Twitter
YouTube
Instagram
Facebook
注目トピックス
GIMME A BREAK! アメリカンTV字幕翻訳者のひとりごと[連載終了]詳細

Vol. 8. 「つなぎっぱなし」と字幕翻訳の未来

2000年12月25日
私がインターネットに初めて接続したのは、今を去ること5年前。Netscapeのバージョン2.0のダウンロードに、2時間半もかかったのを覚えています。おまけに当時のダイアルアップ接続は、夜中には、なかなか回線が空かないのが普通でした。10回も20回もトライしてから「やった! つながったよ!」なんて大喜びしていたものです。最近は、かなり快適になってきたダイアルアップ接続ですが……やっぱり、ストリーミングのビデオの再生などには無理がありますよね。通常の回線での接続に限度を感じ、IS○Nなどの導入も検討しましたが、いろいろ計算してみると割高感がぬぐえず、あきらめてきました。

しかし! 先日、ついに我が家でも実現したのです! 夢の「インターネット高速・常時接続」が!!(^o^)

「近日、インターネットの常時接続サービスが始まります」という通知が、地元のケーブルTV会社から届いてから、待つこと1年半。やっと、うちの町内でも工事が完了したので、早速、申し込みました。ケーブルを使ったネット接続は、「IS○Nの数倍」という高速接続がウリです。ホントに、そんなに速いのかなあ?と半信半疑だった私ですが、実際につないでみたら……も~、これが、速いのなんのってっ! 予想以上の快適さで、大満足です。(^o^) もちろん、ストリーミングのビデオだって、すいすい見られちゃいます。

よく雑誌などには、「近い将来、ネット上でテレビ並みに大量の映像が流される時代が来る」などと書かれていますよね。いままでは、「そんなこと言ったって、通信費はちっとも安くならないし、一般家庭でそんな番組を気軽に視聴できるのなんて、ずっと先の話でしょ~」などと思っていましたが、一気に考えが変わりました。(^^;;) やっぱり、これからは、ネット上で映像を楽しむ時代です!(多分。) あと数年以内に、ネット上に数多くのテレビ局ができて、たくさんの人が多彩な番組を楽しめるようになるでしょう。(おそらく。)

もし、これが実現するとすれば……私たち字幕翻訳者にとっても朗報なのです。ネット上でテレビ放送が始まれば、当然、海外ニュースなどをはじめとした、外国語による番組が流れる確立も高いわけですから、また新しく翻訳を必要とするメディアが増えることになります。そうすれば、字幕のオシゴトがまた増えてしまいます。これから字幕翻訳者を目指す方々は、ネットで字幕翻訳デビュー! という可能性も高くなりますね。(なんかカッコいい!(^_^))

え、なんですか? 「でも、そのうち、翻訳ソフトが発達して、翻訳者なんかいらなくなっちゃうんじゃない?」ですって? いやー、当分は大丈夫でしょう。先日来日したビル・ゲイツ氏も、立教大学の講演で翻訳ソフトの将来について質問を受け、こう答えたそうです。

「個人的には、今後20年たっても完璧な機械翻訳はできないだろうと思っている。」

ああ、よかった。私も、あと数十年は、この仕事を続けられるみたい……!(^o^)ありがとう、ゲイツさん。私はマック派なので、あなたのことはずっと、どっちかっていうと、大~嫌いだったけど、ちょっぴりだけ、好きになりそう……(*^^*)

なんていう冗談はさておき……実際のところ、映像の翻訳は、機械翻訳システムの導入が一番難しい分野なのではないかと言われています。字数制限があったり、原語の台詞の長さに合わせた翻訳を行わなければならないなど、機械に「おまかせ」できない部分が大きいためです。私自身は、20年どころか50年かかっても難しいんじゃないかなあ~~とひそかに思っております。

自分のパソコンを憧れの「ネット常時接続」状態にして、今のところ、一番メリットを感じているのは、翻訳の調べ物が楽になったことです。いままでは、接続料金&時間を気にして、心ゆくまでネット上の調べ物ができませんでした。しかし常時接続になってからは、効率がよくなり、綿密な調査が可能となったため、翻訳の質も飛躍的にアップしたのでした……なーんて、胸を張って言えるように、21世紀もがんばりたいと思う私です。(^^;;)

それではみなさん、よいお年を!(^_^)

*****おまけ*****

立教大学でのゲイツ氏の講演の内容は、以下のサイトで紹介されています。機械翻訳について言及しているのは「14.質疑応答」のところです。ご興味のある方はどうぞ。
↓↓↓↓
//www.microsoft.com/japan/presspass/BILLGATES/speech/