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Vol. 47 どこまで行くのか、DVDの特典

2004年11月1日
皆さん、こんにちは。字幕翻訳者のSIGGYです。またご無沙汰してしまってすみません。ネタ不足で、なかなか新しいエッセイが書けませんでした。いやー、字幕翻訳者の毎日なんて退屈なものなんですよ…。毎日、家にこもって、ひたすらパソコンに向かうのみですから…。

現在私がいただいているお仕事は、アメリカで一世を風靡した某人気シットコム番組のDVD用の解説字幕です。DVDの「音声解説」のお仕事はよくいただくのですが、今回は“音声なし”の、字幕のみで表示される解説でした。そういう解説の存在は知っていましたが、お仕事でお受けしたのは今回が初めてです。

この“音声なし”の解説字幕、通常の“音声あり”の解説の字幕と比べてどう違うかというと、よりマニアックなデータが目まぐるしいスピードで画面に表示される、という印象です。各登場人物を演じる俳優のプロフィール、各シーンが撮影された日時、場所、台本にあったのに撮影ではカットされてしまったセリフの内容、セリフで言及される有名人の説明、放送当時の時代背景、セリフにちりばめられるギャグの説明(!)、などなど…。ありとあらゆる情報が飛び出します。

訳していてふと思ったのは「あー、“キング・オブ・ザ・ヒル”や“タイタス”の放送で、この解説機能があったらなあ…」ということでした。ギャグの解説ができるなんて最高ですよね!(笑)。翻訳不可能なジョークなども、無理やり訳さずに「実はこの言葉には、こういう裏の意味があるからおかしいんですよ~~」と説明しちゃえばいいし…!? (いやいや、仮に解説機能がついたとしても、そんな手抜きはしませんよ! なんとか、頭をかきむしって、おもしろいセリフをひねり出しますよ(笑)。)

それにしても最近のDVDの特典の量ときたら…。どんどんエスカレートして、情報量が増える一方ですね。いったいどこまで行ってしまうの…? と、我々下っ端翻訳者は戦々恐々の日々です。“10時間以上の特典映像と解説付き”などというDVDも増えつつあるらしく、そんな話を聞いただけでも私は卒倒しそうでした。(特典映像や解説の翻訳は、調べ物が多くて大変なんです。)

今年12月に発売される「マトリックス」3作品を収めたDVDボックスは、なんと10枚組!! …になるとか。い、いったい、延べ字幕枚数は何枚になるのでしょうか!? 考えただけでもコワイです。我々翻訳者もさることながら、それを取りまとめ、チェックする字幕制作会社の方々は本当に大変なのではないでしょうか。

最近は特典の種類もバラエティに富んでいます。私がお仕事をした作品ではありませんが、ディズニーの「ファインディング・ニモ」のDVDには「ビジュアル・コメンタリー」なる機能がありました。これを“オン”にしておくと、映画の途中でメイキング画面に切り替わります。たとえば画面にイソギンチャクが登場すると、突然画面がピクサー社のCGアニメーション製作現場の風景に切り替わり、ちょっと太り気味のアニメーターが現れて「ハーイ、私はCGアニメ担当の○○です。いま映ってたイソギンチャクの動きをCGで作るには…」なんて説明を始めたりするのです。すごいなあ。

また、「スター・ウォーズ」や「マトリックス」などのDVDでは“隠しコマンド”を入れることによって秘密のメイキング映像などを見られる“イースターエッグ”なる機能がひそかに付けられていて、ファンの間でコマンド入力手順の情報が飛び交ったりしています。

そしてそして、いままでで一番驚いたのは、映画「スパイダーマン」の「デラックス・コレクターズ・エディション」の特典! なんと「自分の音声解説を録音しよう!」という機能があるんですよ! DVD対応のパソコンで、映像を見ながら自分自身の声で解説を録音できてしまう機能だそうです(パソコン用のマイクが必要)。すごい! 画期的! …でも、どんな人が使うんでしょう?(笑) あ、いま思いつきましたが、お子さんがいる家庭とかで、「わー! しゅぱいだーまん、しゅごーい!」とかしゃべらせて録音しておけば、記念になっていいかも!?

ちなみに、私が一番好きなのは“NGシーン”の映像です。たとえばコメディ映画のNGシーンは、コメディアンが自分のセリフにひどく受けてしまい、笑い出して止まらなくなり何度も撮り直している様子や、NGになった瞬間に、おどけて撮影現場の笑いを取っている姿などが入っていて、本編よりも笑えたりします。

「特典映像なんか見るのめんどくさいよー」とか、「DVD持ってるけど1度も特典映像を見たことがない」という方も多いみたいですが、たまには見てみてくださいね。せっかくの「特典」ですし、私たち字幕翻訳者も、みんながんばって訳してますので、なるべくたくさんの人に見てもらいたいです(笑)。