『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』のフランク・N・フルター博士や、『IT』の恐怖のピエロ、ペニーワイズなど、強烈なキャラクターの数々で知られた英国出身の俳優ティム・カリーが死去した。80歳だった。
AP通信などによると、カリーは8月25日(火)、米ロサンゼルスの自宅で亡くなった。長年マネージャーを務め、友人でもあったマーシャ・ハーウィッツが死去を認めた。死因は明らかにされていない。
『ロッキー・ホラー』で唯一無二のスターに
1946年4月19日、英チェシャー生まれのカリーは、1968年にロンドン版ミュージカル『ヘアー』でプロとしてのキャリアをスタートさせた。
転機となったのは、1973年に舞台『ロッキー・ホラー・ショー』で演じたフランク・N・フルター博士役だ。
派手なメイクにコルセット、網タイツという姿で登場する妖しく大胆なキャラクターを演じ、1975年の映画版『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』でも同役を続投。映画はその後、深夜上映などを通じて熱狂的なファンを獲得し、カルト映画の金字塔となった。
【動画】ティム・カリーの伝説的怪演!『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』予告編
『IT』のペニーワイズ、『ホーム・アローン2』にも
カリーはその後も、クセの強い役を次々と自分のものにした。
1982年の『アニー』、1985年の『クルー』や『レジェンド/光と闇の伝説』などに出演。そしてホラーファンにとって忘れられないのが、スティーヴン・キング原作の1990年版『IT』で演じたペニーワイズだ。不気味な笑顔を浮かべる恐怖のピエロは、多くの視聴者に強烈な印象を残した。
1992年の『ホーム・アローン2』では、マコーレー・カルキン演じるケビンを怪しんで追いかけるプラザホテルのコンシェルジュ、ミスター・ヘクター役で出演。短い登場時間ながら、表情豊かな演技で抜群の存在感を発揮した。
ほかにも『三銃士』『マペットの宝島』『チャーリーズ・エンジェル』などに出演。舞台では『アマデウス』『スパマロット』などで計3度トニー賞にノミネートされた。
また、特徴的な声を生かして声優としても活躍。『ピーター・パン&ザ・パイレーツ』のフック船長役ではデイタイム・エミー賞を受賞している。
2012年に脳卒中、それでも活動を継続
2012年、カリーは大きな脳卒中に見舞われ、その後は車椅子での生活となった。
それでも活動を続け、2016年にはテレビ版『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』にナレーター役で出演。2024年にはホラー映画『Stream』で久しぶりにスクリーンにも登場した。
2025年には自伝『Vagabond』を出版。脳卒中後の人生についても率直につづっていた。
共演者たちから追悼の声
訃報を受け、共演者からも追悼の声が寄せられている。
『アニー』で共演したキャロル・バーネットは、愛すべき悪役を演じることにおいてカリーほどの人物はいなかったと振り返り、大切な友人だったと追悼した。
『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』で共演したスーザン・サランドンも、カリーを「面白くて、セクシーで、唯一無二」の存在だったと称えた。
網タイツ姿のマッドサイエンティストから、恐怖のピエロ、怪しげなホテルマンまで――。
映画、テレビ、舞台、声優と約60年にわたって活躍し、誰にも真似できない「怪演」で観客を楽しませ続けた名優が、この世を去った。
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