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GIMME A BREAK! アメリカンTV字幕翻訳者のひとりごと[連載終了]詳細

Vol. 12. 翻訳は太る!

2001年2月23日
ご存知だと思いますが、翻訳って、家に閉じこもりがちの仕事です。電車に乗っていて、ふと気がつくと「あっ、電車に乗るのって、3週間ぶりだわっ!」なんてことも。基本的に、一日中パソコンに向かい、座りっぱなしで仕事をしているわけですから、エネルギーもそんなに使いません。

それなのに…なぜか、お腹がすきます。それも、夢中になって仕事をしている夜中などに、突然、めまいがするほどの空腹感を感じることがあります。「空腹感」ではなくて、「飢え」に近いような感覚です。

よく情報番組などでも話題になりますが、脳っていうのは、糖分しかエネルギー源として利用できないそうですね。特に、私は頭の回転が人よりゆっくりめの人間なので(単に「とろい」とも言う)、他人と同じ仕事をするにも、倍くらい、うんうん悩みながら仕事をしています。そのため、エネルギーの効率もやたらと悪い気がします。燃費の悪いアメ車みたいな脳なのかもしれません。

まあ、科学的なことは、詳しくはわからないのですが、とにかく、動かないくせに、あきれるほどお腹がすくんです。こういう「突然の空腹感」に悩まされるのは、通訳の方なども同じようで、なんとバッグの中に「ようかん」を入れて持ち歩いている、という人もいるそうです。私もちょっとだけ通訳の経験があるんですが、通訳って、「食いっぱぐれ」も多い仕事でした。会議が長引いてお昼の時間がなくなっちゃった、なんてことはザラ。やっと食事の時間になっても、日本人と外国人が同席すれば、今度は雑談の通訳をさせられて、全然自分の分を食べられない、ということも普通なのです。

おまけに、私自身は胃酸過多ぎみで、胃が空になると激痛が走ることがあります。なんと、通訳のくせに、会議の席で「す、すいません、休憩にしませんかあ~~」と、勝手に進行を止めちゃった(!)ことも2度ほどもあります。とんでもないですね。こういうときは、あぶら汗が出るほどキリキリと胃が痛くなってしまうので、トイレにかけこんで、チョコレートをかじります。(はずかしい…)こんなこともあって、通訳の仕事は、いまはもうやってません。(^^;;)

私は今年で、完全にフリーランスとして自宅で働くようになってから4年目を迎えましたが、極度の運動不足がたたって、お腹の脂肪の厚みが着実に増してきました (T_T)。 できれば、カラダには、あんまり栄養を送りたくないです。脳にだけ、糖分を注入するシステムができないかなあ~~。誰か開発してください!! (あ、イタイのは苦手なので、注射は嫌です…。)

P.S. 先日のエッセイで「欧米は字幕ではなくて、吹き替えが主流」と書きましたが、このメルマガを読んでくださってるNARUMIさんから、以下のようなメールをいただきました。

「私はコロンビアに住んでいるのですが、劇場公開作品は、子供向けの物を除き、まずすべてが字幕です。子供向けの映画(ディズニーなど)の広告には『完全スペイン語版』とわざわざ書いてある場合が多いことからも、普通の劇場公開映画が字幕を前提としていることがうかがえます。テレビでも、地上波こそ吹き替えが主流ですが(「芸術映画」っぽい時間には字幕で放送することも)、衛星放送では、チャンネルによってはアメリカのドラマなどを字幕で放送しています。」

そうかー、コロンビアで字幕が主流なんですね。知ったかぶりをしてしまいました。恥ずかしい~~(^^;;)「芸術映画」っぽい作品は字幕で、というのもおもしろいですね。やっぱり、「作品の雰囲気」を重視するからでしょうか??

Narumiさんは、「きまぐれコロンビア案内」というエッセイを書いていらっしゃいます。コロンビアの日常生活が生き生きと書かれた、とっても面白いエッセイです。

HPはこちら: 「きまぐれコロンビア案内」

ほかの国の字幕・吹き替え事情に関する情報もお待ちしています。 メールか掲示板に書いてくださいね。よろしく!(^o^)丿