海外ドラマ『HEROES/ヒーローズ』のクレア・ベネット役などで知られる俳優ヘイデン・パネッティーアが死去した。36歳だった。現地時間8月16日、父スキップ・パネッティーアが声明を発表し、代理人も死去を認めた。現時点で死因は明らかにされていない。
2000年代に海外ドラマを見ていた人なら、彼女の姿を覚えている人も多いだろう。『HEROES/ヒーローズ』で演じたのは、驚異的な治癒能力を持つ高校生チアリーダー、クレア・ベネット。「チアリーダーを救え、世界を救え(Save the cheerleader, save the world)」というフレーズとともに、作品を象徴する存在となった。
父が死去を発表「私たちの愛するヘイデン」
AP通信などによると、父スキップはABC Newsを通じて声明を発表。「愛するヘイデンが悲劇的に亡くなったことを、深い悲しみとともにお伝えします」と明かした。
父は娘を「自然の力のような存在」と表現し、彼女を知る人、そしてスクリーンを通じて彼女を見てきた人々に、計り知れない愛と喜びをもたらしたと振り返っている。
死因については発表されていない。
『HEROES/ヒーローズ』のクレア役で世界的人気に
1989年8月21日、ニューヨーク州生まれのパネッティーアは、わずか11か月のころからCMに出演。その後、『ワン・ライフ・トゥ・リヴ』『ガイディング・ライト』などに子役として出演し、幼いころから長いキャリアを築いてきた。
映画ではデンゼル・ワシントン主演『タイタンズを忘れない』(2000)や『アイス・プリンセス』(2005)などに出演。そして2006年、世界的なブレイクにつながったのがNBCのドラマ『HEROES/ヒーローズ』だった。
パネッティーアが演じたクレア・ベネットは、どんな大ケガを負っても回復してしまう特殊能力を持つ高校生。シーズン1では彼女をめぐる謎が物語の大きな軸となり、「チアリーダーを救え、世界を救え」というキャッチフレーズは『HEROES』そのものを象徴する言葉となった。
日本でも2000年代後半の海外ドラマブームを代表する作品のひとつとなり、パネッティーアの知名度を一気に押し上げた。
『NASHVILLE』では歌手役、ゴールデングローブ賞に2度ノミネート
『HEROES』終了後も活躍は続いた。
2012年から出演したドラマ『NASHVILLE/ナッシュビル』では、若きカントリー歌手ジュリエット・バーンズを演じ、俳優としてだけでなく歌唱力も披露。この演技によって2013年、2014年と2年連続でゴールデングローブ賞の助演女優賞にノミネートされた。
ホラー映画ファンには『スクリーム』シリーズのカービィ・リード役でもおなじみだ。2011年の『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』で同役を演じ、2023年公開の『スクリーム6』では約12年ぶりにカービィ役へ復帰。長年のファンを喜ばせた。
華やかなキャリアの裏で明かしていた苦悩
一方、パネッティーアは華やかなキャリアの裏で経験した苦悩についても、近年率直に語っていた。
2014年には元婚約者で元ボクシング世界王者のウラジミール・クリチコとの間に娘カヤが誕生。その後、産後うつやアルコール依存などを経験したことを公表し、治療を受けたことも明らかにしていた。
さらに2023年2月には、弟で俳優・アーティストのジャンセン・パネッティーアが28歳の若さで急死。家族は後に、心臓肥大と大動脈弁の合併症が原因だったと発表している。
パネッティーアは弟の死による深い悲しみについても公の場で語っていた。
今年5月には回想録を出版したばかり
そして2026年5月、パネッティーアは回想録『This Is Me: A Reckoning』を出版した。
幼いころからショービジネスの世界で生きてきた経験をはじめ、依存症、うつ、人間関係、母親になること、そして弟の死など、自身の人生について赤裸々につづった一冊だ。
Peopleによれば同書はニューヨーク・タイムズのベストセラーリストで4位に入った。パネッティーアは出版にあたり、自身の経験を語ることが、同じような苦しみを抱える人の助けになることを願っていたという。
俳優としても活動を再び活発化させており、近年は『Amber Alert』『A Breed Apart』などに出演。長いキャリアの新たな章へと歩み出していたところだった。
7月27日にはインスタグラムを更新し、写真家ランドール・スラヴィンと笑顔で写った写真を投稿。「Good times and good friends(楽しい時間と、すてきな友人たち)」とつづっていた。Peopleによれば、これが彼女にとって最後のインスタグラム投稿となった。
『HEROES/ヒーローズ』で世界中の視聴者に鮮烈な印象を残した、不死身のチアリーダー、クレア・ベネット。その役を演じたパネッティーアは、子役時代から30年以上にわたってスクリーンに立ち続けた。
36歳。あまりにも早い別れとなった。



