セレーナ・ゴメスが、母マンディ・ティーフィーらと共同設立したメンタルヘルス企業「Wondermind(ワンダーマインド)」をめぐり、投資家から提訴されたことが明らかになった。
Reutersなどによると、訴訟は8月13日、米デラウェア州の連邦裁判所に起こされた。原告はWondermind SRS 44 LLCとBespoke Wondermind LLCの2社で、Wondermindのほか、セレーナ、マンディ、元共同経営者のダニエラ・ピアソンを被告としている。
原告側は2022年、Wondermindへ約120万ドル(約1億8,000万円、1ドル=150円換算)を投資したという。当時、同社には独自のメンタルヘルス・ウェルネス事業を収益化するための経営基盤、人材、資金が整っていると説明されたものの、実態は説明と異なっていたと主張している。
訴状によると、投資家側は、5億人を超えるSNSフォロワーを持つセレーナがマーケティング責任者として積極的に会社を成長させると説明されていたという。セレーナはWondermindの宣伝や事業構築に関する契約を結んだとされるが、原告は、その役割を十分に果たさなかったと主張している。
また、同社の中核事業になるはずだったモバイルアプリが完成しなかったほか、投資時に示された企業との提携や収益化施策も実現しなかったという。原告側は、Wondermindの経営状態が悪化するなか、創業者や経営陣から十分な説明を受けなかったとも訴えている。
なお、これらは現段階では訴状に記された原告側の主張であり、セレーナらによる不正が裁判で認定されたわけではない。
給与遅配や大量解雇も報じられていたWondermind
Wondermindは、メンタルヘルスに関する記事やポッドキャスト、インタビューなどを提供するプラットフォームとして、セレーナ、マンディ、ダニエラによって2021年に設立された。
セレーナ自身のメンタルヘルスをめぐる経験も事業の背景にあり、心の健康を日常的に鍛える「メンタル・フィットネス」という考え方を広めることを掲げていた。2022年には、テニス界のレジェンドであるセリーナ・ウィリアムズの投資会社Serena Venturesなどから500万ドル(約7億5,000万円)を調達し、企業価値は1億ドル(約150億円)と評価されていた。
一方、2025年5月には、同社が従業員への給与を複数回にわたって期日どおり支払えず、フリーランサーや取引先への支払いも滞っていたとForbesが報道。さらに、15人いた従業員のうち9人にあたる約60%を解雇したことも伝えられていた。
当時、Wondermind側は、未払い問題には対応していると説明。「多くのスタートアップ企業と同じように、独自の成長過程における課題に取り組んでいる」とコメントしていた。
今回の原告側は、2025年にWondermindの経営混乱を伝える報道が出るまで、同社が抱えていた深刻な問題を把握していなかったと主張。投資金の返還に加え、損害賠償、訴訟費用、弁護士費用を求め、陪審裁判を要求している。
Reutersによると、セレーナの代理人は取材に対し、現時点で回答していない。Wondermindやほかの被告側から正式な反論が発表されるかを含め、今後の裁判の行方が注目される。



