての矢面に立ち、それを受け止める役割を担わされた」と語った。さらに、「業界で出会った何百人という人たちが沈黙を守った。『今は黙っておいた方が安全だ』『社会的に正しい行動を取らなければ』という空気が支配していた」と、当時のハリウッドの風潮にも苦言を呈した。

#MeToo運動は2006年、活動家タラナ・バークによって始まり、2017年に女優アリッサ・ミラノのSNS投稿をきっかけに世界中で拡散した。ハードは2016年にデップによる家庭内暴力を主張し、後のハーヴェイ・ワインスタインによる性的加害告発へと続く大きな動きの先駆けとなった。

2019年、デップはハードが2018年に『ワシントン・ポスト』へ寄稿した記事によって名誉を傷つけられたとして、5,000万ドルの損害賠償を求めて訴訟を提起。2022年、裁判所はデップの主張を一部認め、ハードに対し、1,000万ドルの損害賠償と35万ドルの懲罰的損害賠償を支払うよう命じた。一方でハードの反訴も一部認められ、200万ドルの支払いがデップに命じられた。

その後、2022年12月に和解が成立し、ハードはデップに対して100万ドルを支払うことで決着した。翌年、ハードは長女ウーナ・ペイジとともにスペインへ移住した。

最近では、ハードの元恋人であるカメラオペレーターのビアンカ・ブッティが、「親密な関係だった自分には彼女の訴えが本物だとわかる」と語っており、この騒動は今なお波紋を呼び続けている。

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