COLUMNSFILMS/TV SERIES

「Claws」最終シーズンは、6月6日から開始 但し、トレーラーは未発表

COLUMNS
「Claws」シーズン3の番宣用写真。最終シーズンを待ち侘びているファンは大勢いると言うのに、トレーラーは疎か、番組宣伝も全く目にしない。

2017年の旧サイトの記事で「ネイルサロンのソプラノズ!?」と題してご紹介した「Claws」は、フロリダ・ノワール(犯罪ドラマ)+ドラメディーです。フロリダの炎天下で繰り広げられる奇妙奇天烈な犯罪や惨殺シーンと、ネイルサロン/プールサイドのダンスシーンとの明暗のコントラストで綴る現実逃避に最適の番組です。2019年8月11日を最後に画面から姿を消してしまいましたが、視聴者の心が荒んでいた2020年にこそ観たかった作品だと言えます。

しかし、現実は視聴者の思い通りにはなりません。2020年春、ニューオーリンズでの撮影が中断されて以来、撮影班にコロナ陽性が出る度に、安全を期して2週間撮影を停止しては再開を繰り返して、12月にシーズン4の撮影を辛うじて完了しました。

ケーブル局TNTからお知らせがあった訳ではないのですが、検索するとシーズン4の開始日は6月6日となっています。2017年以来、毎年6月初旬に放送を再開していたので、当然と言えば当然ですが、今の所トレーラーは発表されていません。前回ご紹介した「サバヨミ大作戦」の曖昧模糊兼「パラマウント+って何よ、それっ?」のトレーラーより、待ちに待ったプレミア日が確定されている方が、余程安心できると言うものです。

 

日本でも、動画配信サービスで視聴できないかと色々と調べてみましたが、遺憾ながら日本では観ることはできません。

舞台は、フロリダ州マナティ郡(人口約34万)。マイアミのような洗練された都会ではなく、労働階級が住む町で、デズナ(ニーシー・ナッシュ)は自閉症の弟ディーン(ハロルド・ペリノー)を抱えながら、ネイルサロンを経営しています。夢は高級ネイルサロンを居抜きで買い取って、フランチャイズ展開し、大邸宅で暮らす一大実業家になること。その資金稼ぎに、地元の暴力団ディキシー・マフィア経営のペイン・クリニックのマネー・ローンダリングに手を貸したばっかりに、次々ととんでもない事件に巻き込まれます。

デズナ(ニーシー・ナッシュ)は、自閉症の弟ディーン(ハロルド・ペリノー)を守る為なら、何でもする’過保護’姉。ディーンは独り立ちしようと試みるが、世間知らずで騙され易いので、片時も目が離せない。(c) Patti Perret/TNT

 

デズナは母性本能が強く、問題児を拾ってきてはサポートシステムに変えて行く姉御肌。金髪グラマーのジェニファー(ジェン・ライオン)、年寄りから大金を巻き上げて詐欺罪で服役していたペテン師ポリー(キャリー・プレストン)、嘗てインテリ男性と結婚していた暗い(?)過去を引きずるレスビアンのクワイエット・アン(ジュディー・レイエス)と、ポリーのピンチヒッターとして雇われたストリッパー上がりのヴァージニア(カルーシェ・トラン)が、デズナのネイルアーティスト兼家族です。

左からデズナ(ナッシュ)、ジェニファー(ジェン・ライオン)、ポリー(キャリー・プレストン)、クワイエット・アン(ジュディー・レイエス)、ヴァージニア(カルーシェ・トラン)の5人。果たして、有終の美を飾れるだろうか? (c) Alfonso Bresciani/TNT

 

根っからのワルではない、努力するものの最後の押しが足らず(判断力の欠如?)、ずるずると犯罪に引き戻されてしまう、応援したくなるキャラが勢揃いの「Claws」です。私の一番のお気に入りは、無教養や非常識を見下されまいと、突っ張りとハッタリをきかせる余り、デズナの職場家族からつまはじきにされていたヴァージニア(カルーシェ・トラン)です。点稼ぎ(?)のために、デズナに暴力を振るっているローラー(ジャック・ケシー)を銃殺したことから、ドラマが始まった訳ですが、どう突っ張っても赤貧メンタリティーを拭い去ることができなかったヴァージニアの成長ぶりは目を見張るものがあります。ディーンの子守り役からフィアンセに昇格したかと思うと、デズナに向けられた銃弾に倒れて、一瞬ながら「悟り」を開いたりと、最も飛躍を遂げたキャラです。

悪足掻きがあいも変わらず進行形の「グッドガールズ」を観ると「もう勝手にして!」の境地に落ち込みますが、暴力団を凌いでのし上がろうとするネイルサロンのソプラノズの方が、居直っている分だけスカッとします。結末もスカッと潔ぎよく!でお願いしたいものです。

tvgrooveをフォロー!