8月に80歳で亡くなった米カントリー音楽界のレジェンド、ドリー・パートンが、生前に構想していた音楽祭が実現することになった。
ドリーの遺産管理団体は8月31日(米国時間)、公式イベント「DOLLYFEST: The Celebration of A Lifetime」を2027年に開催すると発表。ドリーの音楽人生とレガシーを祝う大規模なイベントとして、米テネシー州ナッシュビルと英ロンドンの2都市で、2週連続の週末にわたって開催される。
現時点では具体的な開催日、会場、出演アーティスト、チケット発売日などは発表されていない。
もともとはドリー本人が出演する80歳記念イベントだった
「DOLLYFEST」は、ドリーの死後に企画された一般的な追悼コンサートではない。
実はこのイベントを最初に思い描いたのは、ドリー本人だった。
当初は、ドリーが80歳の誕生日を迎えた2026年1月ごろにナッシュビルで開催する計画で、本人もパフォーマー、そしてホストとして出演する予定だったという。
企画を手がけるCTK Enterprisesの創設者兼CEO、ダニー・ノゼル氏によれば、当時すでに会場を押さえ、開催発表の準備まで進んでいた。
しかし2025年8月、ドリーが健康上の問題を抱えたことから計画はいったんストップ。その後、本人が亡くなったことで、当初の構想をどのような形で残すのかが検討されていた。
そして今回、ドリー自身が考えていたフェスティバルというアイデアを引き継ぎ、ナッシュビルだけでなくロンドンにも舞台を広げて実現させることになった。
「ドリーならどうする?」――本人の構想をそのまま未来へ
ノゼル氏は今回の発表で、ドリーの周囲でよく使われていたという「WWDD(What Would Dolly Do?=ドリーならどうする?)」という言葉を紹介。
今回のDOLLYFESTについては、それをもじって「WDWD(What Dolly Would Do=ドリーがするはずだったこと)」なのだと説明している。
つまり、誰かが新しく考えた追悼イベントではなく、ドリー本人がやろうとしていたことを、そのまま実現させようというわけだ。
それは、ドリー自身が望んでいた「別れ方」とも重なる。
AP通信によると、ドリーは伝統的な形の一般向け追悼式を望んでいなかったという。8月28日には近親者だけが参列する非公開の葬儀が行われ、本人の意向により一般向けの式典は予定されていない。
ノゼル氏は、さまざまな形でファンがドリーを偲ぶことは歓迎しながらも、公式な追悼の形としては、静かな式典を新たに設けるよりも、ドリー自身が夢見たフェスティバルを実現するほうがふさわしいとの考えを示している。
悲しみに包まれた追悼式ではなく、大勢の人が集まり、音楽を聴き、楽しみながら彼女の人生を祝う――。いかにもドリー・パートンらしいイベントになりそうだ。
出演者はまだ未発表 今後の続報に注目
「DOLLYFEST」には多数のスターが参加することが予告されているが、現時点で具体的な出演者の名前は明らかにされていない。
ドリーは60年以上にわたるキャリアの中で、カントリー音楽の枠を超えて数多くのアーティストに影響を与えてきた。
代表曲「I Will Always Love You」はホイットニー・ヒューストンのカバーによって世界的大ヒットとなり、「Jolene」は世代を超えて歌い継がれている。
【動画】ドリー・パートン「Jolene」
近年ではビヨンセが2024年のアルバム『COWBOY CARTER』で「Jolene」を大胆に再解釈したことも話題になった。
また、ドリーが「ゴッドドーター(名付け子)」として長年かわいがってきたマイリー・サイラスとは、ステージや楽曲で何度も共演してきた。
こうした幅広い人脈と音楽的レガシーを考えれば、DOLLYFESTがどのような顔ぶれになるのかは大きな注目を集めそうだ。
ただし、出演者についてはまだ何も正式発表されていない。開催日、会場、チケット情報とともに、今後順次明らかになる予定だ。
ドリー自身が80歳の節目に実現しようとしていた音楽祭。
本人がそのステージに立つことは叶わなかったが、「DOLLYFEST」は形を変え、2027年、ナッシュビルとロンドンで幕を開ける。



