ハーヴェイ・ワインスタインに禁錮15年 性的暴行で再び実刑判決、#MeTooを象徴する事件に新たな節目

ハーヴェイ・ワインスタイン photo: Featureflash Photo Agency / Shutterstoc FILMS/TV SERIES
ハーヴェイ・ワインスタイン photo: Featureflash Photo Agency / Shutterstock.com
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かつてハリウッドで絶大な権力を握っていた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインに、禁錮15年の刑が言い渡された。

米ニューヨークの裁判所は9月23日(現地時間)、元テレビ制作アシスタントのミリアム・ヘイリーに対する2006年の性的暴行について、ワインスタインに禁錮15年を言い渡した。

ワインスタインはこの事件で2020年に一度有罪となっていたが、その判決は2024年に破棄された。その後、改めて行われた再審で再び有罪となり、今回の量刑に至った。

 

2006年の性的暴行で禁錮15年

今回の量刑の対象となったのは、ワインスタインが2006年、マンハッタンの自宅でヘイリーに性的暴行を加えた事件だ。

ヘイリーは当時、ワインスタインが製作に携わっていたリアリティ番組「プロジェクト・ランウェイ」で、短期間制作アシスタントとして働いていた。

2025年に行われた再審で、陪審はヘイリーに対する第1級犯罪的性行為についてワインスタインを有罪と判断。そして今回、カーティス・ファーバー判事が禁錮15年を言い渡した。

法廷でヘイリーは、事件そのものだけでなく、その後長年にわたって続いた裁判が自身の人生に与えた影響について語った。

一方のワインスタインは、性的暴行について現在も否定している。

 

2020年には禁錮23年 なぜ判決は破棄された?

ワインスタインは2020年にもニューヨークで裁判を受けている。

このときは、ヘイリーへの性的暴行に加え、俳優・ヘアスタイリストのジェシカ・マン(Jessica Mann)への強姦でも有罪となり、禁錮23年を言い渡された。

しかし2024年4月、ニューヨーク州最高裁にあたる控訴裁判所が、この有罪判決を破棄した。

問題となったのは、裁判の進め方だった。

2020年の裁判では、起訴の対象となっていない別の女性たちも、ワインスタインから性的被害を受けたと証言していた。控訴裁判所は、こうした証言を陪審に聞かせたことなどがワインスタイン側に不当に不利な影響を与えたと判断した。

重要なのは、この決定が「ワインスタインは無罪だった」と認定したものではないという点だ。

裁判の手続きに問題があったため、それまでの有罪判決を取り消し、もう一度裁判をやり直すよう命じたものだった。

 

再審でもヘイリーへの性的暴行は有罪

こうして2025年、ワインスタインに対する再審が行われた。

再審では複数の女性に関する事件について陪審が判断し、ヘイリーへの性的暴行については再び有罪となった。

一方、元モデルのカヤ・ソコラ(Kaja Sokola)に関する別の性的暴行については無罪。ジェシカ・マンへの強姦については、陪審の意見が一致せず評決に至らなかった。

マンの事件については2026年に再び裁判が行われたものの、ここでも陪審が評決に達することができず、審理無効となった。

その後、検察側は2026年6月、マンに関する強姦罪の起訴を取り下げている。

こうした複雑な経緯を経て、ニューヨークで有罪判決が残ったヘイリーへの性的暴行について、今回禁錮15年が言い渡されたことになる。

 

カリフォルニアでも別の有罪判決

ただし、ワインスタインをめぐる司法手続きがすべて終わったわけではない。

ワインスタインはカリフォルニア州でも、2013年にロサンゼルスのホテルでモデル・俳優のエフゲニヤ・チェルニショワ(Evgeniya Chernyshova)に性的暴行を加えたとして有罪となっている。

2022年の裁判で強姦などの罪で有罪となり、2023年には禁錮16年を言い渡された。

しかし2026年6月、カリフォルニア州控訴裁判所は有罪判決そのものは維持する一方、量刑については取り消し、改めて刑を決めるよう命じた。

当初の量刑を決める際、後に破棄されたニューヨークでの有罪判決が考慮されていたためだ。

そのため、今回ニューヨークで言い渡された15年と、カリフォルニアでかつて言い渡された16年を単純に足して「31年」とすることはできない。

ニューヨークとカリフォルニアの刑をどのように服役することになるのかについても、今後の手続きで決まることになる。

 

#MeTooを世界に広げたワインスタイン事件

ワインスタインをめぐる疑惑が世界的に報じられるようになったのは2017年。

ハリウッドで大きな影響力を持っていたワインスタインから性的暴行やハラスメントを受けたと、複数の女性が相次いで告発した。

その動きは、権力を持つ人物による性暴力やハラスメントについて声を上げる「#MeToo」運動が世界に広がる大きなきっかけとなった。

映画「パルプ・フィクション」「恋におちたシェイクスピア」など数多くのヒット作に携わり、かつてハリウッドを代表する映画プロデューサーのひとりだったワインスタイン。

2020年の有罪判決から、その判決の破棄、そして再審へ。複雑な司法手続きを経て下された今回の禁錮15年は、映画業界の権力構造や性暴力の問題を世界に突きつけたワインスタイン事件にとって、ひとつの大きな節目となった。

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