ニコラス・ケイジ主演のドラマ『スパイダー・ノワール(Spider-Noir)』が、シーズン1をもって終了することが明らかになった。
ところが、そのわずか2日後、同作は第78回エミー賞でなんと5部門を受賞。シーズン2が制作されないという残念なニュースの直後に、作品の完成度を証明するかのような結果となった。
そして主演のケイジ本人は、シリーズ終了について意外にも前向きだ。「僕にとっては、1シーズンで完璧」と語り、作品でやりたかったことは十分に表現できたという充実感をのぞかせている。
『スパイダー・ノワール』シーズン2は制作されず
Prime Videoが『スパイダー・ノワール』をシーズン2へ更新しないことが報じられたのは9月4日。
同作は2026年5月に配信をスタートしたばかりで、全8話のシーズン1をもって終了することになる。
ケイジは、1930年代のニューヨークで私立探偵として暮らすベン・ライリーを演じた。かつて街で唯一のスーパーヒーロー“スパイダー”だった男が、自身の過去と再び向き合っていくノワール調の物語だ。
本作は、ニコラス・ケイジにとって初のテレビシリーズのレギュラー主演作でもあった。
ニコラス・ケイジ主演『スパイダー・ノワール』予告編
打ち切りからわずか2日後、エミー賞5冠
しかし、シーズン終了のニュースからわずか2日後の9月6日、『スパイダー・ノワール』に思わぬ朗報が舞い込んだ。
第78回エミー賞のクリエイティブ・アーツ部門で、同作が5部門を受賞したのだ。
受賞したのは、撮影、スタント・コーディネーション、タイトルデザイン、視覚効果、音響編集の5部門。テレビ芸術科学アカデミーも公式に5冠を発表している。
『スパイダー・ノワール』はもともと今回のエミー賞で11部門にノミネートされており、2026年のPrime Video作品の中では最多。結果的に、シリーズの終了が決まった直後に、その技術面や映像表現が高く評価されるという皮肉な展開となった。
ニコラス・ケイジ「僕にとっては1シーズンで完璧」
一方、ケイジ本人はシーズン2が作られないことを、必ずしも残念には感じていないようだ。
シリーズ終了を受けて発表したコメントで、ケイジは、
「僕にとっては、1シーズンで完璧だ」
とコメント。
さらに、この“危険で革新的な、ポップアートのようなスパイダーマン”を通じて、自分が言いたかったことは言えたという趣旨を語った。
そして最後には「前へ、上へ、内へ(Onwards, upwards, inwards)」というケイジらしい言葉を添え、次へ進む姿勢を示している。
配信実績も決して小さくなかった
数字を見ると、『スパイダー・ノワール』がまったく視聴されなかった作品というわけでもない。
TheWrapによると、配信開始から最初の6週間で、米国における視聴時間は26億分に達したという。日本のPrime Videoでも、作品ページには「トップ10に10週間ランクイン」と表示されている。
それでもPrime Videoはシーズン2を制作しないという判断を下した。
現時点でAmazon側から具体的な終了理由は明らかにされていないため、「視聴者数が足りなかった」「制作費が高すぎた」といった理由を断定することはできない。
アニメから実写へ ケイジとスパイダーマン・ノワール
ケイジにとって、スパイダーマン・ノワールを演じるのは今回が初めてではない。
2018年公開のアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』でも、スパイダーマン・ノワールの声を担当。独特の低い声とハードボイルドなキャラクターで強烈な印象を残した。
『スパイダー・ノワール』では、そのキャラクターの世界観を実写ドラマへと発展させた形となり、作品はモノクロ版とカラー版の両方で配信された。
1シーズンで終わっても「完璧」
11部門のエミー賞候補となり、そのうち5部門を受賞。それでも、物語は1シーズンで幕を閉じる。
ファンにとっては残念な結果となったが、主演のケイジ自身は「1シーズンで完璧」と満足している。
長く続くことだけが作品の成功ではない――。打ち切り発表からわずか2日後のエミー賞5冠は、『スパイダー・ノワール』にとって、なんともニコラス・ケイジらしい鮮烈な幕引きとなった。
tvgrooveをフォロー!

