エド・シーランの大規模ツアー「Loop Tour」をめぐり、サポートアクトの離脱が相次いでいる。
ビリー・アイリッシュの兄で、プロデューサー/シンガーソングライターとして活躍するフィニアスをはじめ、ルーカス・グラハム、アーロン・ロウ、そしてエドのステージを支えてきたアイルランドのバンド、ビオーガが、今後予定されていたツアーへの参加を取りやめることを発表した。
今回の動きは、ラッパーのマックルモアが「Loop Tour」から外れたことを受けたもの。フィニアスらはそれぞれの声明で、マックルモアやパレスチナの人々への連帯を表明している。
フィニアスらが相次いでツアー離脱
9月15日(現地時間)、フィニアス、ルーカス・グラハム、アーロン・ロウ、ビオーガが相次いで「Loop Tour」から離脱することを明らかにした。
フィニアスはInstagramで、抑圧されている人々のために声を上げるアーティストが沈黙させられるべきではないとの考えを示し、エドとの今後のツアー日程から撤退すると発表。「パレスチナとその人々とともにある」と立場を明らかにした。
フィニアスは、今後予定されているエドの南米公演でサポートアクトを務める予定だった。
【公式投稿】フィニアス、エド・シーランのツアーからの離脱を表明
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一方、ルーカス・グラハムとアーロン・ロウは、マックルモアに代わって今後の米国公演に出演する予定だったが、こちらも辞退を表明した。
ルーカス・グラハムは、経済力によって誰が発言できるかが左右されるべきではないとの考えを表明。アーロン・ロウも、エドへの感謝や友情を強調しながら、今回の状況ではツアー出演を続けられないとの立場を示した。
また、エドと10年以上にわたり交流し、ライブでも共演してきたアイルランドのバンド、ビオーガも離脱を決定した。
なお、4組すべてが同じ立場の「前座」だったわけではない。フィニアスは南米公演への出演を予定し、ルーカス・グラハムとアーロン・ロウは米国公演でマックルモアに代わる出演者となる予定だった。一方、ビオーガはエドのライブ中盤で複数曲を共演するバンドとしてツアーに参加していた。
【公式投稿】ルーカス・グラハムもツアー離脱を発表
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【公式投稿】アーロン・ロウ、エドへの感謝を述べつつ出演辞退
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【公式投稿】ビオーガも「Loop Tour」から離脱
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発端はマックルモアの「Free Palestine」発言
一連の動きの発端となったのは、ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われた「Loop Tour」でのマックルモアのパフォーマンスだ。
マックルモアはステージ上でパレスチナについて言及。今回のツアーに参加した理由のひとつとして、アメリカ各地のスタジアムで「Free Palestine」と訴えたかったと観客に語った。
さらに、パレスチナ支持の抗議運動に関連して発表した楽曲「Hind’s Hall」を披露した。
【動画】マックルモア、エド・シーランの公演で「Free Palestine」と訴える
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マックルモア本人が公開したメットライフ・スタジアムでの映像。ステージから観客に向け、自身の考えを語る様子を見ることができる。
Xにも本人が映像を投稿している。
Wanting all humans to be treated equal should never be controversial. pic.twitter.com/BOJ9xMoIZn
— Macklemore (@macklemore) September 7, 2026
マックルモアはこの発言の中で、イスラエルへの批判とユダヤ人への批判は同じではないとの考えを説明し、自身のメッセージは、すべての人が尊厳や平等をもって扱われることを求めるものだと主張した。
複数会場がマックルモアの出演に反対
その後、「Loop Tour」が予定されている複数の米国会場から、マックルモアが出演を続ける場合は公演を開催できないとの意向がツアーのプロモーター側に伝えられた。
ツアーを手がけるメッシーナ・ツーリング・グループは、今後の米国公演の会場から、マックルモアがラインナップに残った場合はコンサートを開催できず、ツアーや数十万人の観客に影響が及ぶ可能性があるとの通知を受けたと説明。関係者との協議を経て、マックルモアは残るサポート日程に出演しないことになった。
【動画】マックルモアがエド・シーランのツアーから外れた経緯をCBSニュースが報道
CBSニュースは、マックルモアのステージでの発言と、その後ツアーから外れることになった経緯を映像で報じている。
マックルモア、エドとの「難しい話し合い」を明かす
マックルモアは9月14日、自身のInstagramに長文の声明を投稿。エドとはこの問題について何度も話し合い、互いへの愛情と敬意に基づいた会話だったものの、最終的には根本的な意見の違いが残ったと説明した。
またマックルモアは、ジレット・スタジアムを所有するクラフト・グループのロバート・クラフト氏が自身の出演に反対し、ほかの会場にも同様の動きが広がったとの認識を示した。
一方で、今回の意見の相違によって、長年にわたるエドとの友情そのものが終わるわけではないとも強調している。
【公式投稿】マックルモア、ツアー離脱について長文声明
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エド・シーラン「僕の決定ではなかった」
一方、エドは9月15日、自身のInstagramに長文の声明を投稿。マックルモアがツアーから外れることになった判断について、自身が決定したものではなかったと説明した。
エドによると、ニュージャージー公演の後、今後公演を予定している会場側から、マックルモアが出演を続ける場合は公演そのものを取りやめるとの連絡があったという。
その後、会場やプロモーター、異なる立場の活動家らと話し合い、解決策を模索したものの、最終的に合意には至らなかったと説明。マックルモアがツアーを離れることになったのはプロモーターの決定であり、自身の決定ではなかったと明言している。
さらに、マックルモアのツアー出演契約はエド本人ではなく、プロモーターとの間で結ばれていたことも説明した。
【公式投稿】エド・シーラン、マックルモア離脱について声明
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エドはさらに、自身のコンサートについて、さまざまな背景を持つ人々が集まり音楽を楽しめる場所でありたいとの考えを説明。自身にも今回の紛争について個人的な考えはあるとしながら、プロとしての活動の場を政治的な議論の場にはしないという姿勢を示した。
その一方で、マックルモアが自身の信念を公に訴える姿勢については尊重していると述べている。
【動画】エド・シーランが説明「マックルモアを外したのは僕ではない」
CBSニューヨークは、エドの声明とマックルモアがツアーから外れた経緯を映像で報じている。
会場側はマックルモアの言動への懸念を説明
一方、今後「Loop Tour」が開催されるジレット・スタジアムを所有するクラフト・グループのロバート・クラフト氏は、マックルモアの最近の発言やステージ上で示された内容、さらに過去に反ユダヤ的だとの批判を受けた表現などを理由に、同スタジアムでの出演を認めないと判断したと説明している。
クラフト氏は、パレスチナの民間人の苦しみを軽視する意図はないとしたうえで、パレスチナの人々への支持と、反ユダヤ主義や憎悪への反対は両立できるとの立場を示した。
これに対してマックルモアは、反ユダヤ主義は現実に存在する深刻な問題だとしたうえで、イスラエル政府への批判や「Free Palestine」という主張を、ユダヤ人への憎悪と同一視することには反対する考えを示している。
1人のツアー離脱からサポートアクトの相次ぐ辞退へ
マックルモアの出演をめぐって始まった問題は、フィニアスをはじめとする複数のサポートアクトやミュージシャンが相次いでツアーから離脱する事態へと発展した。
エド、マックルモア、離脱を決めたアーティスト、そして会場側がそれぞれ異なる立場を示すなか、「Loop Tour」は今後も米国公演を予定している。
エドは日本でも高い人気を誇り、フィニアスもビリー・アイリッシュの兄であり主要コラボレーターとして広く知られているだけに、今後のツアー体制にも注目が集まりそうだ。
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