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GIMME A BREAK! アメリカンTV字幕翻訳者のひとりごと[連載終了]詳細

Vol.49 あっという間の5年間

2005年9月28日
みなさん、こんにちは! お久し振りです、SIGGYです。なんと、半年ぶりのメルマガ発行になってしまいました。えー、このメルマガも今回が第49回の発行ということになりまして、次回でついに50回目を迎えます。

当メルマガは、最初は1ヶ月に2回というペースで発行させていただいてたんですが、それがすぐ1ヶ月に1回、2ヶ月に1回というペースでじわじわと発行ペースが延びていきまして…。すみません! とりあえず、次回の50回目で最終回ということにします。長らくお付き合いありがとうございました。当初は「きっと10回ぐらいでネタが尽きちゃう! どうしよう!」と悩んでいたくらいですから、よくこんなに続いたもんだ、と感慨ひとしおです。

振り返ってみると、このエッセイの第1号を書いたのは2000年9月。あれから5年も経ってしまったんですねー。私ときたら、翻訳者としてあんまり成長もないまま、年の数と体脂肪の数値だけがばんばん増えてます。なんせ私も今年でもう40歳ー! 最近、めっきり疲れが取れなくなってしまい、しんどいです。(^^;;) よく翻訳学校などの宣伝で「翻訳は定年なし」「年を取っても続けられることがメリット」とか書いてありますが…。いやー、キツイですよ。とことん、体力勝負の仕事ですからねえ。特に、映像翻訳は。何歳まで続けられるのやら。目も酷使しますから、かなり視力が落ちますしねえ。とほほ。

そして、自分が年を取れば、もちろん恩師も年を取るわけで、今年の5月には岡枝慎二先生が76歳でお亡くなりになってしまいました。落ちこぼれ生徒だった私は、卒業後お会いする機会もないままだったのが本当に悔やまれます。先生の大好きな猫のハガキでの文通だけは続いていましたので、先生からいただいた20数通のハガキをこれからも大事に取っておきたいと思います。先生、長い間、デキの悪い生徒を応援してくださって、ありがとうございました!! (涙)

さて、この5年間で、字幕業界で一番変わったなあ、と思うのは24回目のエッセイでも書いた「SST」というソフトの普及でしょうか。私の周りでもSSTで仕事をしている友達&知り合いがどんどん増えています。しかし私自身はいまだに昔ながらのやり方で、業務用VHSを使ってスポッティングを取り(字幕を出すタイミングを決める作業のこと)つつ、字幕データを作っております。最近業界に入った若い方などは、私が使っている機械のことをご存知ない方も増えてきて…。「それはいったいどういう方式なんですか?」と、説明を求められることが多く、これまたトホホです。(自分がすっごいバアさんになった気分。)でも、「SSTより、きちんとスポッティングが取れると思う」とおっしゃって、旧式のデータを使ってくださる制作会社さんがまだありますので、しばらくはこのボロい業務用VHSの機械を愛用するつもりです。(そのうちに、現在30万円もするSSTの価格が、少しでも安くなることを切に願って…。(笑))

また、予想が大きく外れちゃったなあ、と思うのは、第8回のエッセイに書いた「これから数年後にはネット上でテレビ局がばんばんできて、字幕の需要が増えるかも!」っていうヤツです。これは、私だけが妄想していたわけではなくて、実は翻訳雑誌などでも盛んに書かれていた予想だったんですが、結果はとりあえず大はずれでした(苦笑)。しかも、このときのエッセイではパソコンがやっとネット常時接続になったばかりで「翻訳の調べ物が楽になった」なんて浮かれていましたが、これも、ぜんぜん楽になってない気がします。あれからネットの世界はどんどん広がり、情報の洪水状態となり、調べものがエンドレスの作業になってしまいました。いやー、いつまで経っても手抜きができない仕事ですなあ…。(笑)

そして、第44回のエッセイに書いたニューオーリンズは、先日のハリケーン“カトリーナ”で水没してしまいました。少なくとも、1000人が亡くなっているとか。いま、現地でお世話になった人たちに少しでも恩返しをしようと、ゴスペル仲間で「ニューオーリンズ復興プロジェクト」と銘打ったウェブサイトを作り、コンサートを行って募金活動をしたりしています。次はフリマに初挑戦の予定! がんばります。もしよかったら、ご協力のほど、ぜひよろしくお願いいたします。関連サイトはこちらです。

ゴスペルの源流を訪ねる旅:ニューオーリンズ復興プロジェクト

それでは、次は最後のエッセイです。何かプレゼントも企画しますので、最後までよろしくお願いしますね~(^▽^)