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「Lの世界」から10年経った今を描く「Generation Q」「7年も待ってた!」とジェニファー・ビールス

「Lの世界」ジェニファー・ビールス COLUMNS
「The L Word: Generation Q」ジェニファー・ビールス

復活の発表があったのは、今年1月31日のTCA冬のプレスツアーで、本サイト2月1日掲載の「2000年代の人気ドラマ『Lの世界』の復活が正式決定!主演ジェニファー・ビールス続投」で報道されました。今回は、8月2日にパネルインタビューが実施された「Lの世界」続編「The L Word: Generation Q」制作発表のご報告です。

「The L Word」は、米国では、2004~2009年までプレミア・ケーブル局Showtimeで6シーズン計70話が放送されました。日本では、Fox系で「Lの世界」と題して放送されています。ウエスト・ハリウッドを舞台に、レズビアンやバイセクシュアルの女性の愛、裏切り、葛藤を描いた、正に時代の先端を行くドラマとして話題を呼びました。

 

Lの世界

「Lの世界」のレギュラー7人。左からローズ・ロリンズ(ターシャ役)、カリーナ・ロンバード(マリナ役)、レイシャ・ヘイリー(アリス役)、ジェニファー・ビールス(ベット役)、ローレル・ホロマン(ティナ役)、キャサリン・メーニッヒ(シェーン役)、レイチェル・シェリー(ヘレナ役)

 

TCA夏のプレスツアー中、8月2日にShowtime局が新作発表会としてパネルインタビューを実施。パネルに参加したのはオリジナル版のクリエイターで、続編「The L Word: Generation Q」の制作総指揮者としても名を連ねるアイリーン・チェイケンと制作総指揮兼ショーランナーのマーヤ=ルイス・ライアン。オリジナルキャストから続投するジェニファー・ビールス(ベット・ポーター役)、キャサリン・メーニッヒ(シェーン・マカチョン役)、レイシャ・ヘイリー(アリス・ピエゼッキー役)の3人は、エクゼクティブ・プロデューサーの肩書きをもらっています。’Q世代’キャラを演じるアリアンヌ・マンディ、ジャックリーン・トボニ、ロサニー・ザヤス、レオ・シェンの4人も登場しました。

 

続編に関与する(左から)プロデューサーのチェイケン、ザヤス、マンディ、ヘイリー、ビールス、メーニッヒ、トボニ、シェン、ショーランナーのライアンが8月2日、勢揃い

 

「この10年、世の中は豹変したけど、レズビアンはまだまだテレビ界に君臨すべき!」とチェイケンが開口一番。ビールスは「続編は、現在話題になっているセクシュアリティやジェンダー・アイデンティについて、我々の世界を広げて行く」と発表しました。更に、「もう7年も、この日が来るのを待ってたの。だって、『Lの世界』に取って代わる群像劇にまだお目にかかってないんだもの。やるっきゃないでしょ!」と喜びを隠せません。

https://twitter.com/jenniferbeals/status/1157685833375215616

 

ショーランナーのライアンは、「続編にしたのは、10年経った今何が変わって、何が変わっていないか?を比べたかったから」と言います。続編に登場する新キャラは、LAのレズビアンコミュニティーでの自らの体験を元に創作したことを明らかにした上、「『Lの世界』のお陰で、LGBTQ+に対する偏見がなくなったと言えないのは残念だけど、現在の若者のお手本になるのが、我々の使命だと信じている」と抱負を語りました。

「Lの世界」は、主に恋愛を扱った群像劇でしたが、「カミングアウトした後の苦い体験ではなく、クイアに夢と希望を与える展開にする」とライアン。キャラ達のキャリアやLGBTQ+のメンバーとしての社会的役割等、キャンバスを拡大します。又、ウエスト・ハリウッドからシルバーレイクにドラマの舞台及び撮影所を移したのは、シルバーレイクが現在のLA文化の中心だからです。サンタモニカなど、旧中心街に住んでいるキャストから、毎日「渋滞がひどくて、撮影に遅れる」と電話があります。通勤時間が長過ぎ!と文句が出るのも日常茶飯事とか. . .

 

オリジナルキャストで制作にも深く関与している(左から)ビールス、ヘイリー、メーニッヒ。「7年も、この日が来るのを待っていた」と口々に喜びを語る

 

続編には、23歳のトランスジェンダー俳優レオ・シェンが演じる社会福祉士マイカを核にした、トランスコミュニティーが新たに追加されます。トボニは、敬虔なカトリック教徒の家族と疎遠になり、ジプシー的生活を続けるサラ・フィンリー(通称フィンリー)を演じます。腰を落ち着けたくないのは、これまで心の奥底に押し込んで顧みなかった、後ろめたさや葛藤に直面するのが怖いからです。ザヤスは、TVプロデユーサーのソフィー・スアレス役。10年前と打って変わって、「レズビアンで非白人が、プロとしてのキャリアを維持するために、どれほどの努力をしているかを見て欲しい」と語りました。マンディは、大手PR会社の重役ダニー・ニュネス役です。裕福な家庭に育ち、一切苦労せず現職についたため、旧世代のレズビアン(キャストの誰かは指定なし)と知り合って、自分探しの旅に出ることを余儀無くされます。

 

(左から)トボニ(フィンリー役)、シェン(マイカ役)、マンディ(ダニー役)、ザヤス(ソフィー役)がQ世代を代表する新キャスト

 

メーニッヒが演じたシェーンがどのような変化を遂げたか?については、「しばらくLAを離れていたシェーンが、舞い戻って来る所から始まるの。どこにいたか、何をしていたかは、まだ公表できないけど、10年経っても短所はそのまま手付かずだから、未来に向かって走り出すのに、重しになって邪魔をする訳。誰でもそうじゃない?」と説明。

「ベット、アリス、シェーンが、10年後どれ程成長したかについて、ライター達と、とことん話し合ったの。10年経ったからって、人間必ず変わると言う保証はどこにもない訳で、時間を有効に使ったかどうかが問題。反省も何もなければ、10年と言う時が流れただけだもの. . .」と哲学的なコメントをするメーニッヒでした。ごもっとも!

ヘイリーは「撮影初日は、我々3人のシーンだったの。あ、ジェニファーはベットのいつもの’癖’をやってる。ケイトは、シェーンの’癖’だ!と思ったら、何の抵抗もなくアリスに戻れて、あー良かった!昔のままだ!って. . .夢見てるみたいだった」と10年と言う月日が流れたことを全く感じなかったセット1日目の体験を語りました。

米国での放送開始は、本年12月8日(日)午後10時です。

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メーニッヒから日本のファンへ:「2008年以来、日本に行ってないけど、今度は続編を引っ提げて来日したいわ。待っててね!」

※当記事初出時に一部不適切な表現がございました。訂正してお詫び申し上げます。

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